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大好きだった先生は、全部分かっていたのかも

本当に、取りとめもない昔話です。
昭和の時代、本当に福祉として機能していた保育園、そんな保育園での私の狼藉の数々、当時の知的障害のない発達障害の認知、あと放送大学のオススメ授業のお話も、ちょっとだけ。

大好きだった保育園

もう何十年も前に私が入っていた保育園は、とてもあたたかい、素敵な園でした。

稼ぐには稼ぐのですが、稼いだよりも遥かな金額を博打に使ってしまう父親がいて、家には借金取りが押しかけるほど。
そうして家計は文字通り火の車の中、毎日毎日ボロボロになりながら駆けずり回るようにして働く母を、保育園の先生方は優しく支えてくださり、そこでの生活は今の私のヒトとしての礎を作ってくれたと思っています。
母によると、当時の私は毎朝保育園に行くのを、とっても楽しみにしていたそうです。

当時の我が家にとって、保育園は、文字通り「福祉」として機能していました。

やらかし放題の保育園生活

しかし。
私は保育園では、なかなかなことをやらかしまくっていました。

ほんの少ない、今でも憶えていることだけでも、

  • 服を着たままプールに飛び込む

  • 癇癪を起こして裸足のまま外に飛び出す

  • 絶対に登ってはダメよと言われていた高いところに登って落ちて強く頭を打つ(しかも何回も)

  • お友達と半ば強引に手をつないでぐるぐる回って遊び、相手の子が何かの角に額をぶつけて、怪我をさせてしまう(母は真っ青な顔で菓子折りを持って謝りに行ったそうです)

……。

今、親の立場になって思えば、よく追い出されなかったな、と、顔が真っ青になる気分です。
それでも今、母に何度尋ねてみても、保育園の先生からは何も発達や集団行動の難しさについては指摘されたことはなく、むしろ言葉の覚えの早さなどでお褒めの言葉をいただくことのほうが多かったようです。

1980年代の当時、「知的障害を持たない発達障害」という概念は、保育や教育の現場にすら浸透していなかったこともあったのでしょう。

しかし、母は、生まれながらのスーパーポジティブウーマンなので、仮に先生方からやんわり遠回しに何か言われていたとしても、少しも気付いていなかった可能性は非常〜に高いです。
(そんなこともあり、私は一度も診断を受けていません)

大好きだった先生からの進路アドバイス

それでも。
中学生か高校生の頃、一番優しくて大好きだった先生に会いに、成長報告がてら遊びに行った時の話です。

当時、園長になっていたその先生は、「私も保母さんや学校の教師みたいな、ヒトを教える仕事に就いてみたいんです!」と希望たっぷりに言い放った私に、優しく、でも真剣な眼差しで、こう言いました。

「ひよ子ちゃんには、この道よりも、英文科とかを出て普通の会社に入ったほうが、向いているのかもしれないわね。」

今思うと、何を言わずとも、先生はちゃんと「分かっていた」それとも、「後になってからいろいろ分かった」のかもしれないですね。

最初に入学した小学校の入学式では、入学者代表としてスピーチをすることになったのですが、裏事情として、当初予定されていたとても優秀なお医者さんの息子さんから、どうしても私に変えてほしいと、その先生からの要望があったと聞きました。昭和の当時、そんな役割を女の子にさせるなんて、いかがなものか…?って周囲の声があったとも、なかったとも。

それは、もしかしたら、「この体験で自己肯定感をつけて、小学校でどんなにつらいことがあっても、なんとか乗り切っていくのよ。頑張ってね」という、先生からの隠れたメッセージだったのかもしれません。
深読みしすぎかな?
(当然ですが、小学校以降は保育園のようにはいかず、つらいことがたくさんありました。)

言うことを聞かなかった私

それでも、ナチュラル・ボーン・無鉄砲な私は、そのアドバイスには従わず、ヒトを教え導く仕事を志して進学し、案の定実習ではズタボコのペシャンコに。
何とか資格だけは手にしたものの、その時の大好きな先生の言葉を強く噛み締め、氷河期でもどーにかこーにか受け入れてもらえた中堅の土木建材メーカーの小さな営業所に、営業事務として就職しました。
(実は、学生時代までは、歌手という壮大すぎる夢もあり、実際あちこちに応募書類やデモを送っていたりもしてたのですが、それはまた、別の機会に…。)

そして歴史は繰り返す

実は、今回、放送大学心理と教育コースに編入したのも、対人援助職として立派に独り立ちできれば、張り合いがなく寂しい老後にはなりにくいだろうという、なんとも浅はかでよこしまな考えで、公認心理師や臨床心理士を目指したのが始まりでした。

しかし、やはり、今も対人援助職からは方向転換しようとしています。
当時ほどネガティブな理由でなく、研究所での素敵な出会いや放送大学の授業で実験心理学の面白さ奥深さに気付いたからという理由のほうが遥かに大きいのですが。

それはそうと、放送大学の「認知行動療法(’20)」はオススメ

こぼれ話ですが、放送大学の放送授業「認知行動療法(’20)」の動画を見ていた時に出てきた「ダメダメな支援のモデル」は、まさに私の脳内での思考パターンそのものでした。ダメだ、こりゃ。とほほのほ〜。

「認知行動療法(’20)」の放送授業は、学外でも有名な花形科目の「錯覚の科学(’20)」と同じくらい、対話型で構成がとてもよく練られていて、いろんな個性的な認知行動療法の実践場面まで出てきて、見ている人を飽きさせない、オススメの科目です。少しでも興味があれば、是非。 

認知行動療法(’20) 
https://youtu.be/d9HxXKSv9sk?si=eY9z2ZA4pmU2YdYu

錯覚の科学(’20) 
https://youtu.be/QM7sMjrOtW8?si=uGCCk7G0HI3RFRw8

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