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お金のやり取りでなく信用が価値を生み出す可能性


「フリー<無料>からお金を生み出す新戦略」
筆者:クリス・アンダーソン
訳者:高橋 則明         発行所:NHK出版
2013年

今回は、社会人時代に自己啓発を目的として購入した書籍の紹介をさせていただきます。


購入した当時はイメージのつかないものもあったし、現在当たり前となったものも経済学的言語で表現された言い回しもあり、正直言うと今読み返してみても理解できない内容もあり難しく感じる部分もあります。


しかし、インターネットの普及が広がる今において必要のある知識として理解するべきだと感じてますので自分の解釈も含めて解説します。

今回、タイトルにあるフリーでは以下のようなことが例として挙げられています。

・アメリカの新聞社は2007年にオンライン版の閲覧をすべて無料にした。
・あるミュージシャンは自分達の楽曲を常にオンラインで無料公開している。これは、フリーにすることでファンの一部がコンサートに来てくれて、さらに有料のCDやグッズを買ってくれるとわかっているからだ。
・無料オンラインゲームが急速な成長をしている。

といった具合に当時これを購入した際はあまり共感できない印象にあったし、音楽に関しても現在のようにYoutubeでPVを見ているよりも月会費を払って聴き放題のサービスの方が周囲で流行っていた。


しかし、今はこの言葉も全て当たり前のように見ることができてきた。


改めて、この本を読み返してみると「言われてみればこんなビジネスあるな」と共感した部分もおおいのでぜひ共有したいと思う。


筆者のいうフリー(Free)の定義について各国のとらえ方について比較している。

‣フランス語やスペイン語といったラテン語を起源とする言語:「自由」「無料」と別々に言語があるので区別しやすい。

‣英語:「free」は「無料」、「自由」の二つの意味を持っている。ラテン語では無料と意味でつかわれる「gratis」がマーケティング上で策略を思わせる印象を与える。それに対して「free」は両方の定義を持つが故にマーケティング上にもセールスを狙う上で策略に対するガードを下げやすくした。今回の本題と言えるソフトウェアの世界ではいくらでも利用できるという意味での「自由」、「無料」の両方の意味を持つ。


1、100万種類もフリーてある!?

商売で使われる〈無料〉には多くの意味がありビジネスモデルも多様にあります。無料とうたいながらもそうでないことも多いと筆者は答えています。


新しい経済モデルとして例えるならば「無料サンプル」は単純なマーケティングの手段の一つとしても内容でなく、新の無料としては限界費用がゼロに近いオンライン上のデジタル経済にみられると言います。


写真共有サービスのあるものでは「ほとんどのユーザーには無料だし、そこには広告すら掲載していない。載せるのもメディア広告をコンテンツとしてでなくソフトウェアやサービスに適用する方法が新しい」としているのです。


けど、自分たちがよく見かける「お試し無料」は無料であっても期限が限られていて使用期間が切れる前に解約しにくいのかもしれないし、ガソリンスタンドの「タイヤの空気入れ無料」も経済学者が「補完的商品」といって空気入れという無料の商品が有料の商品(ガソリンスタンドにガソリンを入れる行為、店内のガムを買うなど)に対する消費者の関心を強化するものだし、テレビの視聴が無料なのも広告主がが費用を払うことで消費者がテレビ番組を無料で見るコンテンツを得るためのビジネスモデルでこれに至っては1世紀以上の歴史を持つというので歴史的な流れで見ても多くのフリーがあることが伝わりますね。

2、内部相互補助

「はて、どういう意味だ?」自分はこの言葉を見る当時、理解できませんでした。


文中には、商品から商品への、人から人へのお金の移動、現在と将来の間でのお金の移動、あるいは非貨幣経済の市場に入ってまたでていく。


経済学者はこれらを「内部相互補助(他の収益でカバーすること)」と呼ぶとしています。


しかし、筆者はこの内部相互補助についてフリーのビジネスモデルでみると大きく4種類に分けられるとして図解していたのでその内容についてまとめたいと思います。


フリー① 直接的内部相互補助

 無料なものー消費者の気を引いてほかの物も買おうと思える商品を出すことが多い。「DVDを一枚買えば2枚目はただ」などもこれにあたる。

どんなものやサービスでもえてして価格は原価でなく心理学をもとに決められる。企業は売るモノのラインナップを見て、あるモノを無料かそれに近い値段にすることで、集客を狙い健全な利益を出せる他の魅力的なものを売ろうとする。


フリー② 三者間市場

無料なものーコンテンツ、サービス、ソフトウェアなど。築かれた経済の中で最も一般的な形の一つ。

無料で視聴できるTVやラジオなどのメディアはコンテンツを利用する消費者に無料か低額でそのサービスを利用でき、その二者間に入るために広告主が代わりにお金を払い、CMなどを放送し集客につなげれる。


フリー③ フリーミアム

無料なものー有料のプレミアム版に対する基本版。ウェブにおけるビジネスモデルとしては一般的。

従来の無料サンプルは販売促進を目的としているのでそういった試供品に該当するものは実費がかかり生産者は生産者は少量での配布しかできなかった、少量で消費者を引き付けより多くの需要を生み出そうとしていた。


しかし、デジタル製品といった典型的なオンラインサイトには「五パーセント理論(五パーセントの有料ユーザーが残りの無料ユーザーを支える仕組み。いわゆるゲームでは課金と無課金?。)」でのサービスの提供コストはほとんどゼロにできるようになった。


フリー④ 非貨幣市場

無料なものー対価を期待せずに人々があげるものすべて。これに該当するのは以下のように様々な形があります。

「贈与経済」:ウェブによって個人の行動が世界に影響を与えられるようになった。これには流通コストがかからずに「共有」が一つの産業としていると言える。その「共有」をする上での原動力のような作用を持つものは評判や関心であり、その他にも優先度としては低いが表現、喜び、善行、満足感、私利もある。


「不正コピー」:オンラインで配信される音楽のようにオンライン配信の間で発生するコストはゼロになった。ミュージシャンの中にはオンラインをマーケティング手段として割り切り不正コピーや無断掲載があったとしても割り切ることで無料で楽曲を提供するものも出現した。それは、楽曲事態をビジネスやお金儲けとしてとらえておらず、それで作る理由としては創造性の発揮や表現といった別の理由が発生しているから。


3、まとめ

とここまで本文をもとに大まかにまとめてきましたが、経済学を改めて文献として読んでみても多くのビジネススタイルが存在しています。


それを言葉として表現することはもちろん、理解することには長い時間を要することがわかります。

また、今回おおまかなビジネスモデルの紹介でしたが「フリー」での課題や知見、メリットなど細かくまとめられているので興味あるかたは是非読んでいただきたい一冊です。

もしかすると、近くにある行きつけの店のサービスのノウハウがわかるかもしれません。

また、少しづつ自分なりに気づけたことなどもあれば掲載していきたいと思います。

これは、サービス業などに限らず、インターネットが主流となった現在でかつコロナによる経済活動の大きな変化をみていると人ごとに見れません。

すべての職業においてコストや集客、質をの向上を図るために必要なノウハウであると考えます。

また、オンラインサロンや芸術など様々な分野で活用する西野亮廣さんはこれからの時代はお金は信用を持つ人に回ってくると著書でも語られています。

それは、現在店に直接会いに来てくれるお客さんがいないなかで価格をどんだけ下げても集客につながることはできず、最終で結果として出るのは「この店にAさんが働いているからコロナが落ち着いて外出できるようになったら会いに行こう」なのです。だから、ニュースの報道ではある美容室の回数券をオンライン上で販売したところ多くの人が購入に至ったようです。


今は安さやモノの品質だけでなく従業員の人柄なども評価の一部になることを今後も考えていく必要があると感じました。ぜひ、今の時代を生き抜く知識として考えていくきっかけになれば幸いです。

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