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ささやかな喜び

今日も畑仕事に汗を流している。
来る日も来る日も。
なんの取り柄もないただ働くだけの寡黙な男。

一日のささやかな喜びと、少しの苦の種とを、
天秤にかけ、どっちが重いかを確認しては眠りにつく。
人生のトータルでどうなのかなんかはどうでもよくて、
ただその日一日がどうであったかに一喜一憂し、くらす。

そうするうち、予想し戦略を練るようになってくる。
どうすればささやかな喜びが勝つかを考えながら暮らすようになった。
ときには大胆に、ときには小出しにし、
自分の人生をコントロールしだす。

もう、人生のトータルでどうなのかを、
死ぬまで忘れることができなくなってしまった。

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