ボカコレ2023春 参戦の記録
音楽作っています。で自動合成音声ってヤツを使っているので、いちおうボカロPやってます、と名乗っています。
ボカロPの祭典として「ボーカロイドコレクション」というイベントがあります。ボカロPが自分の曲を公開して、みんなで聴いて、ランキングも競うみたいな感じです。
わたしは2021年秋から参加しているのですが、今回は「どんなふうに参加したのか」という記録を残そうと思います。とりわけ「目的」「交流のあるボカロPさんとの関わり」「みんなで楽しく参加するための模索」みたいなネタです。
関心ない方にはサッパリでしょうが、そういうもんだと思っているので大丈夫です。
自分の曲を聴いてもらいたい!
まあ、当たり前なんですが、自分の曲を聴いてほしいってのは、音楽作っている人の願いというか欲というか。この煩悩から解放されることは、まずないんじゃないかと(今回の出品作品)。
基本的にやったことは、曲(およびMV)を作って、最低限の告知をしたくらいです。自分の曲の宣伝ということで言えば、こんなものです。ただし「結果的にプロモーションになる行為」は、かなりボリュームがあるので、それはあとで書きます。
自分の曲の宣伝だけやるのは正直楽しくない!
先ほど書いたように、あんまり自分の曲のプロモーションをしなかった理由は、これなんです。ちっとも気分がアガらない。
ネット上に音楽公開を再開して、しばらく(2022年春のボカコレ)までは、お付き合いのある方も少なかった関係で、PRもやったんですよね。ただ、楽曲のレベルの低さと共に、宣伝すればするほど、めんどくさくなるというか。
他にもいい曲いっぱいあるのに、なんで自分の曲だけ宣伝してるんかなぁ、みたいな。
そもそも、ランキングが付いているとは言え、ボーカロイド「コンテスト」ではなくて「コレクション」なんですよね。みんなで楽曲を持ち寄って、お互いにいろんな出会いを目指そうね、みたいな。そっちの方が楽しいのになぁ、みたいな違和感が強くなっていきます。
オサーン卍ボカロ連合の結成
意味不明な名称ですが、要はおっさんのボカロPがなんか集まっちゃった、みたいなことです。詳しくはこちらでお読みください。
このときに、漫画を描いて公開したり、ボカコレ開始後も、メンバーの曲のレビューを書いて拡散したりするのが、楽しかったんですね。漫画と言っても雑なんですけど、なんかくだらなさが「男子中学生の悪ふざけ」みたいな感じで、イベントの楽しさを感じられて。
で、自分なりに整理したところ「自分は、自分のプロモーションやるより、周りの人と楽しむ方を優先したい」という結論になりました。
いえ、自分の曲は聴いてほしいし、その活動もするんです。でも、そこを目標にしない方が、自分には合っていると思ったんです。
今回のボカコレの活動方針を立ててみた
実はこの一年くらい仕事がかなり「ぎうぎう」でして。曲を作って公開するのもキツいかなと。
それで、今回のボカコレでは
(1)自曲のプロモは参加表明と予告動画公開くらいにする
(2)ボカコレ参加表明漫画は描かず、一枚絵だけにする
(3)女性のボカロPの支援という形でイラストを公開していく
(4)はじまったら、できるだけ巡回して曲を聴き、可能な範囲でレビューやコメントを残す
(5)宣伝ではないやりとりを、できるだけツイート上で楽しく行なう
という、かなりシンプルな行動指針を立てました。
それぞれを少しずつ説明します。
(1)自曲のプロモは参加表明と予告動画公開くらいにする
これは、まあ、読んだとおりです。ただ、ありがたかったのが、ツイート上でお付き合いのあるボカロPの「Kaki-P」さんが、無料でMVのロゴ作ってあげるよと、呼びかけてくださったんですね。
MVのロゴと、動画のサムネイルが高品質になったのと、そのこと自体が宣伝になったのとで、思わぬプラス効果が生まれました。
(2)ボカコレ参加表明漫画は描かず、一枚絵だけにする
前回は、ボカコレに乗り込むぞ的な漫画を描きましたが、今回はスケジュール上無理なので断念。一枚絵だけ出しました。ボカコレ参加を考えている知り合いのPさんの一部を、ぎゅっと詰め合わせた感じです。
(3)女性のボカロPの支援という形でイラストを公開していく
もともと、架空の雑誌の表紙に、女性ボカロPさんなどを「カバーガール」という形で掲載していました。
このたびは、それをボカコレ開催前に立て続けに公開しました。
ボカロPに男性が多いので女性支援ということ。男性をカッコよく描いても盛り上がりにくいこと。ぶっちゃけ書く意欲もあんまり起こらないし。この表紙絵をネタに、みんなで楽しくツイートで会話できたらと思っていたこと。これらの理由で女性Pさん限定にしています。
ボカコレ直前の1週間で5名を紹介。密度を高めることで、雰囲気を盛り上げていけたらという狙いです。
(4)巡回と視聴&レビューやコメント
基本的には、曲は全部フルで聴きました。出来るだけコメントを、曲全体にわたって付けたかったからです。
曲を作る人間は、最初から最後の一音まで、本当に気を配って作るんですよ。なので、時間がある限りは、ちゃんと全部聞いて巡回しようと決めました。
コメントは作者へのラブレターと思って書いた感じです。レビューは楽曲の好みと人間関係(それまでのツイート上でのやりとり)の濃さで選びました。とは言え、巡回が十分できなかった関係で「あの人が漏れてた!」ってのが結構あって、頭を抱えています。
(5)宣伝ではないやりとりをツイート上で楽しく
レビューへのお礼とか、その他のツイートについても、出来るだけ「そのツイートの流れで、楽しく笑えるように」ということは、幾らか意識しました。
ボカコレ参加作品作りでボロボロなみなさんが、巡回しながら自分の曲の再生数を見守っている状況なので、そういう中で「楽しいこと」「笑えること」のひとつになればいいなと思っていました。
かんたんに言えば「みんなの気がまぎれたらうれしい」ってことです。
気がつけば支えてもらっている自分だった
とまあ、偉そうに「みんなのために頑張ってみた」などと書いていますが、結局はわたしが一番支えられていたんですよ。
仕事が忙しかったので、聞けてはいてもレビューが書けない方、そもそも聞けなかった方、いっぱいいます。いいねのひとつもつけられなくて、何が支援だよって感じですよね。
なのに、関わりあるみなさんが、他にもいっぱいいい曲があるのに、わざわざ来てくれて、コメントも山ほど残してくれて。わたしがみなさんにしてあげられたことの何倍も、親切にしてもらってたんです。
今回のボカコレは過去最悪の厳しいボカコレでした。
わたしが初めて参加したボカコレ2021秋の場合、いいねを100もらえたら、TOP100にランク入りできていた感じです。それが今回は、200以上のいいねをもらっても入れない。ざっとみた感じだと、再生数はたぶん2000あたりで、いいねは300くらいがランク入りの最低ラインのような感じでした。
わたしは最終で500再生&120いいねくらい。前回が360再生なので大幅アップですが、まったく問題外ですね。
それが、1時間ごとのランキングで、少なくとも二度、TOP100入りしています。特に、大切な要件のため全くネット接続できなかった「ボカコレ終了直線の1時間」では、47位にランクイン。ありえないことなんです。要は、みなさんが不在にわたしを、こっそり支えてくれたんです。ちょっと胸が熱くなりましたね、これは。
結論:ボカコレで自分のことだけ考えるのはもったいない
考え方はいろいろあると思うんです。ボカコレで実績作ってプロになりたい人。プロとしての価値(人気や単価)を高める目的での参加。別にどうでもいいし、否定もしないです。
ランクインのために「みんなで聴きあう」という動きも、効果的だし、別に問題とも思わない。ただ、自分のいいねを稼ぐために、大して曲を聞かずにいいねを押す(お返しのいいねをもらうため)みたいなのは、正直「ついていけないなぁ」とは思います。
ただ、個人的にはもったいない。
せっかく、親しくなった人たちが、精一杯努力した成果を見聞きできるのに。素晴らしい曲に出会えるかもしれないのに。自分のことばかり気にするのは、もったいない。そう思います。
理想論かも知れませんし、これをステップアップの場と考えている人たちからすると「プロになる見込みのないオッサンのたわごと」と聞こえるかもですが。
それでもやっぱり、もったいない。フォロワー数もいいねの数も、それって全部「人と、人の気持ち」なので。
ボカコレが終わって、ちょっと振り返ってみると、わたしの周りにはいい人たちが多くて、ありがたいなぁということ。みなさん、ホントにおつかれさまでした。そして、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?