素人がテレビ番組を作った話
私は以前、テレビ埼玉で『ボールルームスターズ』という社交ダンスを紹介する番組をやっていました。
これは『持ち込み番組』といって、スポンサー企業が自社で番組を作り、それをテレビ局に持ち込み放送するというもので、2014年〜2015年に私自身がスポンサーになってテレビ局から番組枠を買い、新たにスポンサーを集め、自ら番組を作り放送しました。『社交ダンスがもっと身近になってほしい』という思いから、たくさんのダンサーや企業に協力してもらった、ダンス業界全体を巻き込んだ企画でした。
ことの発端は、それより2年くらい前に遡ります。
その当時、テレビ埼玉では『ダンスは1番』という社交ダンス番組がありました。
私もゲスト講師として番組に出させてもらったのですが、、、なんというか、、、色々とショボい番組だったんです。
テレビ埼玉のスタジオで収録があったのですが、美術セット、企画、台本、司会、音楽などなど、ツッコミどころが満載で「テレビって、こんな感じなのか〜」とすごくガッカリしたのを覚えています。
それから少し時が流れ、ダンススタジオのダンスパーティーのDVDを撮影してくれてる若林さんと『ダンスは1番』の話をする機会があって、「あれだったら、うちのダンスパーティーの映像を流した方が面白いですよねー」と生意気なことを言ったところ、「できますよ、それ」と想いもよらぬ返答。それから『持ち込み番組』について教えてもらいました。(若林さんはテレビ局のお仕事もするカメラマンでした)
たしか、1クール(3ヶ月)テレビ埼玉で1時間の番組を放送するのに600〜700万円くらいだったと思います。それに番組制作費として300万円。あわせて1000万円くらいかかるのですが、それをスポンサーとアマチュアの出演者から出演料いただいて回収する。
ざっくりと試算をして「イケるかも」と思った当時の私は、それから協力ダンサー、協力企業を集めるため手当たり次第連絡をしました。
2013年、東日本大震災をきっかけに色々な自粛ムードの中、社交ダンス業界もその大きな煽りを受けていました。なんとかしないとと思っていたダンサーやダンス関連企業を中心に本当にたくさんの人に協力してもらいました。
プロのショーをメインに据え、「かっこいい」「美しい」「楽しい」イメージを前面に出し視聴者に興味を持ってもらう。
プロアマのデモンストレーションでは幅広い層の愛好家に出演してもらって「やってみたい」「習ってみたい」と思ってもらえるように。
またダンサーにもコメントやトークを中心にフォーカスし、より身近な存在として応援してもらえるように。
1ポイントレッスンやジュニアダンサーを紹介するコーナーを設け、より多くの層に楽しんでもらえるように。
・・・などなど考えられるだけのコンテンツを詰め込んで2014年1月に番組がスタートしました。
立ち上げから、企画、運営、制作、出演と、そのほとんどを仲間たちと手作りしたテレビ番組。(詳細についてはまた別の機会に紹介します!)
放送が続いた2年間は本当に忙しかったけど、めちゃくちゃ勉強できたし経験値も上がりました。そして何より、沢山の人と繋がれたことが今でも財産となって残っています。
素人(しかもダンサー)がテレビ番組を作る。
・無謀と思えることでも、信じて突き進めばなんとかなる。
・誰かがなんとかしてくれるのを待つのではなく、自分自身で活路を切り開く。
この時の経験が今の私の行動理念を作り出したんだと思います。