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霜降 第五十四候 楓蔦黄

霜降も末候、「もみじつたきばむ」( 11/2~11/6)になりました。
チェンマイでも、ちょうど2日から熱帯の冬である寒季(ルドゥー・ナーウ)に入ったとタイ気象庁から発表がありました。

とはいえ、チェンマイでは寒季の華の「ローイクラトーン祭」には雨が降るというジンクスがあるように、寒季入りしてもしばらくは、地上に残る雨季の名残の熱や湿気のために雨の降る日が少なからずあり、実際、先週末から昨日までは、夜になるたびに、雨季よりも雨季らしいくらいの雨量の激しい雷雨がありました。

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更にここ数年は毎年雨季明けが遅くなり、以前はなかったことですが、寒季のピークである年末年始頃でさえ雨が降るようになったり、やはり気候の変化も否めません。ここ数日の夜の大雨も雨季の名残というよりは、気候のゆらぎに起因する気がしなくもありません。

熱帯の冬入りと同時に、第五十四候の楓蔦黄になり、日本の実家の母からは紅葉が始まったと電話もあったりしますが、こちらはこんな雨季の名残の中ですから、多少勢いは弱まったとはいえ、木々はあおあおとして、その緑に映えて、満開のコルクノウゼンの香り高い白い花が、惜しみなく地面に降り注ぎ、路肩にもまるで雪のように積もっていて、まだまだ空に水の気配がある限りは、植物たちの生命は旺盛なようです。

それでも光や空気は一足先に季節を進めるようで、肌に刺すようだった日ざしはどことなし優しくフラジャイルになり、湿度が下がり始めた空気は存在感を淡くしはじめて、かすかに秋の気配はします。
そんな風に光や風があたりにひんやりとした気配を満たす頃、北タイでも標高の高い地域へ行くと、霜も降りることがあるくらいには気温が下がり、日本ほど鮮やかではないものの木々は紅葉してくれます。
でもそれは、あとひと月ぐらい先のことでしょうか。


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