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霜降 第五十二候 霜始降


先週末、二十四節気は寒露から霜降へうつりました。
霜降は10月23日~11月6日頃。朝露が霜に変わる時分ということだそうです。
そしてその初候である七十二候は第五十二候「しもはじめてふる」。
期間は10月23日~10月27日頃です。

暦のうえでは、いよいよ冷えが実感されはじめる時期で、実際日本では例年より気温が低めの日も多いと聞きます。
けれど、チェンマイのお天気はあいにく少し後退し、前の週より下も上も気温が少し高め。せっかくクローゼットから出したカーディガンやストールは活躍できないうえに、このところひっきりなしに発生する台風の影響か、夜毎これまでの中で一番雨季らしいと思える激しい雷雨が降り、市内の道路が一時的に冠水してしまうような日さえあるほどでした。

それでも、日を追うごとに夜明けが遅くなり、昼の時間が短くなるのは実感できますし、たとえ昼間のが30度を越えようと、夜は布団を被らないと眠れないくらいまで気温は下がります。
第五十二候の最後の日である今日は、もうさすがに数日前のような豪雨の気配は空になく、光もどこか淡くなってきた気がします。(ただ、またベトナムには台風が接近して、大雨の予報が出ている地域もあります。今年は雨季が明けるのが遅いのかもしれません。。)

そして、なによりタイで一番高く(といっても標高は2,565m)チェンマイの人気の観光地でもある山、ドイ・インタノンの山頂では、朝の気温が10度を割り、その寒暖差に雲海が現れたというローカルニュースが流れる日が増えてきました。空気の流れ方の違いでしょうか、山の上は町よりも少し早く季節が進んでいるようです。

あと少しして本当に寒季になり、いよいよ空が澄んできたら、ドイ・インタノンでは、気温は更に下がって、雪の降らないこの国では、雪を想像するよすがであり、雪を見たことの無い目には、なんとも美しく不思議に見える冷たい霜が降りるようになります。
もし、今の病の流行があと少し落ち着いたなら、暖かな南の国では稀な、氷の結晶を見に大勢の人たちが山頂へと集まることでしょう。
実際、10月1日から県境を越えた国内移動が許可され、政府による国内観光の推進キャンペーンもあり、市内にもちらほらと旅行に来ている人たちも見かけます。とはいえ、チェンマイの現実は今毎日新規感染者数が300人を超え、クラスターが発生したあちらこちらの市場が閉鎖されるような、いささか危険な状態が続くこの数週間です。。

この熱帯の国でも、寒季になると、以前は山に登らずとも、殊更冷え込んだ朝には郊外には霜が降りることが時々ありました。
初めてチェンマイに来たばかりのころ、たまたまそんな日に出くわして、金色の枯れ野原が霜に覆われ、その上を朝霧がふわりと包み、その微細な氷の結晶を空中の水の粒子が朝日で微光を帯び、あたり一面が光のベールに覆われて発光しているような風景を見たことがあります。

気候の変化について、悩ましいレポートが多いこの頃ですが、今年は何故か総じて気温が低めの日が多い気がします。願わくば、またあの不思議な光にあたり一面が包まれる現象をもう一度見られたなら。と思ってしまいます。

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