日記:ステッカーを作る
近所にあるコーヒー屋さん「Cafe&Bar ”SOFT”」。店内に僕が描いた絵を飾ってくれている。
僕が扉を開ける。朝11時。誰もいない。Mさんもいない。店内を見渡す。奥の方からMさんが出てくる。ちゃんといた。簡単に挨拶をすませると、Mさんが僕に言う。「それなんですか?」僕の手元にある透明な袋の事だ。
僕はそれを自分の部屋から持ってきている。64mm ×100mmの小さな袋。「これ作ったんです。もらってくれますか?」僕はMさんに袋を渡す。
袋の中にはステッカーが入っている。店に飾ってもらっている僕の絵と同じデザインのステッカー。60mm×75mm。スマホの裏側にピッタリおさまるように作った。
Mさんは驚きの混ざった顔で喜んでくれた。カフェラテと小さなスイーツ(バスクチーズケーキかガトーショコラだったと思うけど、なぜか思い出せない)を注文する。1時間くらいMさんと熱心に話をした。
「それはそれ、これはこれなので大丈夫です」僕が言う。ステッカーをもらったお礼にお代はいらないと言うMさん。結局、断ってばかりだと相手の気持ちに寄り添えないと思い、スイーツはごちそうになる。
僕は無印の白のタートルネックのセーターの上にポールスミスの紺色のシャツを着ていた。「白以外も着るんですね」Mさんが言う。白いシャツのイメージが強い(というかそれしかない)らしく、僕がそういう服装をしていることが珍しかったみたいだ。「冬は黒も着ますし、緑も着ますよ」僕が言う。お店を出る。
Mさんから連絡が来る。SOFTに来るお客さんやお友達にステッカーを配ってくれたみたい。インスタグラムのストーリーにステッカーをもらったことを投稿したら、連絡をしてきてくれた人もいたみたいだ。お店に取りに来てくれた人なんかもいたみたい。「『なぜ、SOFTはステッカーないの?』ってよく言われるんです」Mさんも言っていた。みんなに愛されているんだなあと感心する。
春になったら緑色の部分を淡いピンクに変更したステッカーを作って持っていってあげたらMさん喜ぶかなあ。午前2時44分。そんなことを考えている。