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日記:猫も見ている

昨日の夜、ブッセ(コーヒー味)を食べながら家までの道を歩いていた。夜10時30分。前方、黒い小さなシルエットが道路わきの茂みや路駐してある車に見え隠れしながら近づいてくる。野良猫。僕がブッセを食べているのを見て、何か貰えると思ったのだろう。距離をとってこっちを見ている。ブッセはあげれない。僕はからっているリュックを開けてチャオチュールを取り出す。2ヵ月くらい前、近くのガソリンスタンドの前で愛想のよい野良猫に会った。何かあげたかったけど、何も持っていなかった。次会ったときのためにチャオチュールを買ってリュックに忍ばせた。それから2ヵ月、猫は現れない。ブッセに誘われてチャオチュールを食べる野良猫。今日の夜、小さな期待を「そんなことないよな」って笑いながら、ブッセ(ミルク味)を食べている。夜10時。家までの帰り道。黒い小さなシルエットが目の前にいる。野良猫。昨日と同じ猫かどうかは分からない。ブッセを食べている僕を見つめている。ブッセはあげれない。リュックの中のチャオチュールをあげる。何もなかった2ヵ月が嘘のようだ。

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