ずっと地上にいるダンスは自由度が高い
タンゴ、ハッスル、サルサなどは、浮き沈みがない、ずっと地上にいるペアダンスです。
これらのペアダンスの大きな特徴としてあるのが、自由度が高いということです。どの状態からでも、あらゆる派生の選択肢があります。
逆に浮き沈みのあるダンスとは、たとえばワルツ、スウィング (ジルバ、ジャイブ、リンディホップなど)、フォックストロット (ブルース、スローフォックストロット)、クイックステップなどなどがあります。
ワルツの3カウントのステップは基本的に、1で沈んで2で浮きはじめ3で頂点に達しつつ沈み始める、という流れになっています。これを2の浮きはじめを途中でキャンセルしてやっぱり沈むとかいうことはしません。そのため、そこには何かを挟み込む余地がないということになります。
アルゼンチンタンゴは、音楽中のいろんな楽器のどの音を使っても使わなくてもよいので、たとえばリーダーはベースの「ズン…ズン」という音をとりつつ、フォロワーはリーダーのその動きを把握しながらも細かい音を「トトトト…」のようにとる、というようなことができます。
浮き沈みのあるダンスでは、こういう非対称な動きはしにくいですね。
アルゼンチンタンゴにはとくに、アドルノ (飾り足) というフォロワーが合間に遊びで入れる動きのバリエーションがたくさんあります。
ハッスルは、4拍子の音楽に対して123&のように3拍を使って踊ります。そのため、音楽とずれたり戻ったりを楽しむことができます(最初は違和感がありますが、徐々にたのしくなります)。音の表と裏がどんどん切り替わるのが当たり前なので、どこで遊びを入れてもおかしくない、という自由があります。
自由度が高い即興ダンスは、より創作性が高いものとなり、個性を表現しやすいです。ただしそれは高度なものでもあります。
音楽をよりシンプルに表現するのもまたダンスですので、自由度の高さは必ずしも重要なわけではありません。
ここでは、自由度が高いダンスの特徴を分析し、そのようなダンスではどこで自由さを出していくのかの一部を紹介しました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?