最近のコンチネンタルタンゴの音楽は社交ダンスのタンゴ基礎と合わない
社交ダンスのタンゴはコンチネンタルタンゴの音楽で踊ります。そしてその基礎ルーティンは1小節半 (SQQS) とか2小節 (SSQQS) くらいで構成されます。
社交ダンスのタンゴの特徴は「瞬発と急停止」なので、ルーティンの始まりで勢いよく飛び出して、そのおわりで急停止し、それによってスタッカートの歯切れよさを表現します。
昔ながらのコンチネンタルタンゴの音楽はスタッカートが生まれる間隔が短かったので社交ダンスのタンゴの基礎ルーティンとも合いやすく、音楽に乗って踊ってる感があってよかったです。
ですが最近の社交ダンス向けに編曲されたコンチネンタルタンゴの音楽は、スタッカートまでの間隔が長いです。なので長時間駆け抜けるようなダンスに合うようになっています。
これは競技ダンススタイルのタンゴの流行りとして、フォーラウェイ・リバース、フォーラウェイ・ウィスク、ザ・チェイスなどのルーティンを継続させる系の技が多用され、駆け抜けるようなダンスが踊られるようになったために、そのようなダンススタイルに合わせた編曲になっているのだと思います。
そのために、最近のコンチネンタルタンゴの音楽で、社交ダンスのタンゴの基礎ルーティンで踊ると、音楽に乗ってる感がせずに気持ちよく踊れません。
短く刻む社交ダンスのタンゴの基礎ルーティンと、駆け抜けるコンチネンタルタンゴの音楽。このギャップがあるために、最近私は社交ダンスのタンゴをうまく楽しめなくなってしまっています。
いまのこの情勢をまとめると、競技ダンスの上級層によって要求されるスタイル向けに編曲されたコンチネンタルタンゴの音楽が主流になりつつあるために、競技ダンスの下位層もしくは社交ダンスタンゴの基礎と合わない、という不協和状態と言えると思います。
本来であれば、一番上位に音楽がいて、それに合わせてダンスが変化していくべきだと思います。ですが、社交ダンスの世界で最も偉いのは音楽ではなく競技ダンスなのですよね。
競技ダンスに合わせて音楽が編曲されているので、おかしなことになっているのではないかと思います。
参照: 社交ダンス界のテンポを超えた分裂 - もちねこのペアダンスメモ
私は元々、社交ダンスではタンゴが一番好きだったのですが、誰とでも踊れる基礎ルーティンでは最近のコンチネンタルタンゴの音楽と合わないために、いまはうまく楽しめなくなっています。
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