1月号(№254)編集後記
2024年の新語・流行語大賞に「ふてほど」が選ばれました。「ふてほど」は、昭和から令和へタイムスリップした主人公が、価値観の違いに戸惑いながら奮闘する様子を描き、コンプライアンスに縛られがちな現代を風刺して話題になったドラマ「不適切にもほどがある!」を略した言葉で、SNSを中心に話題となりました。
社会の規範遵守という意味でコンプライアンスと通ずるのが「ハラスメント」ですが、「ふてほど」と同じく今年を代表する30の言葉として、消費者や客による理不尽なクレームや悪質な嫌がらせを意味する「カスタマーハラスメント」、略して「カスハラ」がノミネートしました。カスハラ対策は企業で広がり、大手コンビニチェーン各社はこの秋から、カスハラ対策として従業員の名札をイニシャルや役職など任意の記載にするなどしてプライバシー保護の施策を進めています。
30の新語・流行語の中には、放送作家の鈴木おさむさんが自戒として発信した40代から50代の世代を指す「ソフト老害」という言葉もノミネートしました。上司と部下の狭間でバランスを取る行為によって、自分より年下の意見をつぶしたり、的外れな言動をとったりすることが部下にとっての迷惑行為になると指摘されています。同世代の皆さん、昔話、自慢話、説教の頭文字を取った「MJS」は禁物ですよ。
日々の取材において、ニュースの経緯や背景を知るために、個人の内面やプライベートに立ち入らなければならないことが多々あります。相手が気心の知れた人ならともかく、初めましての人にはなるべく丁寧な言葉で必要以上は聞きださないなど、自分なりのルールを自覚し、2025年も信頼に値するものづくりに努めています。(新)
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