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成長と課題はセット販売です
おはようございます。
社会福祉士×ダウン症児パパのTadaです。
Tadaのイントネーションは魔女の宅急便に出てくる黒猫ジジ🐈⬛と同じです。
小噺です
今日は僕はいつも通りお仕事。
だけどいつもと違うことがひとつ。
家族でランチタイム
妻と息子が職場近くまで来てくれたのだ。
これだけでいつもの平日より7倍(当社比)は楽しい。
しかしこの楽しみの前に壮絶な物語があったのだ。今日はそんな話。
さて本題
成長とともに新たな課題が生まれる。
これは世の常なのだろうか。
夏休みに入り息子は謎の課題を発現。
それは、
髪のカットがイヤ
産まれてこの方
こんなに大きくカット拒否をするのはおそらく今回が初めてで、先週予定していたカットの時は椅子にも座らずカット途中で諦めるという事態に。おかげで約一週間微妙にアシンメトリーなオシャレだかどうだかわからないヘアースタイルで過ごすことになった。
この日の拒否の原因はいくつか考えられた。
1.眠たい
夕方のカット。息子は午前中にパフォーマンスのピークを迎えあとは徐々に落ちていく。日にも夜が19時には意識が朦朧とし、19時半には就寝という流れが彼のベストパフォーマンスを発揮するサイクルだ。しかし最近は微妙に就寝時間が遅くなることが増えた。これは彼の体力の向上ももちろんあるのだろうけれど、この日はとにかく眠そうで、何をするにもNOを突きつけてくるモード。
2.感覚過敏気味
少し前から傾向はあったが息子は特定の場所を触られることを嫌う。ちょうど髪をカットする際に避けては通れない場所。これまではなんとかクリアしてきたが、もしかしたら感覚過敏が少しアップしたのかもしれない。
3.根拠のない誘導ミス
コレは本当によくあることなのだけど、悪意なんて全くなくやる誘導が時々彼の心の琴線に引っ掛かることがある。この日は大人用のカット椅子に座って順番を待っていた息子に、カットしやすいように硬めのクッションを椅子と息子の間に入れて高くしようと試みたことに腹を立てたようだった。「why?」と考えてもまだまだ意思疎通が難しいので今時点で彼からの解を得られることはない。大きくなった時に答えが聞けるといいな。
まぁ、これらすべての原因も違うことだって全然あり得るんだけどね。そんな感じでカットに苦戦することに急になってしまった。
そして本日リトライ。
彼のパフォーマンスが高い午前中に予約。
僕は仕事なので妻にお任せ。しかし仕事中も気が気ではない。10:30予約。彼のカットはあっという間に終わるから、というか美容師のお姉さんが早く仕上げてくれるから、順調に行けば10:50には仕上がっているはず。
終わったら妻から連絡くるかな。来ないかもしれないな。
10:50連絡は来ない。
11:00連絡は来ない。
11:10連絡は来ない。
11:15連絡しちゃった。
「ど、、、どぅ?がんばってる??」
11:20返信は来ない。
11:30返信は来ない。
11:42返信が来た。
「終わったぁーーー😭」
大変だったことがこの一文で容易に読み解けてしまう。
妻よ、ありがとう。
息子よ、よくがんばった。
そうして無事に合流して冒頭のランチタイムに至る。
カットに至るまでの物語は予想通りではあったものの、やはりすごく大変だったようだ。
前回ほどではないにしろ、拒否を示し、妻と美容師さんがあの手この手で誘導。しかしなかなか踏み切れない息子。拒否はするものの、カットしなければならないことは理解していたようで、彼自身も葛藤していたようだった。
そして約1時間の説得の末
「んきる!(できる!)」
と声を出してカットのための椅子に座ったらしい。妻も美容師さんも感動してうるうるしていたようだが、話を聞いただけの僕もうるうるしてしまった。
とにかく息子のことに対しての涙腺は非常に緩い。
まだまだ課題は克服したわけではないけれど、家族みんなで考えながら克服に向かっていきたい。
しかし、実はこの話はこれで終わりではなく、課題と同時に成長のきっかけでもあったのだ。
なんと先週のカット拒否以降、
息子は
シャンプーハットも拒否し出した。
つい先日シャンプーハットを買い替えたけど、
これが隙間から漏れやすいやつで、幾度となく漏れてしまったことが原因だと想像しているけど、もしかしたらカット拒否とのつながりもあるのかもしれない。
もしどちらが正解でも、そしてどちらも違ったとしても、タイミングを同じくして彼は自らシャンプーハット卒業の道を歩み始めた。
しかしその道は決して甘くはなくって、
初日はこちらも戸惑ったこともあり
ノーガードな頭にお湯をかけることに不慣れな父と、
ノーガードな頭にお湯をかけられることに不慣れな息子が風呂で揉めに揉めた。
軽く取っ組み合いのケンカに見えるくらいには揉めた。
なんたって、目を長く瞑ることができない息子。僕は、
「5!5!5だけ目を瞑ってて!」
と言ってシャワーをかける。
そしてカウントに入る。
「い〜ち!」
目を開いて暴れ出す。
以前に比べて理解力は格段に上がっているのは間違いない。しかし、今回の声かけは理解できていないのか、はたまた興奮により耳に入らないのか、これもまた答えは彼のみぞ知る。
常に想像力を働かせて、なるべく可能性をみつけ、それらに応じた対策を練る。これの繰り返しだ。彼のおかげで想像力は格段に上がった気がする。この調子で想像力を鍛えていけばそう遠くない未来に石をパンに変える力でも手に入るのではないかとさえ思ってしまう。
めちゃくちゃ嫌がるから
前使っていたシャンプーハットを買い直した。
しかし、そのシャンプーハットをお風呂場で開封して見せてもなお
「ばいばい!」
と強く言い放ちながら、シャンプーハットに手を振る。
どうやらこっちも覚悟を決める時が来たようだ。
それから数日、息子のノーシャンプーハット洗髪が新たなミッションとなった。そしてこれを僕ら夫婦は夏休みの課題のひとつとして設定した。
それから数日、まだまだ拒否はあるけれど
少しずつ前進している感じ。
課題を克服するような成長を見せれば
また新たな課題が現れる。
次はその課題を克服する成長をみせる。
そしてまた新たな課題が現れる。
そうやって続けていくことでヒトは成長していくんだろうな。
おわり。