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夜行列車で行くルクソール 〜1泊2日で西岸と東岸を満喫する〜

23年2月下旬。
風はまだまだ寒いながら、照りつける太陽が既にジリジリ焦げ付くようになった季節にルクソールへ。
カイロから夜行列車で向かった1泊2日の旅をまとめてみた。
今回は、自分用の覚書も含め西岸観光のポイントとしてまとめてみる。

0日目夜:7時

ラムセス駅から20時前出発の夜行列車に乗る。
外国人料金はドル払いで片道80ドル(23年11月時点で90ドル)。
妹と、寝台列車の2人部屋でルクソールへ向かった。

出発前、ラムセス駅2階のカフェテリアでフルーツサラダとサフラブ(牛乳でといた葛湯のような甘い飲み物)を頼む。
狭いながら、寝台と洗面台がついた客室。畳まれた下の寝台をソファー代わりにして食事ができる。
古い設備だがそれほど不便や不衛生さは感じない。
客室予約時に食事も注文できる。魚かチキンを選べたので、この時はチキンソテーをオーダー。
意外と量がある。味はまあまあ。
ルクソール近くの田園風景。ナイルから引いた水路と朝焼けがとても綺麗。

1日目早朝:6時ごろ

時間通りに運行することのほうが珍しいのではないかと思うほどよく遅れるエジプトの長距離列車。
運よく、予定時刻とほぼ同刻にルクソール駅に到着する。
朝6時だからか、夜行列車がついても駅の周りはとても静か。
鳩だらけのルクソール神殿もまだひっそりとしている。

鳩鳩鳩・・・。早朝のルクソール神殿は鳩の世界だった。

1日目早朝:6時半 西岸観光のためにタクシーを借り切る

宿はルクソール神殿近く、土産物がずらっと並ぶ通り沿いにあるネフェルティティホテル。荷物だけ置かせてもらい、早速西岸観光のための段取りをつけに大通りへ。

ツアーに参加せず西岸観光する場合、自転車を使うこともできるようだが、墓同士はかなり距離があり、緩い登りも多いので、日本のレンタサイクルのようにサービスが充実していないエジプトではあまり使い勝手はよくなさそうだ。

7時前:タクシーの貸切交渉

タクシーを1日借り切って西岸の遺跡を見て回ることにし、大通りの道端で洗車をしていたお兄さんに声をかけてみた。
早朝でまだ観光客も地元民も少ないからか、強引な客引きは無い。
勉強のため(妹にいいところを見せるため)アラビア語で交渉開始。
ただ、お兄さんから帰ってくる返事はほとんど英語だった。不甲斐ない。
一大観光地だけあって、日常会話くらいまでなら英語で十分通じる。

「7時過ぎから17時くらいまで、10時間貸切できる?西岸の墓と神殿をいろいろ周りたくて・・・」と話し、まず700LEでどう?と切り出した。
多分断られるだろうという安い値段からはじめ、「それでは困る、1000だ」というので「それじゃあ800でどう」「いや、下げても900」というような感じで交渉。
10時間たっぷりで900LE(23年2月時点で4600円弱)ならまあいいかな、ということで交渉成立。

2日間しか滞在しないので、その間にルクソールで見られるものは最大限みておきたいということで考えたプランがこちら。
ちなみにランチの時間さえも惜しかったので、寝台列車の朝食に出たパンとケーキをお昼にした。

ツアーを頼まない!西岸観光のTips

  • 【移動手段】車またはタクシーを借り切ったほうが断然楽。
    レンタサイクルもあるが、西岸は以外と高低差もあり、遺跡間の距離もある。
    いろんな墓を見に行きたい場合は自転車だと体力が持たないと思われる。
    遺跡に着いたら着いたでまたかなりの距離を歩く必要がある。

  • 【チケット】西岸のチケット売り場で王家の谷以外のチケットをまとめて買う。
    買い忘れるとここまで戻ってこなければいけないので、見たい墓・神殿のメモを忘れずに!

  • 現在、チケット購入はVISAカードのみ!現金では払えない(ことになっている
    。)とはいえ、バクシーシや飲み水の購入などで現金は必要なので、ある程度は持っていた方が良さそう。

  • 学生なら、国際学生証は必携!
    一部の墓を除いて、通常の外国人価格の半額になるので断然お得。

  • 【チップ/バクシーシ】チップ文化のない日本人が戸惑うものナンバーワンと言っても過言ではないもの。
    ツアーを頼んだ場合でも、ガイドとドライバーには料金と別にチップを払う必要がある。
    案内してもらった時は案内料として渡せばいいし、騙されたりいい加減なことをされた場合は払わない、あるいは小額しか渡さないことで意思表示をすれば良いのではと思う。

    23年2月時点で、墓の管理人に50LEを渡すと相場より多めのバクシーシと捉えられていたようだった。
    ※参考までに、コシャリ(エジプトのB級グルメ)のラージサイズで40LE前後。

  • 【エネルギー補給】ランチは西岸に何ヶ所かレストランがある。移動しながら食べたいなら、東岸または西岸フェリー乗り場付近にあるコシュク(キオスク)であらかじめ調達しておいた方が良さそう。

まわったルートとスケジュール 〜ツアー団体客の裏をかく〜

ルクソール神殿近くを7時過ぎに出発、17時までの10時間弱で回れたのは以下のルート。ネフェルタリの墓には入場可能人数に制限があるので、朝一番に行くことにした。

エジプトの観光地は、ツアー団体客といかに鉢合わせないでいられるかでゆっくり見学できるかどうかが左右される。
西岸ツアーのほとんどは朝から王家の谷→ハトシェプスト女王神殿のルートをとるので、今回はこのスポットを午後以降に回すことで混雑を避けるようにしてみた。
結果、これが大成功!

  1. 【王妃の谷】(30〜40分)ネフェルタリの墓、ハーエムワセトの墓
    朝8時前に到着。他に観光客は1組ほどしかおらず、ほぼ独占状態で見学できる。

  2. 【貴族の墓】(1時間半)1つのチケットで3箇所まで墓が見られる。今回はナクト、ラモーゼ、パバサの墓を見学。
    9時過ぎに到着。ツアー客はあまり来ないエリアかつ朝早かったので、私たちのほかに観光客はゼロ。
    エリア入り口にガイドが何人かいるので、案内料の値段交渉をしてから見学スタート。
    墓の位置が分かりにくいため、案内は頼んだ方が良い。
    それぞれの墓の管理人にもバクシーシ(20〜30LEくらいか)必須。

    墓と墓の間は意外と距離がありかなり歩く必要がある。

  3. 【労働者の町(デール・エル・メディーナ)】:貴族の墓のそばにある。町の建物の基礎部分や道が残っている。(20〜30分)

  4. 【ハトシェプスト女王の神殿】(1時間半)
    12時ごろ到着。かなりの人出。午後になるにつれ人が増える。団体客が多い。

  5. 【王家の谷】ツタンカーメン、セティ1世、ラムセス6世、(2時間弱)
    午前〜昼ごろが1番混雑するとの口コミをみたので、閉場前に行くことにした。14時ごろ到着。人出は多いものの、それほど混雑せず見学できる。

  6. 【セティ1世葬祭殿】(30分)
    16時過ぎ到着。閉場ギリギリ。観光客は全くおらず、田舎らしいのどかな風景と、崩れかけた葬祭殿の佇まいが相まっていい雰囲気。

  7. 【メムノンの巨像】(15分)
    ホテルに帰る前にキオスクに寄ってもらい、ついでにメムノンの巨像前で写真撮影。文句も不平も言わず観光に付き合ってくれたドライバーには本当に感謝。

のどかな田園と田舎の風景の中に、急に1対の巨像がドーンと現れる。チケット売り場の近く。
ここも鳩のいい休憩スポットになっているらしい。
あちらこちらで発掘調査・遺跡整備が行われている。


墓見学のあれこれはまた次回!
朝から夕方まで充実した西岸見学だった。

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