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15. パレルモに移動
ここまで来たら、塩田がある町トラーパニまで足を伸ばしたかったが、かなり便が悪かったので諦めて、そのままパレルモに行く計画で落ち着いていた。プルマン(長距離バス)の切符売り場を探しに行くと、この小屋だった。見逃してしまいそう。片道13.000リラだった。
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時間があるので、近くのバールで何か食べよう。とにかく暑かった。先ほどまでいたピランデッロの生家は、アグリジェントの南端。日本と違い、湿気が低いので動けてしまうが、たぶん40度近かったのではないか。ふと服を見ると模様ができていた。汗が塩に!黒いニットだから、かなり恥ずかしい。でも、もうどうでもいい。こんなに暑い真昼のシチリアでは、まず人に会わない。シエスタが賢明。
バールは一応開いている。こう暑くては食欲が湧かないが、珍しくアイスコーヒーを飲みたくなった。そもそもイタリアにある?何て聞いたらいいのか分からず、とっさにカフェフレッドと言ったら通じたようで、準備を始めた。
ショットグラスに入ったコーヒーシャーベットのようなものが登場した。グラニータみたい。イメージと違うが、沁みる。甘く苦く美味しい。そう言えば、朝食を食べていなかった。持ち帰りにお菓子を買い足し、8.600リラ。
プルマンに乗ると、冷房が効いていて心地よい。乗客は地元のイタリア人らしく、座るなりお喋りを始めて賑やか!聞こえて来る会話から察するに、隣り合わせただけらしい。よくバスで顔を合わせる程度の顔見知りのような感じかな。約2時間こうだったら辛いと心配になったが、次の停留所でピタリと一斉に静まった。なんだろう、面白い。
車窓からは緩やかな牧草地が見えたり、急にゴツゴツした山が現れたり。シチリアだと実感しながら、うとうと。幸せな時間。道路は混雑している箇所もなく、時間通りにパレルモに到着した。
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パレルモのターミナルからホテルまで、タクシーで移動することにした。今はあまり時間をかけたくない。乗り場を探して周りを見渡すと、ポロシャツを着たスキンヘッドのごっついお兄さんがタクシーか?と声をかけてきた。とっさに脳内に白タク警報が鳴るが、後ろにタクシー車両が見えたので、自分を落ち着かせながらホテルの名前を伝えた。
窓の景色を食い入るように見る。お兄さんは賑やかな音楽をかけている。互いにご機嫌。さすが州都パレルモは都会だ!という第一印象。ミラノやローマに比べたら小さな街だけれど。これまでいかに小さな街にいたかということ。でも、度胸がない自分には適切な順番だった。
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車窓からの写真。フィルムのネガからデジタル写真を作成できるソフトがあったので、使ってみました。何もしていないけれど、すごいレトロ感。
この時に乗ったプルマンの会社とは違うけれど、今はCuffaroという会社がパレルモとアグリジェント間のバスを運行しています。12年後にこのバスに乗りました。その時は、簡素なホームページで必要な情報が見つからなかったという(笑)。作りかけだったと想像します。
http://www.cuffaro.info/orari-autobus-palermo-agrigento.html
イタリアでは、アイスコーヒーはメニューにないのが一般的。でも、今は食に保守的なイタリアに、スターバックスがあるのです。どう変化しているのでしょうか?マクドナルドができるときも大変だったようですが。次のリンクはスタバのミラノ店、なんとお洒落な!
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