旧キットのグフ飛行試験型の思い出

数年前、まだガンプラ界隈が平和(?)だった頃にガンプラの旧キットを塗装もせずに組み立てるのにハマったことがあり、MSVシリーズを作った後にポリキャップを使用したZの1/144スケールのマラサイ、ZZの1/144スケールのズサを作るとポリキャップによる関節の滑らかな動きと保持力、プラモデルの進化に感動したのを覚えている。
そんな中でもMSVとZで発売されていたザクキャノン、水中用ザクとマリンハイザック、そしてグフ飛行試験型を双方作って色も塗らずに飾っていた。確かに昭和時代の接着剤や塗装が必要なものであり、真面目に作る場合は合わせ目消しやら塗装だけでなく、改造が必須とか色々言われそうなものだろうけど、それらをただ色も塗らず、接着剤とニッパーその他で作っていた。
思うに、『プラモ狂四郎』でもネタにされていたミリタリーモデラーに馬鹿にされるマスコミモデルやら子供向きキャラクタープラモデルの一つでしかなかったガンプラをより高年齢層に向けて展開し、ガンプラは子供だけでなく中高生や大学生、大人だって作れるプラモなんだというミリタリー系モデラーをも引き込む(ミリタリー系などのスケールモデラーは知識だなんだでマウントの取り合いが当時から現在まで酷いらしく、それに疲れた一部ミリタリーモデラーやそれの卵に当たる人たちが自由度の高いガンプラやリアルロボット系のプラモデルに流れていったと言われているようだが、それらがスケールモデラー真っ青に知識だなんだでの窮屈な魔窟になっていくの別の話)のに貢献したMSVシリーズ本来の成形色はミリタリー系のそれに近いか、比較的塗装しやすそうな雰囲気があったのに対し、Zの方のMSVシリーズはわかりやすいくらいにZで登場した時の色をイメージしたものが成形色になっていたと思う。要は、ミリタリーモデルっぽかったMSVシリーズが普通のキャラクターモデルになった感じだろうか。ただ、パッケージと説明書、成形色を変更しただけで出来上がったものは箱絵のものを再現できなかったりと、人によっては「なんだかなぁ~」と言われたかもしれない。ジムキャノンなんて箱絵、プラモ、本編で微妙に違ってて、「ラインナップ増やすカサ増しなうえに本編ではろくに活躍もしないうえに捨て駒扱い、カラーリングすら統一されてない」なんて風に、人によってはぞんざいなんじゃないかと思う人もいそうな気もする。もっとも、設定のみで登場すらさせてもらえなかったザク・デザートタイプ(ジャブローでジムキャノンと部隊を編成してたようだ)とか、その他いろいろよりはマシか?
そんな中、結果的に「飛べないグフはただのグフ」のグフ飛行試験型のガンプラである。MSVシリーズの時はグレー、Zの方では濃いめの青で成形されている1/144スケールのこちらは、検索したらクオリティ面とか色々と辛辣な評価をもらっているようで、股関節の改造必須とか言われているみたいだ。まあ、個人的にはメインエンジン(バックパックみたいなもの)に着いてる可変式整流板(羽根みたいなもの)が簡単なピンすらついておらず接着剤でそのままくっつけるとかいう仕様に絶句しながらも、後のMSV少女のルーツになったと言われているグフレディのデカール(右肩アーマーに貼るのを推奨)とか、直立不動なMSV版に対してのZ版の説明書での謎なポーズとか、妙な味わいがあり、どういうわけだか何個か作っている。取扱いとかでうっかり破損とかで修理不可能になり新しく買っただけであるが。当時はそれなりに置いていた、というよりかガンダムに対してのプロトタイプガンダム、ザクに対しての06Rシリーズとザク・マインレイヤー、ゲルググに対してのジョニーライデンゲルググという旧来に対してのアップデート要素という期待を裏切ったと思われるグフ飛行試験型への評価が結果的に入手しやすさに繋がったのかと思うのだが、それはあくまでも私の予想でしかない。右手をドムトロピカルテストタイプ(造形の良さは流石で「ドムのキットにハズレなし」と理解させてもらった)のジャイアントバズを持った右手と交換し、なんちゃってジャブロー状態で飾ったこともある。(バトオペとかビルドシリーズでは兎も角)飛ぶこともできず、しかしホバー走行はできるからとドムみたいなことを連邦機としてやらされた末に捨て駒として終了したものの、見せ場はそれなりあったのが救いか。のちのグフカスタムに対してのグフフライトタイプのようなHG化はされず、MG化なんて夢のまた夢、まずないなんて感じの扱いだが、改造して作った人とかいるだろうか?ホビージャパンとかモデルグラフィックス、電撃ホビーでやった人っていただろうか?
残念ながら大掃除とかでプラモデルとかを処分する羽目になった際に、無塗装の旧キット各種は処分してしまい、それらの再入手は現状では私の周囲では無理だろうと思われる。この文章を読んで「せっかくのプラモデルを」と呆れるか怒りを覚える人がいるかもしれないが、その辺ご容赦を。
そんなグフ飛行試験型だが、ROBOT魂VerANIMEでMSV版及びZ版が魂ウェブ商店で商品化された際には勿論ポチらせてもらっている。
こちらはMSV版では武装としてジャイアントバズ、MSV版の箱絵にも出ていたコミュというメカがおまけで付属し、Z版では本編をイメージした水飛沫のエフェクトやバズーカのエフェクトが付いている。
プラモになる可能性は低いかもしれないのもあるので、こういう時こそ入手させてもらっている。
もしHGとかMGでプラモ化されたら、それはそれで欲しいのだが。

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