『フラナガン・ブーン戦記』を読んで

先月分と今月分の双方を読んだ感想。

鹵獲されたと思われる白く塗られた上に武装が追加されたゴッグの襲撃を受け、ブーンも武装を追加したザク・マリンタイプで迎撃するものの、改めて試験機だったザク・マリンタイプとマジモンの水陸両用MSのゴッグの差を見せられてしまう。潜水艦もダメージを受けた中、ジェーバーの狂気に対しサクアは…?
先月の潜水艦内の日常のほのぼのとした雰囲気を写真に収めているときのジェーバー・ドゥ・デオムが気さくで紳士的な好人物である一方で、かつてMSパイロットとして戦い、鹵獲されて白く塗られた旧ザクによってトラウマを植え付けられてから見せる狂気的な一面を垣間見せるという二面性に、戦争というもので人間は壊れてしまうものなんだろうというのが出てくる。弟のサディスト・デオムに対しては「クズ」と嫌っている感じだったみたいだが、どうなのだろう。あのサディストの弟は姪であるアマリア中佐にとっては優しいおじだったという。弟は親しい相手や味方に対しては兎も角敵に対してはアレだったタイプなのか、それとも弟は弟で戦争のトラウマで壊れたタイプだったのか。
そして元連邦軍のエリート軍人であったサクア・レノウも戦争で壊れた人のソレであり、コロニー落としで故郷と両親を失い、連邦軍人としての地位も配下の暴走で失い、捕虜となってからはデオムから虐待を受けるなどして壊れながらも目は死んでないという危険人物。ジェーバーからは白い旧ザクのパイロットだったのかと怒りを向けられているようだが…。

もう戦争で色々と壊れている人たち、というか戦争での色々の積み重ねで人間はここまでおかしくなるんだろうというのが出てくる。

一方でシャアからは「お飾り」なんて軽く見られているアマリア中佐はどうも情けない場面が目立ってしまう。ジェーバーの娘なのかそれとも姪なのかわからない(読んでたの忘れているかもしれない)が、立場的に結構不憫な可能性も無くはない感じがある。向きもしない仕事につかされて資質のない役職に就けさせられ、精一杯虚勢を張らないとやってけない立場に置かれている凡人の印象が強い。傍目から見たら無能なくせにと陰口叩かれる程度の存在でしかないだろうし、こんな人の部下だなんてやってられないだろう。「わ…私の責任ではありません…」なんて情けない場面は一周回ってかわいそうになってくる。
ここからどんな風になるんだろう。

それにしても、この漫画のザクマリンとゴッグ、旧ザクの作例って出てこないんだろうか?電撃ホビーマガジンならあってもおかしくないんだろうけど。

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