イスラエルの砂漠を散歩してたら戦争が始まった話⑤10/7(土)襲撃編2nd
おはこんばんにちは、れんちょんと申します。前回の続きです。
対魔忍・ジャイロたちの好意で死海に無事到着したのですが、なにぶん初めてなんですよね死海(当たり前) とりあえず、ロシア人がやってる売店があったので、そのあたりのベンチに腰掛けて情報収集を始めます‼️
アホなのでなぜか20GBのeSIMを購入していた上に、モバイルバッテリーも充電満タン、死海の観光客エリアは電波もちゃんと使えるので、危機的状況ながらも謎の気力が湧いてきました。また、結果的に10km弱しか歩かずに済んだので、体力も十分残っています。
ここで、ひとつ大きなミスを犯してしまいました。好奇心旺盛な性格が災いして、今朝砂漠で見た謎のお墓(④参照)のヘブライ語の文字列を、なぜか今ChatGPTを使って翻訳してしまったのです。疑問点があったらすぐに調べる、という学生にとっては普段は褒められるべき(?)気質が、マイナスに働いてしまいました。
道の終わりの集会
人々ありがとう
専門の殺人
道を避ける殺人
1964年6月3日に
彼はここにいた
別の国
怖っ😭
ここで思い出してほしいことがあります。本来は、前日に死海でぷかぷかして夜はエルサレムに戻って観光をして泊まる予定だったのです。しかし、色々あって砂漠を歩いてヒッチハイクをして予定外の土曜日に死海に来てしまったわけですが…
もしぼくがバスの乗り換えをミスらなければ、ロケット弾が撃ち込まれたエルサレムで朝を迎えていたわけです。予定通り旅程が進んでいたのなら、きっと今日はエルサレムで逃げ惑い、生命の危機に直面していたかもしれません。実際、いくらアイアンドームでロケット弾を迎撃できるといえど、漏れは生じる上に、破片などが落下してくると普通に怪我したり死にます。
そういう状況の中、謎のお墓のヘブライ語を翻訳して怖い文字列を目にしてしまったぼくは一瞬ここで死ぬんじゃないか…？という深い絶望に陥ってうつ病になってしまいました😭
しかし、数秒後には「ポケモンでこういう謎の遺跡の文字列よくあったな～」という謎の感想を抱いたり、「死海ギャル見れる！イエーイ！」と一周回って恐怖より楽観的な気持ちが打ち勝ってしまいました。わりとすぐメンタル回復しました。よかったです。
なにはともあれ、死海です。ビーチです。ビーチといえば、ビールしかありません。
売店で店員さんおすすめのイスラエルビールと果物を買い、朝食を食べました。以下、食レポです。
イスラエルビールは、プレモルとアサヒスーパードラァァイを混ぜた味がしておいしかったです。オススメです。
赤りんごは普通のりんごでした。青りんごはちょっと硬くて酸味が強かったです。及第点。
バナナは、ちょっと硬いし甘くないので不合格です。
すもも的な何かは、まあ普通のすもも的な何かの味でした。
柿がなぜかめちゃくちゃ美味しかったです、ぶっちゃけまずそうだと思って食べたのですが、予想外でした。偏見は駄目ですね、本当に… 100点です。
ビールを飲みながら、TwitterやNostrやDiscordで心配されてたので生存報告や現状報告、また情報を教えてもらうなど、皆さんがいろいろ親身になってくれました、本当に助かりました… 持つべきものは友やインターネットにおける浅く薄い謎の繋がりですね。
しかしながら、ぼくがこうしてご飯を食べている最中も、数多の民間人が紛争に巻き込まれ命を落としているのは事実であり、胸が痛かったです。しかしながら、ぼくにできることはなにもなく、無事に帰国することがこれまでぼくに関係してくれて、ぼくに豊かな人生を提供してくれた全ての方々(死ぬ直前のハサウェイ構文)にとって第一だと思ったので、自分勝手な生還を第一に考えて行動することを決意しました。ぼくの人生なので。
とりあえずは、イスラエル脱出の飛行機のチケットがないと話になりません。
ここで、①と②の内容を思い出してください。
ぼくはADHDなので(ADHDのせいにしていくスタイル)、日本出国時に保安検査場で工作用のナイフがカバンの中から出てきて没収され、尋問を受け、帰りのチケットを取っておかないとイスラエルに入国できないかもしれないと脅され、仕方なく10/7(日)夜にアテネに向かう9000円のチケットを取っていたのです。
友だちに散々アホすぎ、とか海外旅行初心者か？wなどと煽られたり心配されたりしたのですが、後から振り返ると最高のタイミングのチケットだったのです‼️というのは、安息日である今日、土曜日は公共交通機関が動いていないし情勢によってはバスも運行休止になる可能性はあり、この日に出国するのは厳しいわけです。となると翌日の日曜日が最短であるため、まさにベスト便なわけです。さらに、イスラエルの航空会社、イズレール航空の便であったため、他国の航空会社と比べて運休しにくいわけです(イスラエルは海外のユダヤ人の予備役を招集する必要があるため、飛行機を極力飛ばし続けるらしいです)
もし保安検査場で、カバンからナイフが出てくるというアホみたいなことをしなければ、現地で適当に帰りの便を取るつもりだったので、戦火のエルサレムやテルアビブから出られず、帰りの便もないまま悲しい状況だったかもしれないです。出国の便はすぐに買い占められたらしいので…
もしこれで、ADHDや発達障害を抱えていらっしゃる人が勇気づけられることがあったら嬉しいです、どんなにミスをしても、結局何が正しい選択だったのか、未来はわからないわけですから…
ちなみに、空港で没収された工作用のナイフ(肥後守)は、昔居合道の大会で貰ったすごく大事なナイフだったので、悔いが残りまくりです。成田空港の職員さんがもしこれ読んでたら、返してほしいです…🥲
とりあえずは明日、日曜日に当初のチケットで出国することに決めましたが、問題は今日の予定です。日没後がんばってバスでエルサレムへ向かい市内で泊まるか死海で泊まるか、野宿するかの三択でしたが、かなり悩んでいました。というのも、死海は観光地なのでホテルが数万円くらいするのです、高い…(一日目のカプセルホテルは5000円でした)
しかしながら、お金ケチって死んだら元も子もないので、死海のホテルを予約して、Twitterで戦況の情報収集したりで小一時間経ちました。
こんなの絶対おかしいよ…😿
いろんなミリタリーアカウントの方々のツイートから情報収集してました。参考になるかもなので書きますが、流石に緊急事態なので、ミリタリーアカウントの方々を何人か全部通知オンにしたり、イスラーム地域研究などを専門にしていらっしゃる研究者の方々のツイートを読み漁ったり、万全の即時情報入手体制を整えました。あと、イスラエル国防軍のTelegramに入ったりしました。
ここあたりで、13時から閣議決定で正式に宣戦布告するとの情報が出たので、それまでやることがなくなりました。
なので、ようやく死海のビーチのほうに向かいました。待ちに待った死海です。ちなみに、日本のJアラートと同じ音のアラートが海岸で鳴りまくってましたが、まさか戦争状態が始まってるとは微塵も思ってないおばさんやおじさんがぷかぷか浮いていました。正常性バイアスってやつですね。あとヘブライ語でサイレンも鳴り響いていましたが、安息日の朝だけあって、ほぼ国外の観光客しかいないので誰も聞き取れないみたいなカオスな状況になってました…
進撃の巨人のエレンのモノマネをしたのはいいものの、この場合、海の向こう側に敵がいるんじゃなくて
海(死海)の反対側、こっち側(地中海側)に敵(?)がいる状況だったので(笑)、今思えば恥ずかしいモノマネだったなあ、と反省しています… 逆方向ですね
まあ、普通は敵がいる状況ってあんまりないんですが、武装して外国の民間人をも虐殺する「敵」に比べたら、日常やビジネス上でよく使う「敵」って大したことないなあ、と感じました。平和がいちばんですね、シャローム…
ここまで書いてちょっと宗教的・政治的にセンシティブだなと思ったのですが、現にぼくは武装勢力によって旅程を大きく変更する羽目になったわけであり、ホテルの出費なども馬鹿にならないわけです。学生だし… なので、ここではぼく個人の経済的打撃という観点のみにおいて「敵」と呼称することにします。
少し話は変わりますが、哲学的な「敵」という用語について考えることも多々ありまして、(最近だと鈴木健さんの「なめらかな社会とその敵」が再注目されてますよね)
いまの状況って、「なめらかな死海とその敵」だな～って考えて、10秒くらいデュフフフフって微笑んでました(自分の中ではうまいこと言ったつもりでした)
閑話休題、まあ念願の死海のビーチに来たわけです。まずは海とか来たら、海水舐めますよね、ぼくもなめたわけです。
ペロっ…
豆腐を作るときに出てくる「にがり」と、おばさんのおしっこを混ぜたような味がしました。
「なめらか」とは程遠い味でした。
まっじで不味い… 食レポをすると、-500点です。
次回に続きます。死海ギャルも出てきます