週報12月④⑤合併号 年越しスペシャル
リッピングしたもの
Vinyl
D.K. - Eighteen Movement(2021)
パリを拠点とするプロデューサーD.K.の2017~2019年のライブパフォーマンスを収めたもの。トライバル・アンビエント~ダウンテンポ。ジャケ通りバレアリックな感触がある。トライバルと言えば前回のLa Feとも近い感じはあるがこっちはもっとアンビエント。
有賀啓雄 - Sherbet(1987)
東京出身のベーシスト、音楽プロデューサー。藤井フミヤ、渡辺美里への楽曲提供などが知られる。このアルバムは1987年リリースの1st。リバーブと溶け入るような歌い方が特徴的な甘いドリームポップ。シティポップ的興味にも合致する作品なので80s後半~90s前半ノスタルジーに浸りたい方にも。2023年に亡くなられており、このアルバムを含むファンハウスから出ていた3枚のアルバムが追悼として再発された。
Various – Horizon Dream Vol. 3(1983)
https://www.discogs.com/ja/release/4256025-Various-Horizon-Dream-Vol-3
キティレコードに所属する佐藤博、小林泉美、カリオカ、Imitationといった音楽家の音源を収録したコンピシリーズ。ほぼジャズ/フュージョン系だがImitationはサディスティック・ミカ・バンドに在籍していた今井裕によるバンドで、ニューウェイヴ寄りみたいです。ただのコンピではなく曲間に波の音がミックスされていてコンセプトがあってよい。
Alfredo De Robertis / Humberto Canto - Misa Barbara(1975)
フランスの老舗Arionから。アルゼンチン生まれでフランスで活動していたAlfredo De Robertisと、キューバのパーカッショニストHumberto Cantoによる民族音楽風作品。Alfredo De Robertisはサイモン&ガーファンクルの"コンドルは飛んでいく"のバックを務めたLos Incasのメンバーでもあったフォルクローレ周辺の人。この作品はフォルクローレっぽくもないしなんか抽象的な感じで不思議な作品。
GAME
ZIPANG - アークシステムワークス/パック・イン・ビデオ/テクモ(PCE,1990,Atsuko Iwanaga&Junya Kozakai)
高嶋政宏主演、1990年公開の林海象監督の和風アクション映画『ZIPANG』を元にしたゲーム。この映画なんかゲーム展開がそこそこあってFCの『地獄極楽丸』PS2の『7BLADES』に連なるゲームのひとつ。林海象氏は私立探偵濱マイクの監督だというのを調べてて知りました。
このゲームはテクモに許諾を得て『ソロモンの鍵』をベースとして作られたもの。アークシステムワークスが開発、パブリッシャーがパックインビデオとなっている。曲はおそらく全部オリジナルだと思うのですがかなりいい感じです。原作ソロモンの鍵のエスニックな曲とまた違った味がある。特にインゲームのメイン曲(1:30~7:30あたり)はおすすめ。展開も凝っている。まあそもそもPCエンジンの音が好きなんですよね。
作曲者の一人、岩永敦子氏はアークシステムワークスに在籍していた方で『はにい おんざ ろおど』や『不思議の夢のアリス』『シャッフルパックカフェ』といったラインナップに関わっている。マニアックなラインナップですね。
振り返り(2023年ベスト)
今年最後なので振り返りとか、2023年の良かったやつとか書きたいのですが、新しいのを聴いていなさにビックリ。まあ聴いていた少ないのをピックアップすると以下になります。
KASAI『J/P/N』
Meg Baird『Furling』
Steve Gunn & David Moore『Reflections Vol. 1: Let the Moon Be a Planet』
KASAI『J/P/N』はJap Kasai名義でヘンテコ電子音楽をベースにジューク・フットワークと民謡を融合させた『OWN ℃』をリリースしたKASAI氏の新作。Meg Baird『Furling』はEspersのメンバーとしても有名なMeg Bairdのソロ名義の新作。Steve Gunn & David Moore『Reflections Vol. 1: Let the Moon Be a Planet』は2000年代後半からJohn Fahey、Sandy BullやJack Roseなどの影響を受けて活動してきたギタリストとBing & Ruthのピアニストによるアンビエント作。すべておすすめ。