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呉勝浩さんの『爆弾』が面白すぎて爆ぜた話

よく新人賞の講評や、受賞作の売り文句で出てくる言葉

「キャラが立っている」

いままでその言葉にピンときてなかった

選ばれた作品への嫉妬もあるんだろうけど

どれもこれも、特徴あるキャラなだけな印象をうけていた

だから自分の中で「キャラが立っている」という概念は

言語化がしやすい人物像、

という解釈だった。

その解釈が、
呉勝浩さんの『爆弾』により
粉微塵に爆散した

まーーじで面白かったです。
そりゃ選ばれますとも!世間から!

日曜の朝にふとページを捲り、
気が付けば夕方まで無心にページを捲り、
一晩中読後の余韻に浸る、

こんな小説久しぶりでした

面白い点は星の数ほどあります

ただ僕の中で印象的だったのは、
長年の抽象概念、「キャラが立っている」を
もはや具体化してくれた事

この物語の中心に立つキャラクター
スズキダゴサク
連続する爆破事件を、霊感で予測できると嘯く
不愉快で不気味な男

このキャラクターに最初から最後まで虜でした

つまり「キャラが立つ」というのは
そのキャラクターの行く末だけで読者を釘付けにできるキャラクター性なのだということを

完全に体験させてもらいました。

いうは易し行うは難し

はたして自分がスズキダゴサクのようなキャラクターを作れるのか

なんだこいつは?
いったい何者なんだ?
不愉快な奴だ、痛い目みてくれ
誰かこいつを倒してくれ!
こいつの言うことに同調してしまう自分は間違っている?
いや!これはこいつの本心じゃない!何か裏が!

こんな具合でスズキダゴサクに向き合い、
スズキダゴサクを見届けていただけで、
400ページに及ぶ小説が溶けました…。

間違いない、
これはキャラが立っている…。

わかったところでまた地獄
いったいどうやったらオリジナリティを持ち
スズキダゴサクを作れるのか

まだまだ先はながいです

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