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ト ラ ン ス ジ ェ ン ダ リ ズ ム と は?…6

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急増したトランスはオートガイネフィリア

 Ray Blanchard博士によれば、男性から女性へトランスしたトランスジェンダーの中には、まったく違う2つのグループが存在するということです。

 1つ目は、他の男性へのアピール力をさらに強力にしたいと思うゲイの男性、2つ目はヘテロ(異性愛者)のオートガイネフィリア(自分自身を女性と考えることを好む)の男性です。前者をアンドロフィリックトランス、後者をオートガイネフィリックトランスとしています。アンドロフィリックトランスは通常、30歳になる前に医学的移行のプロセスを開始するのに対し、オートガイネフィリックトランスは人生の後半に移行する可能性が高く、その時点までは男性的だということです。また、オートガイネフィリックトランスは増加していますが、アンドロフィリックトランスは40年前と変わらないそうです。

 ということは、近年急増しているトランスジェンダーのうち、女性にトランスする人の多くがオートガイネフィリアだと考えられます。これは前回の原稿に登場した、トランス当事者のツイートの文言「トランス女性=女好きの女装おじさん」とも一致します。

 しかし、TRAは「トランス女性にはオートガイネフィリアが含まれる」という見解を敵視しており、このことはTRAによって政治問題と化したため、今はこの問題についてちゃんとした学問的論争をすることはほぼ不可能なのだそうです。

 どうやらオートガイネフィリアが、問題の謎を解くカギを握っていると思われます。

「オートガイネフィリアは性的倒錯、性癖」

 トランス問題で日本で唯一まともなことを言っている学者・三浦俊彦さんが、著書でオートガイネフィリアを取り上げています。

 「多くの当事者が証言しているが、医師から性同一性障害(原文ママ)の診断書をもらうのは簡単なことだ」、「男性の場合、パラフィリア(性的倒錯)の比率が高い。窃視、痴漢、幼児愛(原文ママ)などの嗜好が男性に多い」、「実はトランス女性ではなく、ガイネフィリア(=女らしさ偏愛)男性であるに過ぎない。『性同一性障害』ではなく、『ただの性癖』と診断されるべき症例なのである」。

 「しかし、現在の風潮では、『嗜好です』『性癖です』と片付けてしまうと、『LGBTに理解のない医師』の烙印を押され、『人権意識が薄い』と悪評を招きかねない」。

 「誤診されたオートガイネフィリア男性は、性別適合手術を受けて戸籍を女性に変えた後はレズビアンとなるが、社会的に女性として暮らし続けるのは難しい。男性的な性格と欲望を持ち続けているからだ」。

(『論理パラドクス・心のワナ編人はどう考えるかを考える77問』より)。

 「LGBTに理解を」のあまり、腫れ物に触るように「性自認は女性?はい、わかりました」と済ませるのは、当事者のためにもよくないと三浦さんは言っています。

 性癖だ、パラフィリア(性的倒錯)の一種だと言われるオートガイネフィリア。人生の後半で突然、「女性になります」という人たち。しかし、表向きには決してオートガイネフィリアとは認めたくないようです。彼らはどんな気持ちでいるのでしょうか。


「トランス」を利用しているだけの男性

 自身が科学者・教師で、オートガイネフィリア当事者でもある男性Debbie Haytonさんは、冷静に分析してこう述べています。

「特に移行プロセスが妻や子どもに外傷性の影響を与える可能性があるため、突然自分自身がトランスであると宣言するオートガイネフィリアの男性は、しばしば不安感や恥を感じることがあります」。

「セックスセラピストなら誰でも証明できるように、人々はしばしば異常な性的性癖について恥ずかしく感じます。恥は強力な感情であり、それに苦しむ人は、しばしば自己価値を保護する方法で物語を制御するように駆り立てられます」。

「彼らが、自身を実際の女性として認識するよう世界に要求することは、彼らの責任を免除するための戦略です。性別が身長や性的指向などの生来の質である場合、道徳的にどのように責任を負うことができますか? ジェンダーイデオロギーは、彼らがその感情反射を正当化するために使用するツールです」。

 彼は、オートガイネフィリアは「トランス女性」を利用しているだけの、単なる異性愛者の男性であり、それはシンプルな真実だと言います。その上で、彼はこう提案します。

「オートガイネフィリアの性質を調査したくない人々の感情的な脆弱性を保護するのではなく、より良い戦略は、単純にオートガイネフィリア自体の謎を解き、汚名を返上することです(私たちが犠牲者のないパラフィリアの多くを謎解きし、汚名を返上したのと同じように)、そして付随する医学的影響を理解しているトランスアダルトが治療を利用できるようにします」。

 率直にオートガイネフィリアであると認め、治療することが最良の道、というわけですね。でも、Debbie Haytonさんのようなオートガイネフィリア男性の存在はおそらく非常に稀だと思われます。


自己陶酔・傷つきやすさ・怒りやすさ

 では、多くのオートガイネフィリアを持つ男性たちは、どんな感じで生きているのでしょうか?
 Susan Hawthorneさんの『The New Backlash』では、彼らがどのように「女性を感じて」いるかを詳らかにしています。

「オートガイネフィリアを持つ男性の一般的なエロチックなファンタジーは、他の人から女性として賞賛されることです」。

「さらに、『常に女性のように感じられる』という話をしたりオートガイネフィリアについて議論したりすることは、オートガイネフィリアを持つ人々に『自己陶酔的傷害』とそれに対応する『自己陶酔的怒り』を経験させる可能性があります」(S.H)。

 そういえば、トランス女性が、ちょっとしたことで傷つき、爆発的に怒り出すという話は、相談活動をしている人(女性)から、直接聞いたことがあります。

 ここでは、ある女性が交際相手であるトランス女性から暴力を受けた時のことを書いた文章(海外記事)を引用します。

「...私たちは駐車場に駐車した。私が返事をしたので、They(トランス女性を示すための中立的な代名詞としてHe、Sheの代わりに使われる)は私に対してもっと怒った。私は喧嘩が何であったかを覚えていない。助手席から、Theyは私に突進し、運転席の窓に私の頭を3回叩きつけた。ぼうっとして、視界がぼやけ、Theyの爪のせいで頬から血が流れた。耳はぼんやりとしか聞こえない。私がTheyを見ると、Theyはうつむき、涙をためていた。(中略)私はTheyを抱きしめた。私はTheyの髪をよしよしと撫でてやり、『何もかも大丈夫よ』と言い続けた」。そして「私がそのことを思い出すことはTheyを傷つけた。私が1年後もそれについてまだ怒っていることがTheyを傷つけた」。

 このトランス女性は、子ども時代のDV被害者だそうですが、ささいなことで怒り、女性に暴力を振るい、自分が傷つけた当の相手から慰めてもらい、そのくせ相手が自分の暴力を怒っていると言って傷つく。なんと典型的なDV男性のパターンかとため息が出ます。


突然夫がトランスした女性のDV被害

 また、人生の後半で突然夫が「自分は女だ」と言い始めた場合、女性はやはり虐待的な環境に置かれるかもしれません。古典的なDVに加えて、オートガイネフィリアのファンタジー世界を共有するよう強制制御されるのです。

『The Rainbow Reich』から引用します。

「EvanStarkのような専門家は、強制制御を人質にたとえています。彼は次のように述べています。

 被害者は虐待者によって作られた非現実の世界に囚われ、混乱、矛盾、恐れの世界に閉じ込められます。その世界では、あなたが現実だと思っていることが却下されるため、混乱と恐怖につながります。社会が、これ(夫が女性になること...筆者)は勇敢で驚くべきことであると言っているとき、『もしあなたがそれを受け入れたならあなたは逃げ場を失うことになるだろう』と言う人は、狂信者(bigot)でしょうか?

 あなたのニーズと欲求は、トランスするパートナーに従属し、あなたの感情的および財政的資源はトランスするパートナーの利益のために使われ、あなたの抵抗は使い果たされ、拒否されます」。

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 つまり、DV夫がトランスしたら、女性はもっと奪われることになります。「オートガイネフィリアを持つ男性のエロチックなファンタジーは、他の人から女性として賞賛されること」だそうですから、もし、夫の(イマイチな)女装を見て、妻の褒め称え方が足りないと夫が思えば、「傷付いた!」と激怒して男性の筋肉で殴ってくると予想されます。その時、DV夫が自分は女性だと言い出す前とは違って、世間は夫の味方です。なぜなら、今や夫は「女性よりもっと脆弱で差別されているトランス女性」なのだから。


女は「ホットな女性」か「卑劣なフェミ」

 ところでこのようなオートガイネフィリアの男性は、自分を女性と信じながら、目の前の妻や交際相手といった女性のことはいったいなんと思っているのでしょうか。

 再び『The New Backlash』に戻りましょう。

彼らにとって「女性femaleは実際には2つのタイプしかありません。
ホットな女性womenと卑劣なフェミニストです」(S.H)。

 そして、彼らは「その2つのタイプに激怒してい」ます。なぜなら、「ホットな女性」は、自分たちを嫌ってデートしてくれないから。「こんなナイスガイにチャンスを与えないとは!(怒)」というわけです(え?でもトランスして女性になったのでは?不可解なんですが)。
 また、「卑劣なフェミニスト」の方は、女性なのに「使用人」にはならず、男性を「マスター(主人)」にしてくれないからです(え? おかしいなあ。女性はこんなことは思わんが。「心は女性」なんじゃなかったっけ)?


ファンタジーの女性は生活感のないスター

 では、彼らが思い浮かべるホットな女性とは、どんな女性でしょうか?

 それはスーパーモデルやポルノスター、または少なくともロマンチックコメディのヒロインなのだそうです。彼らのファンタジーの「女性」は、「家族、学校、職場、街路、メディア、医療機関、議会での性差別による障害に直面したことはない」(S.H)のです。

 なるほど。現実の家庭や職場や学校で生きている女性のことは、眼中にないということですね。「私は超ホットなスーパーモデルよ!」などと妄想する一方、パートナーの女性はメイドとして主人である自分に従属し、「イケてるいい女」である自分を賞賛してくれる。これが彼らの言う「自分は女性だと感じる」ファンタジーが実現した理想的な生活ということなのでしょう。自分が、家族、学校、職場、街路、メディア、医療機関、議会で性差別される女性たちの「お仲間」になったのだとは、まるで思ってないってことですね。

《つづく》


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