梨栽培の師匠たちと収穫前の農園をまわったら、発見がいっぱいだった
師匠の沢田さんと元農園主の井上さん
1本目の記事「栽培知識ゼロの八百屋が、梨農園を運営することになった理由」でご紹介した沢田さんと井上さん。
沢田さんは梨栽培のプロであり、井上さんをご紹介してくださった私たちの師匠的存在です。もともと銀行に勤務されていましたが、6年前にお父様から梨農園を受け継ぐことに。受け継ぐか取り壊しかの選択でかなり悩んだそうですが、沢田農園には60年を超える長い歴史があり、その歴史をここで絶やしたくないという想いから受け継ぐ決断に至ったそうです。
井上さんは梨農園の元運営主で、今でも様々なお知恵をいただいている大切な存在。井上さんは梨農園を持つ家に嫁いですぐ就農し、40年に渡ってこの梨農園を守り続けてきた凄腕の女性です。今回、園を一緒に歩きながらふと「梨農園がこの先も存続し続けてくれると思うと、安心した。」と言っていたのを聞いて、とても胸が熱くなりました。‟つくり手”の喜びや安心の声は私たちの活力になります。
栄養が行き渡るように
味、色、形が整うためには、実がなっている枝葉がしっかり太陽に当たっている必要があります。だから枝葉がお互い重ならないよう、早めに枝葉を選定しておく必要があります。また、一本の枝に実が複数ついている場合、実と実の間隔を空けてひとつひとつに栄養が行き渡るようもぎ取っておかなければなりません。そうしないと実の成長に影響するのです。
これらの作業を6~7月にかけて入念に行っていたものの、やはり少し見逃しがあったよう。井上さんが素早く「これも、あ、これもね。」と、とんでもないスピードで選り分けてくださいました。師匠の目からすると、まだまだやれることは沢山あるのだなと痛感した瞬間です。
鳥や狸たちが食べにやってくる
梨の被害の一つに「鳥獣被害」というものがあります。榛名山の麓に園が位置していることもあり、毎年7~9月にかけて色んなタイプの動物たちが梨を狙いにやって来ます。動物たちも必死に食べにやってくるくらい美味しいということですが、運営主としては1個でも多く守りたいという気持ちです。
今回園をまわる中でいくつか鳥獣被害を受けている梨を発見したので、頑丈に張り巡らせているネットを入念に確認しました。三人で確認してたところ、沢田さんが隙間を発見。早急に塞いでくださいました。日頃から気を付けてはいるものの、動物はほんの小さな隙間を潜り抜けて入ってきます。どうか動物には「入園料」を払ってほしいものです。(無理ですけどね。)
雹(ひょう)が当たった傷跡も
今年6月に群馬県を襲った雹被害。
様々な農作物に被害をもたらし、だーれ梨農園にも傷跡が残っていました。
このように傷になったものはお客様に販売できないので、実が熟れた段階で収穫し、梨ジュースにアップサイクルし販売する予定です。味が落ちていることはないので、美味しいジュースが出来上がると思います。
師匠たちを目指して
師匠たちと一緒に園を歩くたびに、私たちが見逃していることが次々に発見され、「なぜそんなに早く、細かいところまで気付けるのか!?」と驚くようなことばかりです。「流石です・・・!」としか言いようがありません。
師匠たちのようになるにはまだまだ時間と経験が必要ですね。
この8~9月のオンシーズンが終わると、だーれ梨農園の2年目が始まります。お客様の笑顔、作り手のみなさんの喜びを想像しながら、美味しい梨を一生懸命育てていきます。どうぞ引き続き応援よろしくお願いします。
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