2024/07/20(土) 日経新聞 朝刊 個人的厳選4トピックス
[1面] 世界でシステム障害
ソフト原因、航空遅延や送金不能
19日、日本時間に発生した大規模なコンピューターシステム障害は、米セキュリティ企業クラウドストライクの「ファルコン」が原因であり、サイバー攻撃ではありませんでした。この障害は航空便の遅延や銀行の送金不能など多岐にわたる影響を引き起こし、各サービスは復旧作業を進めていますが、一部のシステムは復旧に時間がかかる可能性があります。 特に航空業界では、ドイツのブランデンブルク空港での運航停止や、独ルフトハンザ航空の予約システムの不具合が目立ち、ロンドンやアムステルダムの空港でも障害が発生し、世界中で3300便以上が欠航しました。米国の航空会社も出発便を一時停止し、日本航空(JAL)では国際線の予約に制限がかかり、ジェットスター・ジャパンでは29便が欠航しています。さらに、障害は他の分野にも波及し、英スカイニュースが放送を一時中断したほか、ロンドン証券取引所での企業の開示情報配信が停止しました。オーストラリアでは銀行、空港、警察、連邦政府にも影響が及び、一部の銀行では送金ができない状況が発生し、スーパーマーケットでは支払い方法が現金のみに制限され、日本のユニバーサル・スタジオ・ジャパンの店舗でも会計不能の事例が報告されています。
訪日客数最高、1778万人
1~6月 混雑緩和へ二重価格探る
2023年の1~6月の訪日客数は1778万人で過去最高を更新し、通年では3500万人に達する可能性が高まっています。これに伴い、観光資源の維持や受け入れコストを反映するために、二重価格を検討する自治体や飲食店が増えています。韓国、中国、台湾、米国からの訪日客が多く、特に米国は新型コロナウイルス禍前の1.5倍に増加し、消費額も過去最高の2兆1370億円に達しました。政府は訪日客数6000万人、消費額15兆円を目標に掲げ、地方空港の就航拡大や高級リゾートホテルの誘致を進めています。しかし、一部地域では混雑やマナー違反が問題となっており、兵庫県姫路市や大阪市では外国人入場料を引き上げる二重価格の導入を検討しています。
ネトフリ、半額プラン急伸
広告付き会員、3カ月で34%増
節約志向取り込む
米動画配信大手ネットフリックスは、広告付きプランで再成長を目指しています。広告付きプランは節約志向の消費者を取り込むことができ、広告収入が増えるという利点があります。また、ネットフリックスは膨大な視聴データを基に効果的な広告を提供することを強みとし、2025年には独自の広告プラットフォームを開発して広告主に売り込む予定です。2024年4~6月期の決算では5四半期連続で増収増益を達成し、広告付きプランが会員増加の主導役となり、広告プラン会員は3カ月で34%増加しました。さらに、ネットフリックスはデータを活用してターゲティング広告を展開し、広告効果の検証を提供するなど、広告分野での収益源を強化しています。競合他社のアマゾン・プライムビデオも広告付きプランを導入していますが、ネットフリックスは独自の戦略で市場シェアの拡大を図っています。
メルカリ、米で一時解雇
半数弱、中国発ECが台頭
フリマアプリのメルカリが、米国で大規模な一時解雇を実施し、約100人の現地社員を解雇した。これは米国法人の現地社員の半数弱に相当し、インフレによる趣味用品の取引停滞や中国系ECの台頭で米国事業の営業赤字が続いているためである。メルカリは事業を仕切り直すためにレイオフを実施し、現地社員の数を100人強まで減らした。2023年6月末時点で米国法人の現地社員は226人であり、22年6月末の356人から段階的に減少していた。メルカリの米国事業はコロナ特需が一服した21年7~9月期以降、調整後営業赤字が続いており、24年1~3月の調整後営業損益は200万ドルの赤字だった。長引く物価高も趣味用品の取引に逆風となり、メルカリは3月に出品者の販売手数料を撤廃して購入者が手数料を負担する仕組みに変更したが、短期的には十分な成果を上げていない。
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