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2024/07/22 日経新聞 朝刊 個人的厳選4トピックス

[1面] 国立大15校、授業料上げ「選択肢」 
東大に続き和歌山大など検討
82校調査 交付金減響く、DXに備え

全国の国立大学のうち、3校が授業料引き上げを検討中で、12校が今後検討する可能性があることが日本経済新聞のアンケートで分かりました。教育研究環境の改善や財政の厳しさを理由に2割弱の大学が授業料引き上げを選択肢に入れており、東京大学の引き上げ検討を契機にこの動きが広がる可能性が高まっています。現在、国立大学の標準授業料は年53万5800円で、各大学はこれを1.2倍まで引き上げることができます。アンケートでは、3校が引き上げを検討中、12校が今後検討する可能性があり、42校が「分からない」と回答、9校が検討しないと回答しました。国立大学の財政は厳しく、運営費交付金の減少や光熱費・人件費の増加が影響しており、国際競争力の低下への危機感も高まっています。教育の質向上と経済的な理由で進学機会を奪わないためには、奨学金制度の見直しやコスト分担の議論が必要です。

市場、「米国第一」の再来警戒
トランプ氏、半導体・関税上げに言及 
日独株急落招く

世界の株式市場ではトランプ前米大統領の「米国第一主義」的な政策運営への警戒が広がっており、特にドル高是正や関税引き上げの懸念から日本やドイツ、台湾などの株式市場が急落しました。前週(15~19日)、米国のダウ工業株30種平均や中小型株指数は上昇した一方で、米通信社によるインタビューが市場に冷や水をかけ、台湾の加権指数が4.4%急落し、韓国やオランダの株価指数も軒並み下落しました。トランプ氏は米製造業の復権を目指し、中国製品への60%関税だけでなく、他国にも10%の関税導入を示唆しており、特に自動車部品分野にこだわっています。このため、メキシコのボルサ指数は2.3%下げ、欧州のドイツ株価指数も3.1%安となり、自動車大手のフォルクスワーゲンは年初来安値に沈みました。日経平均も2.7%安と急落し、特に半導体関連株や輸出銘柄が売られましたが、大和証券やT&Dアセットマネジメントの専門家は、日本株の業績安定感や好決算を背景に再び上昇基調に入ると見ています。

不動産、デジタル証券に
小口販売、三井物産系が拡大 
市場規模3年で40倍

不動産をデジタル証券として小口化し、投資家に販売する取り組みが拡大している。三井物産子会社の三井物産デジタル・アセットマネジメント(MDM)は、年度内に沖縄のリゾートホテルを数百億~1000億円規模で取得し、STOを通じて資金を調達する計画だ。ケネディクスは首都圏の戸建て住宅約500戸をまとめてSTを発行し、国内シェアの5割に達している。国内不動産STの発行額は6月末時点で1225億円に達し、23年末から76%増、21年末から約40倍に伸びている。KPMG FASの加藤淳哉マネージングディレクターによると、不動産STは将来的に主流の投資手法となる可能性があるが、個人投資家がリスクを十分に理解していない可能性があるため、リスクとリターンの説明が重要とされる。

肥満症薬 株高2強に転機
ロシュなどライバル台頭、10社以上が治験 
市場の行方占う

肥満症薬市場で二強とされる米製薬大手のイーライ・リリーとデンマーク大手のノボ・ノルディスクが、新たなライバルの出現により市場体制の揺らぎに直面しています。スイス大手ロシュは、開発中の肥満症向け経口薬で初期段階の臨床試験で約7%の減量効果を報告し、株価が上昇しました。その影響でリリーとノボの株価は下落しました。さらに、米大手ファイザーやバイオ医薬品大手アムジェンも肥満症薬の開発を進めており、競争が激化しています。肥満症薬市場は米食品医薬品局(FDA)が2021年にノボの「ウゴービ」、2023年にリリーの「ゼプバウンド」を承認したことで急成長し、世界保健機関(WHO)によると肥満人口は増加中です。米ゴールドマン・サックスは市場規模を2030年に1300億ドルに上方修正しており、今後の市場動向が注目されています。

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