2024/08/23 日経新聞 朝刊 個人的厳選4トピックス
[1面] 世界企業、半年ぶり増益 4~6月
AI需要で半導体伸び 素材エネ、先行き懸念
世界の企業業績が2四半期ぶりの増益を達成。2024年4~6月期の純利益は前年同期比で7%増加し、半導体の需要増加やAIの需要拡大が利益に貢献。一方、中国経済の停滞や米国景気の減速感が不透明感を残す。ハイテク業種がけん引し、半導体企業や米テック大手が増益を達成。中国経済の低迷や欧州景気の減速が影響し、一部企業は減益となった。 日本経済新聞によるデータ集計によると、世界の上場企業約2万3700社の業績が調査され、時価総額ベースでの純利益は約1兆1000億ドル(約160兆円)で7%増加。特にハイテク業種が37%の利益増加を達成し、半導体市況の回復やAIブームが利益に寄与。中国経済の停滞が中国企業や周辺企業にも影響を及ぼしている。欧州勢の景気回復が世界企業の業績を支えにくい状況が続いている。EV関連や素材エネルギー企業には先行き不安が残る中、一部企業は増益を達成している。2024年7~9月期の業績は20%の増益が予測され、内需の減少や景気の変調が業績に影響を与えている。
REIT上昇率、米が突出
3月末比8%高、日英豪上回る
利下げ観測で先回り買い
米国の不動産投資信託(REIT)市場が活況で、主要指数が8%上昇している。金利低下による恩恵が期待され、投資家の関心が高まっている。米国REITは分散投資先としても注目されており、投資マネーが流入している。不動産開発や賃貸運営を一体で行う米国REITは金利低下の影響を受けやすく、利益にプラスの影響がある。利下げが確実視される中、米国REITへの期待が高まっており、株価パフォーマンスも期待されている。特にデータセンターやヘルスケア関連の銘柄が上昇しており、投資家の関心を集めている。分散投資ニーズが高まる中、REITへの投資が増加しているが、景気悪化やリセッションのリスクにも注目が必要。米国REIT市場は堅調だが、懸念要因も存在する。
米金融所得、最高の540兆円
日本の40倍、消費を下支え
利子収入の伸び大きく
米国では金融所得が過去最高に膨らんでおり、株式や債券などの金融資産による所得は過去最高の3.7兆ドルに達している。一方、日本の家計の資産所得は40分の1程度であり、株高でも消費が鈍い状況が続いている。資産所得が16%を占め、利子収入と配当収入が伸びており、利子収入はFRBの政策金利引き上げの影響を受けて伸び、MMFなどの金利商品による収入が増加している。日本は日銀の低金利政策により資産所得の伸びが鈍く、株価の上昇による資産効果や消費余力の向上が限定的である。米国との差が顕著であるが、米国でも中低所得層の格差拡大が懸念され、家計の資産を持たない人々が苦しんでいる。日本政府は資産所得倍増プランを進めており、国民の豊かさを目指しているが、道のりは厳しい。
日銀総裁、市場の乱高下巡る答弁に注目
きょう閉会中審査出席
収束と発言の一貫性、苦慮
日銀の植田和男総裁が閉会中審査に出席し、7月の政策金利引き上げ後の市場反応などについて国会議員の質問を受ける。日銀総裁が閉会中審査に出席するのは、2015年以来約9年ぶりで、2%物価目標の達成遅れなどが焦点となる。市場は植田総裁の発言に敏感で、7月の記者会見や過去の会合での発言が市場を大きく動かしてきた。円相場の変動や株価の動きが植田総裁の発言と連動しており、物価や経済データに応じて追加利上げを検討する姿勢が示されている。内田真一副総裁も追加利上げには慎重な姿勢を示し、閉会中審査では内田副総裁と植田総裁の発言内容の整合性が焦点となる見通し。植田総裁はジャクソンホール会議には今年出席せず、金融政策の動向に注目が集まっている。
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