【エッセイ】面倒くさがりのアナログ漫画家をデジタル制作に挑戦させた意外なきっかけ(挿絵あり)
「デジタルは苦手」
そう言っていつまでもアナログにしがみついて漫画家生活を送っていたボク。
苦手や面倒くさいことから目をそらす。ボクはそんな自分が嫌いだった。
子供の頃から面倒くさいことを後回しにして失敗して後悔する。
このパターンを何度繰り返してきたことか・・・。
いつも母親に尻を叩かれていたものだ。
中年になると新しいことに向き合うことが億劫(おっくう)になり、チャレンジ精神が薄れていく。
ipadやイラスト制作ソフトが便利なのはわかっていた。しかし、それらの高額な出費やソフトの使い方をマスターする労力など色々考えるとハードルが高すぎる。
そうやっていつも言い訳して現実を遠ざけていた。
そう言ってるうちに時代に取り残され、コロナ過で営業にも行けなくなって
次第に【描く仕事】がなくなっていった。
【描く仕事】がない年が2~3年ほど続いたか・・・ボクは夜勤のアルバイトで食いつないでいた。
悲しさ、寂しさもあったけど一番はやる事が多くて頭がパンク状態であった。今まで経験したことのないことが雪崩れのようにイッキにきたのである。
生前は通院に看病に介護。
死後は葬式の喪主、親戚、納骨、役所の申請、銀行、法務局などなど面倒くさい事だらけ!
だからといって放り投げるわけにはいかない・・・。
不思議なことだが、初体験の壁を何度も越えていくうちに自信がついてきた。
子供の頃からなんでも後回しにしていた原因は【自分に自信がなかったから】だったのだ。
変な話ですが、このことがきっかけで面倒くさそうなことでも【一つ一つ粘り強くやっていけば絶対できる!】という自信がついたのです!
何事にもチャレンジする意欲が湧いてきたのです!!
当然、その流れでipadも購入!イラスト制作ソフトでコツコツと勉強しながら漫画を描く決心をした!
それから数年・・・、今では液タブで漫画を描けるようになって、SNSから【描く仕事】の依頼も来るようになりました!
自信をつけるきっかけが両親の他界だなんて、不謹慎に思えるでしょうがボクは両親からの最後の贈り物だと思っています。
もう、ボクの尻を叩いてくれる人はいない。
でも、昔のボクもいない。
今は面倒くさいことこそ楽しめるボクがいる。