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僕と自転車とアイドルと、


“すべて達成できた!”

・いい自転車を買う
・乃木坂46のライブに行く

これが、僕の達成したかったことだ。

 中高6年間、僕はmiyataのゴムチェーンの“銀チャリ“で通学していた。値段は確か5万円くらいだったと思う。
 中学の通学は自転車通学が当たり前で、自転車が僕の足代わりだった。
 高校へ入学してもそれは変わらず、同じ中学から一緒に進学した友人も最初は自転車通学だった。
 しかし、原付での通学が許されていたため、一緒に通学していた友人は次々と原付の免許を取り、自転車で通学してるのは、僕と野球部の2人の計3人のみになった。
 僕が自転車を必死に漕いでいる中、原付に乗った友人が颯爽と追い抜いて、学校に到着すると
『遅かったな!』
と、言われるのが定番であった

 雨の日でも、真夏日でも、台風の日もできる限り僕は自転車で通学した。流石に雪の日は母に送迎を頼んだが。
 それだけ自転車は僕にとって欠かせないもので、長い時間を共にし、成長してきた。
 無茶な運転もしたし、酷使したりもした。だからこそ、僕は銀チャリにすごく感謝している。

 だが、高校2年生頃からこんな思いが僕の心の中で芽吹いてきた。

“スポーツタイプの自転車に乗りたい“

 僕の地元には絶好のサイクリングスポットが海辺にある。そのため海辺へ行くとクロスバイクやロードバイクにのった人達をよく目にしていた。
 そのスピード感とフォルムに憧れ、欲しいと思った。そして決意した。

『大学生になったら自転車を買おう』 

 元々地元を離れたいと思っていた僕は、そう決意した。
 そして僕は東京の大学に進学し、上京した3日後にクロスバイクを購入。その後友人の押しもあり、ロードバイクを購入。自転車が世界を広げてくれた。




僕が地元を離れたいと思っていた理由に、大きく関わっているのがアイドルだ。

僕は乃木坂46、欅坂46(現・櫻坂46)、日向坂46のいわゆる「坂道シリーズ」が好きだ。

高校を卒業するまで新潟に住んでいたため、ライブにも握手会にも行けず、おまけに冠番組すら見れない。唯一観れるのは、ミュージックステーション、音楽の日、FNS歌謡祭などの音楽番組と、メンバーが出ている全国放送のみ。
オタクとして『負けている』と思っていた。
だから絶対上京してライブや握手会に行ってやると心に誓い、東京の大学へ進学した。

テレビをつけたら『乃木坂工事中』『欅って、書けない』『NOGIBINGO』が放送している。そのことにとても感動した。


・握手会
初めて行った幕張メッセでの握手会。あまりの人の多さに、吃驚した。
握手会に参加している殆どの人は推しメンのタオル、チケットホルダーを手に握手会のレーンに並んでいた。さらに、名前を覚えてもらうために名札を自作している人、コスプレをしている人。

それに対して僕は、

手ぶら

持っているのは、
スマホ
握手券
学生証or免許証
たまに本、財布

以上。

入場する際、荷物検査がある。ほとんどの人は、持っているカバンの中身を見せ、飲み物を飲み、香水・ハンドクリームは手に塗るなどしていた。
それに対して僕は、

スマホ、身分証明書、握手券を出す。金属探知機検査。終了。

会場内で僕は異色だったかもしれない。
それでも十分に楽しめた。いや、楽しすぎた。

・ライブ
初めてのライブは東京ドームでの公演。あまりにも素敵だったため、余韻が抜けず、翌日の授業中はため息しかしてなかった。
月並みな言葉になってしまうが、テレビで見る彼女達とは全く別人で、本当にキラキラ輝いていた。
自分の好きな曲をライブで聴けた瞬間は言葉にならないくらい嬉しかったし、盛り上がる曲はすごく楽しかった。

Twitterで仲良くなった人達と推しメンタオルを掲げてとった写真。今でもパソコンのデスクトップの画面にしてある。

幕張メッセ、武蔵野の森スポーツプラザ、秩父宮ラグビー場、京セラドーム、両国国技館、明治神宮野球場、名古屋ドームでのライブ。

どれもが全て、昨日のことのように語ることのできる大切な思い出だ。


『自転車とアイドル』
一見関連が何もないように思える。

だが、実は大きく関係しているのだ。

僕がライブや握手会に参加する時の移動手段は必ず自転車だったからだ。
*雨の日、大阪、名古屋へ行く時は電車

 東京ビッグサイト、神宮球場へは1時間、幕張メッセまでは2時間ほどかけて自転車で行っていた。大学の友人、オタク仲間と遭遇するたびに
『また自転車⁈』
と、言われたのが懐かしい。

「なぜ自転車で行くのか?」
「電車で行った方が楽だし、早いのに」

ほとんどの人がそう思うだろう。

僕もそう思う。

なら何故自転車で行くのか?

それは、

『自転車で走ってる時間が1番好きだから』

電車に乗って、ワクワクしながら会場へ向かうのは悪くない。
悪くないが、足りない。何か物足りない。
そういう時はいつも、
『自転車で行きたかったな』
と、僕は思っている。

僕にとって自転車に乗っている時間は、ライブや握手会に参加することと同じくらい好きな時間なのだ。

さらに、嬉しいことがある。
自転車とアイドルが繋げてくれた友人ができたことだ。

ライブで仲良くなった友人とサイクリングに行けたこと、すごく楽しかった。
1人でのサイクリングもいい。だが、仲間と行くのはそれ以上に楽しい。

就職したら会う機会は減るだろうが、たまには一緒にサイクリングに行きたいと思う。

僕の学生時代の思い出の大半を占めるのは、自転車とアイドルだ。

この思い出はずっと僕の心の中で輝き続けるだろう。陽の光で反射する水面のように

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