「BCとAD」から「BCとAC」へ(3)
「BCとAD」から「BCとAC」へ(3)をずっと書き残すタイミングがずれてしまいましたので、とりあえず考えを残しておきたいと思います。
なかなか記録に残せなかったのは、3月10日からスタートした新型コロナウイルス感染症対策にフォーカスしていたためです。
さて、5月17日で、新型コロナウイルス感染症関連のプロジェクトについて、一応、一段落しました。その前の週には、沖縄市の業務として、新型コロナウイルス感染症対策本部緊急対応班の役目を終えました。
「BCとAD」から「BCとAC」へ(1)の最後に、記載することを宣言していましたので、追記をしたいと思います。前回と前々回の投稿内容は、次のリンクをご覧ください。
さて、医療、農業、産業、ビジョンの項目に分けて、私の個人的な「想い」を伝えたいと思います。
5.医療
医療については、本日のSave Okinawa Projectのシンポジウムでも新型コロナウイルス感染症関連がメインテーマになっていますので、詳細については、以下のシンポジウムの動画をご覧ください。
2020年5月17日のSave Okinawa Projectのシンポジウムの動画です。
その上で、新型コロナウイルス感染症にだけではなく、今後の感染症は未知の病気に対して、今後何が必要かを考えていきたいと思います。
私が琉球大学に所属して際に、シリコンバレーに3度訪問しました。多くの方も知っているように、シリコンバレーは世界から多くの起業家を集め、GAFAを代表されるようにテクノロジーの会社が数多く集積している場所です。
私も大学卒業後(20年以上前ですが)、2か月ほどインターンシップ先を探すために、スタンフォード大学の近くのシェアハウスで生活したことがありました。本当に刺激的な場所で、ワクワクするイベントや多くの人的ネットワークを構築することができる場でもありました。ただし、私が住んでいた20年前以上前は、GAFAはありませんでしたし、結局、100社ぐらいにアプローチして、シリコンバレーでは探せず、LAの日系ラジオ局で、今でいうインターネットラジオの構築を行っていました。
さて、話を戻しましょう。
琉球大学時代に3年間、スタンフォード大学に通い続けたのは、バイオデザイン Biodesign(http://biodesign.stanford.edu/)の視察と、同プログラムを琉球大学で開講するためです。
その結果、琉球大学の地域連携推進機構が取りまとめを行い、琉球大学の医学部、県内の医療機関、ヘルスケアのスタートアップなどと連携し、沖縄型医工連携人材の育成プログラム (https://chiiki.skr.u-ryukyu.ac.jp/?page_id=176)を開講しました。
バイオデザインは、医療×テクノロジー、医療×起業、医療×金融、などを組み合わせて、現場ニーズに即した医療機器や医療サービスを構築することを目的にしています。
国内でも、東北大学、東京大学、大阪大学を中心に、バイオデザインを学ぶコースがあります。医療従事者だけでなく、医療機器メーカーやスタートアップの方々も一緒に学べるコースを構築しています。
医療×○○は、バイオデザインのように、テクノロジー(ものづくり)、起業、金融(投資)なども沖縄では、ドンドン取り組むことが必要だと思います。
さらに、医療×アート、医療×文学、医療×哲学、医療×宗教 などの、超異分野の連携が行うことが重要だと思っています。
医療×アートは、レオナルドダヴィンチがそうであったように、人体解剖、人体のしくみを理解した上で、絵画への展開を行い、世界で最も有名な婦人の絵「モナリザ」を完成しています。アートは絵画に限らず、音楽と組み合わせた音楽医療、色を組み合わせた彩色医療、人体を3DモデリングをしてVRのアートへ応用するなどのものがあるのかもしれません。
医療×文学は、ペストが文学作品として、再度、ベストセラーになっていると聞きます。医療現場として新型コロナウイルス感染症については、大変な時期ですが、もしかしたら、文学としての新しいものが生み出されるのかもしれません。自宅自粛や在宅勤務になった、今だからこそ、文学作品に触れ、自ら創作する活動を行う人もいるかもしれません。
恩納ナビーの琉歌に、以下のようなものがあります。
恩納松下に 禁止(ちじ)の碑の立ちゅす
恋しのぶまでの 禁止(ちじ)やないさめ
(意味=恩納番所前の松の下に禁止の立札があるが、恋をすることまで禁止しているのではあるまい)
http://rca.open.ed.jp/city-2001/person/06navi/index.html
今であれば、自宅自粛で不要不急な外出禁止であったとしても、あの人を想う気持ちは禁止することはない、という形になるでしょうか。
医療×哲学は、新型コロナウイルスとの共存を考える必要があるといわれています。もちろん、ワクチンや薬が開発されていない状況であるので、コロナウイルスが前提の社会を創っていく必要があります。
一方で哲学には、私たちが何のために、何を求めて、何に向かって生きていくのかを、自分自身に問いかけることが重要になっているかと思われます。
私自身も、職場に残業をしながら、ずっとシゴトをメインに行ってきましたが、働く意味は何か、働く場所はどこか、誰と働くかを考えるキッカケが、今回の新型コロナウイルスのことで考えさせられています。
この機会に、ユヴァル・ノア・ハラリ=著『サピエンス全史』、『ホモ・デウス』、『21 Lessons』の本を読み直してみたいと思います。
ユヴァル・ノア・ハラリ=著
(歴史学者・哲学者。世界的ベストセラー『サピエンス全史』、『ホモ・デウス』、『21 Lessons』著者)
http://web.kawade.co.jp/bungei/3492/
医療×宗教は、私の実家がある本部町備瀬は、他の地域とは異なる風習、宗教感があります。備瀬以外の場所で亡くなった人は、火葬して納骨されるまで、備瀬(シマ)には入ることができないです。
以下の論文や書籍にもあるのですが、備瀬には、シマと内と外という考えがあり、死後の世界と備瀬の人々が住む場所を分けているのです。
私も、祖父母が亡くなった際には、独特の風習を体験しましたし、黒装束の村人が、ビキニの観光客がいるエメラルドビーチで海水を汲み、それを親族にかける、オリオンビールホテルの敷地にある祈りの場所で、祈りを捧げるなど、きっと現代では考えにくいことをやっていると思います。
でも、その時は、本当に心が落ち着きますし、きっと、小さい頃から当たり前のものであり、変えてはいけないものだと、DNAに刻まれているのだと思います。
これは、勝手な解釈ですが、もしかしたら、未知のウイルスや感染症が流行ったために、亡くなった人はシマに入れずに、土葬や風葬をシマの離れた場所で行って、それが終わった後に、洗骨を行って、シマの墓へいれたのかもしれません。
北部沖縄の婚姻儀礼 と葬墓制 に関す る文化人類学的研究ー沖縄 ・本部町備瀬の事例 を中心にー 中 畑 充 弘 著
https://m-repo.lib.meiji.ac.jp/dspace/bitstream/10291/4723/1/kodaigakukiyo_3_71.pdf
とりあえずは、医療だけにしておきます。以下の項目の続きは、また後日です。。。。
6.農業
7.産業
8.ビジョン
追伸
Save Okinawa Projectのシンポジウムで、私が発表したスライド(Prezi)は、以下のリンクからご参照いただけます。