「IT導入補助金」の使い方【入門編】

パンデミック下で大規模な予算が投入された大型の補助金、事業再構築補助金が話題になっていますが、事業計画書の作成はなかなか難しく、いくつかの要件を満たす必要があり、それなりのハードルがあります。

その一方、中小企業、小規模事業者を支援する「ものづくり補助金」、「小規模事業者持続化補助金」、「IT導入補助金」は、国の3大補助事業として知られています。

そのうち、「ものづくり補助金」は「事業再構築補助金」と同様にやや難しいといわれています。反対に、最もハードルが低いのが「IT導入補助金」です。

1.「IT導入補助金」の難易度は?

「ものづくり補助金」の難易度レベルを10とすれば、「小規模事業者持続化補助金」は3~4くらい、「IT導入補助金」は1~2くらいかなと思います。

IT導入補助金は、手続きも比較的簡単で使いやすいのでおすすめです。

2.「IT導入補助金」の基本的な仕組み

昨年、私が経営に関わっている多言語コンタクトセンターサービスの提供会社で、ホテルや民泊施設向けのリモート接客を可能にするクラウドサービスをリリースしました。新型コロナ対策の非接触対応に資するツールとして、「IT導入補助金」のツール登録を行いました。そして実際にお客様にも申請頂き、採択の実績を作ることができました。

このように、ITツールを提供する事業者(ITベンダー・サービス事業者)が先にツールを登録して、ユーザー(補助事業者)が導入したいツールを指定して申請できる、という仕組みで、ユーザーの申請負担を下げているのが特徴です。

そこが、他の補助金との大きな違いです。

そんな対応をしている過程で、「IT導入補助金」を詳しく知ることになったのですが、最近、いろいろなところで、「IT導入補助金で何ができるの?」「どうやって使えばよいの?」と質問を受けることが多くなったため、IT導入補助金の簡単な攻略方法(?)といいますか、活用方法についてご紹介します。

3. ITツールの導入でどういった課題を解決したいか

「IT導入補助金」は、業務効率化、生産性向上、コロナ対策の非対面化・非接触化等に資するITツールの導入を支援する国の補助事業です。

当然ですが、ITツールの導入でどういった課題を解決したいか、をまず考えることが必要です。

自社業務の課題を挙げ、ITツールの導入で効率化・自動化できる部分がないかを検討してみます。

そうはいっても、何をどう検討してよいかわからないといった場合には、次のような切り口で整理してみるとよいでしょう。

例えば

  • フロントエンド業務、バックエンド業務に分けて考えてみる

  • 組織・部門ごとの課題を書き出してみる

  • 業務フローを書き出して検討してみる

等です。

ITツールには、大きく分けて、業種・業態に特化したものと、業務内容に応じて共通で活用できるものがあります。

4. ITツールの検索機能を使ってみる

ある程度課題がはっきりしている場合は、キーワードを書き出して、以下の検索機能を使って探してみるのがよいでしょう。

IT導入支援事業者・ITツール検索

そうではなく、まだ課題がよくわからない、といった場合は、以下のページを見てみましょう。

業種別 お悩み解決ITツール機能

このページでは、業種別のお悩みに合ったITツールを紹介しています。自社に当てはまるものがないか探してみるとよいでしょう。

登録されているITベンダー・サービス事業者の数は5,000社以上もあり、きっとマッチする製品・サービスが見つかるはずです。

5. 「IT導入補助金」、2022年のスケジュール

ところで、2022年度のIT導入補助金のくわしい概要はまだ発表されていません(昨年度は5月から1次の公募が開始しました。少し先ではありますが、今から検討を開始されるとよいでしょう。

なお、ひとつトピックが。

  • 「IT導入補助金」でパソコンが買える

昨年は、タブレット端末等のハードウェアは、レンタル費用のみが対象でしたが、購入費用も補助金の対象となるようです。上記のサイトで詳しく解説がありましたので、ご参照ください。

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