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エッセイ              「ようこそ」 あの少年がくれたもの

人生の中で、たったひと言の言葉が人の心を救う瞬間がある。私にとって、それは「ようこそ」という言葉だった。

幼い頃、私は守られることを知らなかった。

家に帰っても温かな笑顔や優しい声はなく、

どこにも居場所がないと感じていた。

孤独は心に重くのしかかり、

やがて思考は暗闇に引きずり込まれる。

それでも、どこかで誰かに

「ここにいていいよ」と言ってほしいと

願っていた。


そんな時、テレビでRCサクセションのライブ中継を見た。

忌野清志郎さんは歌いながら、観客に向けてこう言

った。「ようこそ、よく来てくれた」

たったそれだけの言葉なのに、

心の奥深くに響いた。

涙が止まらなかった。

初めて、自分の存在が誰かに

歓迎されたような気がしたのだ。

それは、

私の中で何かを変えるきっかけになった。

「幸せになりたい」

「自分も誰かを幸せに」

という思いが芽生えた瞬間だった。


それから8年後、

ある少年と出会った。

彼は学園祭のステージで

BOØWYのコピーバンドを披露するからと、

私を招待してくれた。 

ステージに立った彼が、

観客に向かって言った。

「ようこそ、楽しんでいってください」。

その光景は、

忌野清志郎さんを初めて見たときと同じくらい心を

揺さぶった。

彼の言葉が、過去の記憶を呼び起こし、

同時に未来への道筋を指し示したように感じた。

私はその少年に

「私もそこに立ちたい」

少年は「夢を諦めないで。夢を叶えてください」

と真っ直ぐな目で語りかけてくれた。

その言葉が、私の中で燻っていた夢を再び燃え上が

らせた。

後日、氷室京介さんも「RCサクセションのライブを

観て何かを掴み取った」と語ったエピソードを知っ

た。

氷室さんもまた、その瞬間から未来を切り拓いた人

だ。

年月が経ち、清志郎さんや氷室さん、

そして少年が繋いでくれた

「ようこそ」という言葉が、

私の中で生き続けていることに気づいた。

そしてそれは、

私が今度誰かに渡す番だと思っている。

過去の私のように、自分の居場所を探している人

明るい未来への扉を開けようとしてる人に向けて、

私は言葉を届けたい。

「ようこそ」と。

「よく来てくれたね」と。

私は私のステージを作る。

その場所で、

言葉や想いを通じて

誰かの心に光を届けたい

それが、私が受け継いだ

「ようこそ」という言葉の意味だから。


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世界🌎が平和でありますように

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