見出し画像

【はじめに全文公開】「あなたが1人で、トイレで泣く日が来ないように。」女子を困らせる人を撃退する言葉の護身術! アルテイシアさん最新刊!

『モヤる言葉、ヤバイ人』アルテイシア著を2021年6月19日に発売します。

画像1

「いい奥さんになりそうだよね」「あなたは強いからいいよね」「おじさん転がすの上手いよね」「女子力磨けば結婚できるよ」「子どもを産めば、仕事の幅が広がるんじゃない?」……

モヤる言葉に出会った時、「自分が気にしすぎなのかな……?」と怒りを飲み込み、笑顔で受け流してしまった経験はありませんか? 相手の方が立場が上のため強く言い返せず、泣き寝入りしてしまうことも……。

本書では、ジェンダーの押し付け・マウンティング・セクハラ・パワハラなど、この世にはびこる呪いをはねのけ、「モヤる言葉に言い返す方法」や「ヤバい人から身を守る方法」など「言葉の護身術」を紹介します。

さらに『これからの男の子たちへ』の著者、弁護士の太田啓子さんとの対談では今知っておきたい「法律の護身術」についても教えていただきました。

「あなたが1人で、トイレで泣く日が来ないように。」そんな願いをつめこんだアルテイシアさんの爆笑&超実用的エッセイ『モヤる言葉、ヤバイ人』の「はじめに」を全文公開します。ぜひ皆さんも法螺貝やグレッチ、膝パーカッションでジョインを!


はじめに 

ヘルジャパンに生きる女子は息してるだけで偉い。そんな女子がもっと生きやすくなってほしい。

私はそんな悲願から「モヤる言葉に言い返す方法」や「ヤバい人から身を守る方法」など、女子が身を守るための「言葉の護身術」をコラムに書いてきた。

それらを読んだ方から「セクハラやパワハラにNOと言えるようになった」「人間関係のストレスが減った」「怒るべき時に怒れるようになった」と感想をいただき、我が人生に一片の悔いなし! 来世はチンアナゴでよし! と満足していたが、このたび一冊の本として出版することになった。

本書には、bot返し、明菜返し、エジソン返し、哲学返し、猫&BL返し、ナイツ返し、ネズミ返し、マンスプ返し、イキリオタク返し、オカルト返し、エシディシ返し、アナル返し……その他、あらゆるシチュエーションに対処するための護身術がつまっている。

また、友人でもある弁護士の太田啓子さんとの対談では「法律の護身術」を伝授していただいた。

セクハラやパワハラに遭ったら? モラハラやDVを受けたら? 性被害に遭ってしまったら? ネットで嫌がらせをされたら? 等、法律の専門家の立場からアドバイスをいただき、弁護士ガチャでアタリを引くには? お金がない人はどうすりゃいいの? フリーランスと会社員はどう違うの? といった質問にも答えていただいた。

本書は、ヘルジャパンを女性が生き延びるための実用書である。一人でも多くの方に役立ててほしいので、図書館とか電車の網棚にも置いてほしいし、友達の間でジャンジャン回し読みしてほしい。

「モヤモヤを言葉にしてくれてスッキリした」という感想も読者の方からいただく。

誰かの発言にモヤった時「なんでこんなにモヤるの? 私が気にしすぎなの? 過剰反応なの? 相手はどういうつもりなの? ひょっとして私が悪いの? 私に問題があるの?」と思考が迷子になった経験は、誰もがあるんじゃないか。

そんな時にモヤモヤの正体がわかるとスッキリするし、自分の感覚は間違ってなかったんだと安心できる。かつその場で適切に言い返せるようになると、自分に自信がつく。

45歳の私は肉体の瞬発力は衰えたが、言葉の瞬発力が上がったので、生きるうえでの自信がついた。

一方、20代の私は傷つく発言や不快な発言をされても、とっさに言い返せなかった。その場では怒りやショックを飲みこんで、笑顔で受け流すことが多かった。

そして寝る前に思い出しては「キエー!!!」と叫んでジタバタしていた。すると手足の血行は良くなるが、メンのヘルス的には良くない。夜中に「生霊 飛ばし方」でググって「ペットボトルを使った手軽な飛ばし方」を熟読しながら、寝不足になっていた。

そんな過去の自分の枕元に立って「言葉の護身術を学ぶと生きやすくなるぞ」とこの本を渡したい。「誰? 怖い!!」と余計眠れなくなりそうだが。

ジェンダーギャップ指数120位のヘルジャパンでは、若い女は特にナメられる。20代の私は会社でセクハラやパワハラの標的にされても「自分が悪いんだ」と思っていた。「女は笑顔で愛想よく」「セクハラされても笑顔でかわせ」と呪いをかけられて、わきまえた女として振る舞っていた。

そうして怒りや痛みに蓋をしたまま、自尊心をゴリゴリ削られていき、不眠や過食嘔吐に苦しんでいた。痛みを我慢し続けるうちに感覚が麻痺してきて、戦う気力や逃げる気力も奪われていた。

そんな私を救ったのが、フェミニズムだった。フェミニズムに出会って、自分を苦しめる呪いの正体がわかった。「私、怒ってよかったんだ」と気づいて「痛いんだよ、足をどけろよ!」と抗議できるようになった。押し殺していた感情を解放して言葉にすることで、俄然生きやすくなった。

そして現在はジェンダー差別やハラスメントにバチギレる文章を書きながら、元気いっぱいに生きている。中年の忘却力を発揮しつつも、かつて会社のトイレで「死んじゃおっかな」と泣いた日のことを覚えている。

そんな過去の私みたいな女子たちに言いたい。「1人でトイレで泣かないで、あなたたちは息してるだけで偉いのだから」と。そこでホッケーマスクとチェーンソーを渡すとポリス沙汰になるので、そっとこの本を差し出したい。

本書には、この世にはびこる呪いをぶちのめす言葉をつめこんだ。それらを武器にして、どうか元気にすこやかに暮らしてほしい。 

この記事の次におすすめの記事はこちら!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?