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GW、幼児とお家でどう過ごす?

遊び盛りの幼児がいてもなかなか外に出られない、そんなGWになりそうですね。お家で遊ぶにしても万策尽き、ヘトヘトな親御さんも多いと思います。今日は何して遊ぼうか?にお答えできる本をご紹介。しかも「脳がよくなる遊び」とはどんな遊びかを解説します。

中学受験指導のプロとしてこれまで6,000組以上のご家庭との10,000回を超える個別面談を通して、頭のいい子、あと伸びする子の、幼児低学年時期の育ち方に数多く接した教育のプロ小川大介先生『1日3分!頭がよくなる子どもとの遊び方』をご紹介します。

小川先生曰く、

頭のいい子に育ってほしいなら、与えて伸ばすことに必死になる必要はありません。「子どもと一緒に遊ぶ」、これだけで十分です。
 子どもは本来、遊びながら学ぶことで育つのです。

本書を一部公開します。

「らくがき、おりがみ、積み木」の遊びで学びのベースを養う 

線で遊ぶ~文字や数字を書く力の基本をつくる~

お母さんの声かけで子どもはワクワク 

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 どのご家庭にもある紙と鉛筆ですぐ実践できるのが、「線で遊ぶ」です。
 お絵かきに興味がある子は、1歳前後で描きはじめますね。夢中になっていることを好きなだけさせてあげるのが「遊び」の基本ですが、自由なお絵かきとは別で「線で遊ぶ」体験は大切。なぜなら、「線は線として描く」ことが、地頭をよくすることにつながるからです。まず、やり方を紹介します。

さっそくやってみよう!

A4のコピー用紙、新聞広告や包装紙の裏、ノートなど何でも結構ですので、手頃な紙を机や床に広げます。お子さんの隣に座り、ゆっくりと鉛筆で1本線を引きながら、「○○ちゃん、鉛筆でお母さんの後をついて来て~」と声をかけます。

 親御さんの声かけに、お子さんは「何だろう!」と興味をそそられますね。「やりたい!」「楽しそう!」と思ってくれれば大成功。すかさず親御さんが引いた線の上を、鉛筆でたどっていくでしょう。
 「スピードアップするよー!」「一旦停止」と速度を変えたり、「回転だ~」とぐるぐる線、「海に来ましたよ~」と波線にするなど形にも変化をつけ、子どものテンションが上がるような工夫で熱中させましょう。
 
 2歳くらいだと、親が描いた線からぐしゃぐしゃとはみ出すと思いますが、きれいに描けなくても気にすることはありません。

1日の数分が「子どもの頭をよくする時間」に変わる

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 この遊びのメリットは二つあります。一つめは、文字や数字を書く基本が身につくということです。小さな子どもにとって、1本の線を引くというのはかなり難しい作業。とくに横向きの直線は高度です。線遊びになじんでいる子と、なじまないままの子では、本格的に文字や数字を学びはじめてからの定着に大きな差が出ます。ですから、お絵かきとは別に、「線は線として描く」経験が欠かせないのです。

 二つめは、形に対するセンサーが磨かれていくということです。親御さんはぜひ、直線、曲線からはじめ、丸、三角、四角などの図形へ発展させていってください。親の線の後を追いながら、子どもは自分の手を動かしたものが形になる感覚を味わえます。すると、図形としてものをとらえる目が養われ、ひいては、算数の図形問題にもすっとなじんでいけるようになります。
 
 1歳前後は、口に入れても安全なクレヨンを。2歳前後から3歳くらいになったら、クレパスや色鉛筆、本人が興味をもつならボールペンやシャーペンを使ってもいいでしょう(芯は4Bや6Bなどやわらかいものを)。紙と鉛筆というどんなご家庭にでもあるものを使って一緒に遊ぶ、1日のうちのほんの数分間が、子どもの頭をよくする時間に変わることを覚えておいてください。

紙で遊ぶ 図形をとらえる力の土台ができる

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おりがみグシャグシャ遊び

単純だから親子で楽しめる
 私が子どもの頃、好きだった遊びがおりがみです。「大きくなったら、おりがみ屋さんになるんだ!」と言っていたそうで、それくらい夢中だったのです。
 難しそうなものにトライして出来上がったときの喜びもさることながら、完成形をイメージし、成功するまで何度でもやり直して試行錯誤できるところがお気に入りでした。「ある程度の年齢にならないと遊べないのでは?」と思われる方もいらっしゃるようですが、そんなことはないんですよ。1歳半くらいになればちゃんと遊べます。まずは「おりがみグシャグシャ遊び」です。

さっそくやってみよう!

 好きな色のおりがみを子どもに1枚選んでもらい、お母さんも選びます。
そして両手でグシャグシャと丸めてしまいます。丸めた紙を投げ合って遊ん
でも結構ですが、大事なのはここから。丸まったおりがみを開き、折り目から○△□などの形を探してボールペンやマジックでなぞるのです。

 実際にやっていただくと一目瞭然なの ですが、折り目が複雑にからみあっていろいろな形をつくり出しています。
 ○△□といった子どもにもわかりやすいシンプルな形を見つけてあげると、子どもも真似して探し出すでしょう。

 そのうちに子どもが「汽車があるよ」「お花だ」などと、好き勝手に想像を膨らませはじめたら、お絵かき感覚で一緒になぞってみてもいいですね。
 ハマると、「グシャグシャ→開いて見る」を「もう一回やって」と何度も繰り返したがると思いますが、お子さんが飽きるまでつきあってあげてください。図形をとらえる力のベースができます。おりがみは、折る前にグシャグシャ遊びなのです。紙で手を切ってしまわないように、おりがみは薄手のやわらかいものを選んでください。

ハサミで遊ぶ 「倍になる」かけ算感覚を体感

紐切り遊び

童心に返って一緒にチョキチョキ
 ハサミは工作道具だけでなく、日常の遊び道具としても利用したいツールです。年齢に合った子ども用のハサミを用意し、広告やいらない紙を好きなようにチョキチョキ切って遊びましょう。
 自由に形づくりができる道具があるということは、何かを生み出す力を手に入れたということ。創造意欲が刺激されます。
 お子さんの気分が乗って、紙をチョキチョキチョキチョキ小さく切り刻むことで、家が散らかるのは少々我慢。やればやるほど数が増えていく感覚を味わわせてあげてください。子どもは、そんな単純な遊びにこそ熱中します。やみくもにティッシュを引き出して楽しいのと似た感覚があるのだと思います。
 そして、そんなハサミを使った遊びは、意外にも勉強につながっていきます。

さっそくやってみよう!

 荷造り紐やリボン、毛糸、紙テープなど紐状のものを用意。長さ中央のところを「切ってごらん」と声をかけます。「増えたね」「何本になった?」と、1回切ると数が倍になることを教えてあげます。2本になった紐をさらに切って4本に、4本を8本に。お母さんがまずやって見せてあげてもいいでしょう。

 「切ったら倍になる」というのは、つまりかけ算です。数が増えていく感じを自分の身体で体験できるのが、この遊びのいいところなのです。
 紐ではなく紙を使うバージョンもあります。紙を半分に、そのまた半分に……ときちんと重ねながら切っていく遊びです。その場合はお母さんが切り役になり、切っている様子を横から見せてあげると、増えていく感じがよりよく伝わります。

 うちの子と遊んでいて、1枚が2枚、2枚が4枚となったときに「次に切ったら何枚になると思う?」とクイズを出すこともありました。
 すると、「2枚が4枚だから…」と幼い息子は指折り数えて、「わかった!6枚!」と答えるんですね。自信満々で。
 それで、切ってみて1枚ずつ数えると8枚あります。「なんでなんで!?」となり、本人も自分で数えてみるけれど、やっぱり8枚ある。
 うーと考え込んでいた彼が、次の日の朝ご飯のときに「お父さん、4枚と4枚だから8枚なんでしょ」と急に言い出したことを覚えています。
かけ算のカンが芽生えた瞬間です。

積み木で遊ぶ 平面と立体の空間認識力アップ

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モチーフづくり遊び

子どもの好奇心の芽を発見できる
 知育玩具の元祖といえば積み木です。中学受験熱が高まってからは、その前段階の才能育てとして積み木教室も根強い人気があります。ただ、積み木は昔からの定番で、誰でも知っている身近なものですが、いざお子さんと遊ぼうとすると具体的な方法が浮かばないという方も多いよう。2歳の子が4つくらい積めるようになったけど、そこからさきどう遊べばいい? 結局、積み木を部屋の隅に追いやったまま……。そんなご家庭もすぐ実践できる方法です。

 難しく考えず、最初は「積み上げて、ガッシャン」です。つくって→壊す→またつくる、という破壊と再生の過程を体感することができます。なぜそれが大切かというと、まずはそーっと積み上げてきたものをガシャーンと壊す、「静」から「動」への移り変わりを感じられること。そして何度でもつくり直せばいい、つくり直せるという体験。この、積み木だからこそ得られる感覚が情操教育的にすごくいいのです。
 だから、まずは「積み上げて、ガッシャン」で、お子さんの遊び心を刺激してあげてください。そしていよいよ、積み木の本領である「形遊び」に入ります。

さっそくやってみよう

 子どもが好きなもののモチーフを、積み木で形づくります。平面でも立体でも結構です。「○○ちゃんの好きな新幹線をつくろうか」「今日見たスカイツリーってどんなだっけ」と、遊びはじめのきっかけを渡してあげるのがコツ。

「新幹線できたよ!」「「どこに行く新幹線なのかな?」「おじいちゃん、おばあちゃんのところ!」といった会話になるといいですね。ちなみにこれは、うちのチビ鉄の突っ込みですが。積み木を積み木として教えたり遊ばせようとするのではなく、子どもがその日見たものや関心をいだいているものを再現する遊びのツールとして使えばいいわけです。

 頭に描いた図柄を具体化することで、イメージ力が高まります。うちの子ってこんなことに関心をもっていたんだという発見もできます。お子さんの好奇心の芽を見つけるのにも積み木は役立つのです。

GWや今後外遊びが出来ない時にお役立てください。


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