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UX検定基礎とは?UX初学者へのおすすめの勉強法と合格体験記

2024年3月16日(土)に、UX検定基礎を受験しました。UXについての知識ほぼ0の状態から、どのように学習を進めたのか?実際の試験はどのような感じだったか?などを含めて、本記事にまとめていきたいと思います。


UX検定基礎を受けようと思ったきっかけ

UX検定基礎の受験のきっかけは、体系的にUXの知識を学ぶため、そして知識をつけたことを会社にアピールするためです。

私は現在、会社員webデザイナーをしています。今期の個人目標として「UI/UXの知識をつける」という旨の目標が設定されていたのですが、ただ書籍を読むだけでは知識がついている感覚がありませんでした。検定を受験すれば、ある程度網羅的にUX関連の基礎知識をつけることができ、かつ受験したことを組織にアピールできるのではないか、というやや打算的な思いつきで受験に至りました。

UX検定基礎の概要

試験の概要

UX検定基礎は、UXインテリジェンス協会が主催する比較的新しい検定試験です。

・試験名:UX検定基礎(HCD検®認定)
・試験時間:100分
・受験費用:税抜き9,900円(税込み10,890円)
・実施形式:知識問題(単一選択式:100問)+オンライン実施(自宅受験)

UX検定 | UXインテリジェンス協会

実施日

第6回:2024年3月16日(土)
※私はこちらを受験しました。

第7回:2024年7月20日(土)
13:00一斉開始予定
※2024年4月上旬申込開始予定

第8回:2024年11月30日(土)
13:00一斉開始予定
※2024年8月上旬申込開始予定

試験範囲

2024年3月現在、いわゆる対策本のような参考書は出版されておらず、主催元により4冊の参考図書が提示されています。私も全冊読みました。
また、試験範囲のシラバスも公開されているため、学習範囲は明確です。

▼試験範囲のシラバスhttps://www.uxia.or.jp/certification/202305_ux_syllabus.pdf?20230515

UX検定 | UXインテリジェンス協会


▼参考書籍(全4冊)

  1. アフターデジタル2 UXと自由

  2. UXグロースモデル アフターデジタルを生き抜く実践方法論

  3. ユーザビリティエンジニアリング(第2版)

  4. 人間中心設計入門 (HCDライブラリー)

UX検定基礎を受験する人におすすめの勉強法

今思うと反省点も多いのですが、私の実践した勉強法は以下の通りです。今後受験する方の参考になればという思いも込めて、反省点も踏まえて記していきます。

  1. 書籍を読み、重要語句に付箋を貼る

  2. シラバスに記載の重要語句を調べて理解する

  3. 重要語句を振り返る


step1:書籍を読み、重要箇所に付箋を貼る

まずは提示された4冊の参考書籍を読みました。1周目でざっくりと全体像を把握し、2周目で細かい語句をチェックしました。人によっては1周でも問題ないと思います。

本の内容と難易度を元に、おすすめの順番をご紹介します。

1. アフターデジタル2
アフターデジタル2では「本検定で言うところのUXとは何か」「昨今、なぜUXが重視されているのか」について理解します。中国の成功事例を元にまとめられており、気づきや学びが多く、読み物として面白いです。

本書では、UXインテリジェンスについての章をじっくり読みこむことをお勧めします。参考書的なまとめ方がされているわけではないため、1回読めば十分かと思います。

2. HCDライブラリ(前半 ※〜7章まで)
次に、HCDライブラリの前半を読むことをお勧めします。前半では、HCDの事例、ユーザビリティ、UX、HCDの基本について教科書的にまとめられています。前半にまとめられているUX関連知識については、シラバスに記載の語句に付箋を貼りながら読み進め、後から見返せるようにしておくのがお勧めです。

後半はHCDの具体的な実践手順についてまとめられているのですが、教科書的に淡々とまとめられているため、内容が頭に入ってきづらかったです。前半を読み終えたら、いったん次の本に移動すると効率的だと思います。

3. ユーザビリティエンジニアリング
こちらの本では、主にユーザー状況の調査法と分析法についてまとめられています。文章が非常に読みやすく、初学者の私でも理解しやすい内容だと感じました。そのため、まずはこの本でユーザー調査と分析法の概要を頭に入れることで、この後に読む「HCDライブラリ」の後半の内容が理解しやすくなると思います。

4. HCDライブラリ(後半 ※8章以降)
ユーザビリティエンジニアリングを読み、HCDの手順がある程度頭に入っていれば、内容をすらすら理解できるようになっていると思います。後半も前半と同様、シラバスに記載の語句に付箋を貼りながら読み進め、後から見返せるようにしておきましょう。

5.UXグロースモデル
1番難易度が高いと感じました。内容をしっかり理解しようとすると、結構頭を使います。時間が許すようであれば、1度ざっくりと概要を理解するために読み、2度目に重要な語句に付箋をつけながら読むことで理解度が深まると思います。時間がない方は、1巡目の段階でシラバスに記載の語句を付箋でピックアップしながら読み進め、後から見返せるようにしておくのがお勧めです。

私は結果的に全冊2周してしまいましたが、1周目の段階でシラバスに記載されている学習内容やキーワードを付箋でピックアップし、後から重要な箇所をピンポイントで振り返る形式でも十分かなと思っています。


step2:シラバスに記載の重要語句を調べて理解する

シラバスには、指定図書でカバーしきれない重要語句や学習内容が複数記載されています。実際に、試験にもシラバス以外の内容が出題されました。

それぞれの内容について、専門書を用いて勉強をする時間はなかったため、基本的にGoogle検索やchatGPTを活用して情報収集しました。調べた語句の意味は、スプレッドシートにまとめて、後から見返せるようにしておいたので、電車の中や本を開く気が起きない時にも気楽に学習を進めることができました。

UX検定基礎の勉強方法「スプレッドシートにまとめる」
スプレッドシートにまとめた学習内容

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シラバスの内容と書籍でカバーしきれない重要語句を参考書形式でまとめた、全130ページのPDF資料を販売中です。

「自分で調べて一つ一つまとめるのは面倒」「参考書があるならそれで学習したい」「試験間近なのに本が読み終わっていない」という方は、ぜひご活用ください。

UX検定基礎参考書の一部を抜粋
UX検定基礎参考書の一部を抜粋

step3:重要語句を振り返る

試験1週間前からは、自分でまとめた資料を活用しながら学習内容の振り返りを行いました。それに加えて、振り返る中で理解度が低いと感じた内容や語句については、指定の参考図書をスポットで読み返したり、インターネットで調べなおして理解を深めたりしました。

この期間中に、ある程度はシラバスの内容が頭に入っている状態になっていたと思います。

UX検定基礎を受けてみた感想

試験結果

結果は100点中94点で合格でした。

UX検定基礎結果

試験の内容

それなりに本気こいて勉強したためか、試験自体はそこまで難しくは感じませんでした。
試験時間は100分間でしたが、45分程度ですべて解き終わりました。解き終わった後に自信のない問題に戻って考え直したりする時間を含めても、60分程度で解き終わりました。

個人的に「難しいな」と感じたのは以下の2点です。

  • シラバスに載っていない用語も出題される

  • 読解力を問われているような問題が複数ある

「こう解釈したらCだけど、別の解釈ならBだよな」と、選択肢の意図の捉え方に迷う問題が数問ありました。結果どこが正解でどこが間違えていたかは分からずじまいですが、仮に上記2点の問題を全て間違えると仮定しても、しっかりと勉強していれば80点は越すのではないでしょうか。

試験をどう活かすか

私はwebデザイナーをしているため、一部の内容(ユーザビリティ、エキスパートレビュー、行動経済学、認知心理学の知識など)は、すぐに仕事に活かすことかできそうです。

一方、UXデザインについての内容は、組織改革を伴うものや業務の中での実践が必要なものも多く、今すぐ自分の仕事に直結させるのは難しそうです。

ユーザー調査や定性分析、行動データ分析を自社のサービス改善に活かすことは重要だと思うので、そういった業務に携わる機会があれば、今回学んだことを活かしていきたいと思います。

以上が、UX初学者がUX基礎検定を受験してみた感想です。書籍を読むだけではなかなか知識が定着しない分野だと思いますので、試験を受けることでUXについて体系的に学ぶのは大いにアリかと思います!


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