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國文研部録 「私が惹かれた歌詞紹介」/灰染よみち

 作詞って難しいですよね。そんでもって普通の詩も難しい。こんにちは、灰染よみちです。國文研部録ではFile1も担当していましたが、あれは説明回のつもりなので個人回としては初という認識です。どうも、お久しぶりです。

 ただ今、大東祭にて配布する『飄々』の制作が落ち着いてきたところではありますが、文学フリマのことも考えると結構大変な時期で、部員みんな結構忙しくしております。ここらが頑張りどころ。
 さて、そんな部誌『飄々』にて、自分は今回詩を書かせていただきました。こういうのもね、いつかは書きたいと思っていたんですよ……。個人的には中々に良い出来になったのではないか、と思っております。大東祭、いよいよ来週ですね。ご都合の合う方、読みに来てもらえますと嬉しいです!

 そして今回のブログの内容ですが、詩とはすなわち詞でもあるということで、個人的に惹かれた歌詞を紹介していこうと思います。私も実は作詞をやったことはあるのですが(とはいえ片手に収まる程度)、音楽としてちゃんと形になるようにしつつ言葉を当てるのって凄く大変で。だからこそ素晴らしい歌詞ってそれを乗り越えて生み出されたフレーズであって、自分にとって凄く尊敬する対象なわけです。ということで、今回は取り敢えず1つ、歌詞を紹介していきます。
 好きな音楽紹介みたいなのは過去に岸根さんがやられていたんですが、こと國文研部録では内容被りみたいなことも恐れない方針でやっていくという意志を見せたいところ。尤も、曲の紹介ではなく歌詞の紹介なので厳密には被ってないですが。それでは、早速紹介に移っていきましょう!


『掛け捨て譲歩』/saikawa

一箇月はそう 大抵2,3日余分にできているもので
大きな話し合いで築いた
月の妥協が成し得た 人は異常だ

『掛け捨て譲歩 - 藍沢 落夏』歌詞

 さて今回紹介させていただくのは、saikawaさんの『掛け捨て譲歩』。正確にはsaikawaさんが藍沢落夏さんという方に書き下ろした楽曲ではあるのですが、今回は歌詞の紹介ということで作詞者(及び作曲者)のsaikawaさんの名前で紹介させていただきます。

 この曲の歌詞、凄くないですか!? 引用部分の直前に「雨も止んで どこかには月が出ているのだろう」からBメロ、そしてサビに繋げていくのですが、ここから「月についての話題」を挙げて「人は異常だ」を導いているのです。それが恐ろしいほど自然で綺麗。
 元々日本では太陰暦が使われていました。これは月の満ち欠けを基準にして1ヶ月を定めているのですが、今では太陽暦を用いていますので1ヶ月間と月の満ち欠けはピッタリとは一致しません。「大抵2,3日余分にできている」。これは単なる事実です。ですがここから「月の妥協」という擬人法、そして「月を妥協させるほどの人間の異常性」をサビの前半に描いているのです。
 詩として凄く綺麗ですよね。月の壮大な存在感を前に出しつつ、その上で月<人間の構図が成立するから、人間の異常性がより際立つ。この歌詞を思いつくことが出来る、その発想力には思わず脱帽してしまいます。

 saikawaさんは「発想力の天才」だと勝手に思っていて、しかも日常でふと気がつくような雰囲気の発想で勝負しているという印象です。だけど、普通に生きていると思いつきそうで思いつかない。「1ヶ月は月の満ち欠けを基準にすると数日余るな」という気づきは思いついても、そこから「月を妥協させた人間って異常だよね」とまでは中々いかない。考える力、発想を膨らませ展開する力が凄く高いのだろうなと感じさせられる、そんな方だと思っています。なので、こと歌詞に限定するならsaikawaさんが一番尊敬しているんですよね。自分もいつかはこういう歌詞を書きたい、そう思わせてくれる方です。

 ちなみにsaikawaさんの曲だと、他には『詩に還る』の「落雷を打つ雲にだって理由があって 落ちた雷にだって」、『鼻が長ければゾウなのか?』の「「自分らしく」ってまるで僕が僕じゃないみたいじゃないか」もお気に入りです。もちろん、曲としても素晴らしいので、是非聴いてもらいたいです!

↓紹介した曲はこちら!


 それでは今回はここまで。恒常化するほどこのブログ高頻度では出さないし、担当が自分ばかりになるのは絶対に良くないのですが、どこかでもう1回くらいはやりたいかな。それかブログの最後にオススメの曲を載せるとか……。
 みなさんのオススメする歌詞とか曲とかはありますか? 大学の部活動の公式なブログって感じなのでコメントするっていうのは少し気を揉むかもしれませんが、個人としては気楽に残してくれると嬉しいです。いや、その前に閲覧者が増えないと、とは思いますが。みなさんが気を揉む必要はないんですよー、とだけ。

 では、最後までお付き合いいただいて、ありがとうございます!
 大東祭あるいは文フリ、そうでなくてもまた何かしらの記事でお会い出来れば幸いです。それではまたどこかで。

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