【解説】AXE FX IIでのPolyphia(2016年まで)ギターの音作り
初めまして !
モダンギターインストバンドが大好きなDaichiと申します。
以前自分がどっぷりはまっていたPolyphiaのギターの音作りで色々気づいたことがあったので、ノートで紹介したいと思います。
また、これを機に今後ギターや音楽を通して気づいたことを記事にしていきたいと思いますので、気になった方はこれからもどうぞ暖かい目で読んでいただけますと幸いです(´◉◞౪◟◉)
今回研究した曲はRenaissanceというアルバムに入っているCrushです。
1.使用機材
Guitar :Ibanez RG8550MZ
Pickup: Bridge - Dimarzio Super 2
Middle - Dimarzio True Velvet
Neck - Gravity Storm
Strings:Elixir Optiweb 09-42
Pick:Dava Pick
Cable:Oyaide QAC-222G
AXE FX II XL+
2. 各プリセットの設定
Crunch Tone
Input Gate
ノイズゲートは基本的にオフにしています。
どうしてもノイズが気になる場合は、必要最低限度でスレッショルドの値を上げていくと良いかと思います。
Compressor
低音ブリッジミュート時の音量の飛び出しが気になったため、うっすらとコンプレッションをかけています。
AMP
以下のredditの記事で、ティムが自身のプリセットについて言及しています。
https://www.reddit.com/r/progmetal/comments/49we3j/when_this_post_is_30_minutes_polyphia_will_be/
boutique 1を使用しているとのことですが、実際に試したところ歪みの質感がboutique 2の方がよりしっくりきたため、boutique 2を選択しています。
また、最も気をつけた点はインプットドライブの値です。
楽曲をよく聴いて、パラメータの値の調整やピッキングの強さなどのニュアンスを真似し、ドライブのゲイン量と質感を寄せていきました。
アンプのEQはあれこれ試しましたが、結局一周回りすぎてほぼオール5になりました。そこから気になるところを足し引きして調整するイメージです。
Cabinet
キャビネットの選定にはとても時間がかかりました(トーンマッチと出会うまでは…)
様々な有料キャビIRを試した結果、内蔵のものが一番似ていたので、使用しています。
デフォルトでは低音が少し脹らみ気味だったため、うっすらと ローカットをしています。
Parametric EQ
本人たちはピッキングが強いので、似せようとすると倍音がとても出る傾向にあります。
耳がキンキンする音も同時に出てしまうため、少しハイカットをしています。
Tone Match
トーンマッチは奥が深いため、具体的なやり方は改めて別の記事にしたいと思います!
前提としてトーンマッチをする前にある程度音の質感を似せる必要があります(特にドライブ)。
また、トーンマッチにはクリアなギターのみの音源データが必要です。以下の動画でステムデータが配信(有料)されているので、こちらをリファレンス音源にしました。
この動画の9分30秒あたりからギター単体の音を聞くことができます。
Reverb
レコーディング時には リバーブはかけていません。
普段弾く時は少しリバーブがあった方が気持ち良いんだもん…
Lead Tone
Input Gate
クランチ セクションと同様です!
AMP
クランチセクションで紹介したredditの記事の通り、Soldano 100をモデリングしたSolo 100 Leadを使用しています。
一番重要なポイントは、Boost/Fat/Bright Switchをオンにすることです!
彼らの音は、チューブスクリーマーをかました様な所謂チュクチュクサウンドですが、AXE内のそれを使用すると質感が少し離れてしまいます。
これらのスイッチをオンにすることで、本人たちの様なチュクチュクしているものの芯がある音になります。
Parametric EQ
自分のギターはローミッドが比較的強い特性があるので、ほんのりローミッドをカットしております。
Cabinet
非常に質感が似ていた、PeripheryのギタリストMisha MansoorのキャビIRを使用しています。すいません、ただの大ファンです。
Tone Match
クランチセクションと同様に以下のリファレンスデータで行いました。
Parametric EQ2
トーンマッチの後の微調整をしています。
Solo Tone
Input Gate
全く同じです!
Drive
リードトーンではチューブスクリーマーを使わないことをが近い音につながりましたが、boutique 2のアンプ側ゲインだけではどうしてもソロのドライブ感に届かなかったため、チューブスクリーマーモデルのドライブをミックス 40%でかけています。
AMP
ソロのトーンはリードの音とは少し異なります。
スコットはサビのリードトーンと同じサウンドですが、ティムはクランチの音色をベースに少しドライブを上げています。
Parametric EQ
ティムはピッキングのニュアンスに特徴があり、ハイがかなり強く出ているようです。自分も寄せているつもりではありますが、それでも少しハイのパンチ感が足りなかったため、2000khz辺りを大きなQで2.5db上げています。
Cabinet
クランチセクションと同様、内臓のIRを選択しています。
Tone Match
ソロのリファレンス音源はURM Academyのステムデータを購入しないと聴けなかったので、気になる方は円安がもっと進む前にぜひ試してみてもよろしいかと思います。
3. 弾き方
最初のクランチセクションではピックアップはネックとミドルのハーフを選択しています。リードトーンのセクションではピックアップはブリッジです。ソロパートでは、スコットはブリッジに対して、ティムはネックのピックアップを選択しています。
本人たちは、思ったよりも強くピッキングやビブラートをかけております。ハンマリングやスライドなど、細かいニュアンスをつけているため、丁寧に聴きこんで真似しました。
4.完成した音
サウンドクラウドに、スコットパートを弾いてくれた友人と本プリセットを使用してレコーディングした音源をアップロードしましたので、ぜひ聴いてください!
5.プリセット
上記ドロップボックスからダウンロードしてみてください!
6.まとめ
大好きなギタリストの音に近づきたい一心で、試行錯誤しながら何度もレコーディングをしていました。その結果、トーンマッチを使用することが一番音が近づくことが判明しました。
とはいえ、音作りはご存じの通り終わりのない沼ですので、自分の音というものを探すことが大事であることを気づかせてくれました。
ここまで読んでいただきありがとうございました!少しでもお役に立てれば幸いです。
トーンマッチの具体的なやり方、寄せ方のコツなどを次回の記事で書いてみようと思います。
AXE FX IIIが出てから数年たった今ですが、まだAXE FX IIのこともみなさん忘れないで上げてください!名器だと思います!
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