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セカンドキャリアについて考えたこと

長文ファンの皆様おはようございます。

昨日、宇野常寛さんとお話しさせてもらった時に「私って社会から見てどんな人間に見えますか」とご質問しました。この人は鋭いと思う方には大体この質問をするようにしています。

そうすると「為末さんは実はセカンドキャリアの人じゃないですかね」とおっしゃいました。これは今まであまり返ってきたことのない返答で、これについて1日考えていました。

確かに私は25年どっぷり陸上競技で、その後違う世界に行きました。うまくいっているかどうかは怪しいですが、ともかく違う世界に立ち位置を移してはいると思います。

セカンドキャリアは「ある領域で一定期間適応してきた人が、違う領域に移ること」と定義できそうです。そう考えると、アイドルのセカンドキャリア、音楽家のセカンドキャリア、サラリーマンのセカンドキャリアなどいろいろありそうです。

さて、セカンドキャリアがうまくいくかどうかは、つまるところアンラーンにかかっていると思います。

人間は学習する生き物です。むしろ学習することを避けられません。ぼーっと漫画を見ていても、一定量超えるとパターン認識をし、次の展開の予想がつくようになります。繰り返せば人は学習します。

しかしこのパターン認識がうまくいくのは、ある領域においてです。違うところに行けばまた違うパターンが待っている。セカンドキャリアとは、前の世界に適応した自分を一旦リセットし、次の世界に適応し直す作業だと思います。

ところが人間は癖を自分で認識することが難しく、自分で気づいていないことが多いです。また、成功体験があるとより強固に癖に固執します。

「自分はこんな癖を持っている人間だ、これを変えたい」と思いさえすればあとは時間が解決すると思います。問題は、うまくいかないことが自分の癖にあることに気が付かないパターンです。

癖に気づいて捨てるなら、前の世界で学んだことを全て捨てるのかというと、そうではないし、捨てられないと思います。人間は忘れようと意識しても忘れられるようにはできていません。必ず何かは残っています。

前の世界で学んだことを抽象化し、それをブリッジして新しい世界に最適応する。これがセカンドキャリアのコツだと思っています。

前の世界で学んだことを理解するには「職業名を使わずに何をやっていたか説明してください」が一番わかりやすいと思います。

スポーツの名前、営業職、企業名役職名を使わずに、何をやっていたかを説明する。この中に何に適応していたかが潜んでいると私は思っています。

そうすると夜に友人の元日南市長の崎田さんにお会いしました。首長を志す方を支援されているそうで、それを伝えていきたいというお話しでした。

すぐ人の話をパクってしまう私は午前の宇野さんとのやりとりを経て、19時のパーティーの際に「首長という単語を使わないとしたら、何をされていたのだと思いますか?」とご質問しました。

人の知恵を拝借するのもセカンドキャリアでは大事なことです!

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