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「頭がいい人は難しいことをわかりやすく説明することができる」は本当だろうか

長文ファンの皆様おはようございます。

「頭がいい人は難しいことをわかりやすく説明することができる」とよく言われます。ある程度はそう言えそうなものの、やはり難しいことはどんなに説明上手でも理解が難しいこともあり得ます。

これは「わかることと、わかった感があることは違う」ところからやってきていると思います。どちらかというと「わかった感」の話をしていると思います。ではわかった感はどう生み出されるのでしょうか。

人がわかった感を持つために大事なのは、「理解できる程度に単純化されること」です。私たちが何かを説明する時、ある部分、ある見方、ある考えに着目しています。全体を全体のまま説明することはあり得ず(情報量が膨大すぎる)、焦点を当てて説明します。説明自体がすでに全体から切り取る行為なわけです。

そうだとしても一定の複雑さはあり、厳密に説明すれば情報量は増え、理解は困難になります。そこで枝葉の刈り込みを行い、寛容な部分を単純化していきます。
この単純化が、他者の理解できる程度と一致した場合「わかった感」が生まれます。

誰にでも説明がうまい人はこの単純化のチューニングが上手いのだろうと思います。ただし、単純化は複雑さをカットしたものです。やればやるほど情報量を削ぎ落とします。そこで生み出される「ああ、そうだったのか」は説明している人がわかっている世界とはやはり違います。

普通は、「わからない」から「わかった感」を経て「わかった」まで至る、その間にいるのだと思います。大事なことは「わかった感」はあるけれど「わかった」わけではないことを自覚し続けることではないかと思います。

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