精神を病む妹と、その家族ー4ー
妹の家は、私が暮らす実家から電車で約30分。近いといえば近いのだが、会わなくなればそのまま一生会うことなく過ごせてしまう距離だ。実のところ、この日が妹の家を訪ねた最初だった。
駅からスマホの地図を見ながら、曲がりくねった細い路地を進む。取り壊された古い住宅1軒のあとにはおそらく、今どきのコンパクトな住宅2,3軒が収まっていそうだ。隙間なくびっしりとマッチ箱のような住居が立ち並ぶ光景に息が詰まりそうになる。
もうこの辺りのはずなのに、なかなか家にたどり着けない。葉っぱにぎ