サプライズがもはやサプライズにならない中年夫婦
夫と話をしていて何かの拍子に「ドム・ヘミングウェイ(映画)が見たいんだけどNetflixにないんだよね」と言うので調べてみたら、図書館にも置いてないしストリーミングサービスにもなさそう(有料レンタルは出来るみたいだけど)だったのです。
じゃあサプライズでDVDを頼んじゃおうっと!と思い、ネットでオーダーして届くのを楽しみに待っていて、郵便受けに配達されたという通知が届いたから「ねえねえ、郵便取りにいこー」と普通を装ってふたりで郵便受けをチェック。
届いた荷物を取り出して「サプライズだよーん」と言って渡したら「あ・・・うん、ありがとう」とだけ。えぇーーーーーっ。
「なんかさ、もうちょっと驚いたふりとかはできないわけ?」と言うと「いやーだってもう封筒触った感じがDVDだろうなって感じだったし、こないだこの映画の話してたからすぐにあぁ、あの映画かなぁって見当がついたよ」と言われてしまいました。
いやいやそうじゃなくてさ、演技でもいいからさ、「えぇーなんだろう?本かな?開けてみてもいい?・・・あぁっ、これこないだ話してた映画のDVDじゃん!見たいと思ってたんだよね、うわぁありがとう!愛してる!」くらいの反応は出来ないのかね。
などと言いつつ、なんだかんだふたりでそのあと一緒に映画を見たわけですが。
ちなみにこの映画。ジュード・ローが珍しく超はじけているコメディで、アクションもロマンスもシリアスも出来るのに、こういう映画も出来るなんて俳優さんって本当にズルいわぁと思わせる一本です。ありえないくらい下品で言葉が悪いジュード・ローを見たい方はぜひ。
こういうサプライズって、結婚した当初は予想もしてないからおそらく本当にサプライズで嬉しいし、びっくりしてくれたけど、十年以上一緒にいると「旦那が見たいと言った映画をヨメが覚えていて、旦那の知らないうちにこっそりと手配している」というくらいじゃあまり想像の斜め上を行けなくなっているのよ。しくしく。
昨日も夫の好きなビールをターゲットでこっそり買っておいたのに「あぁ、買っておいてくれたんだー」くらいの反応で終わってしまいました。くぅーっ。
こうやって先回りしてなんでも手配してるとそのうちにそれが当たり前になっちゃうのかもしれないですね。こうなってくるともう「次はどんなサプライズを仕掛けてやろうか」と思っちゃうんだけど。
ちょっと前に「夫が帰ってきた時に玄関先で死んだふりをしている妻の話」が流行ったけど、あれももしかして似たような状況だったのかしらと他人事ながら思ってしまったりして。
世の男性諸君、もっと妻の仕掛けるサプライズには大げさなくらい驚いてくれてもいいんですよ。いや驚かなくてもいいから驚いたふりくらいはしようや。
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