過去との再会
昔のことは前世みたい、と感じていた。
でも本当は、前世という言葉を使って、過去の自分と今の自分を切り離したかったのかもしれない。
できるなら、なかったことにしてやり直したかった。
今の自分は好きだけれど、過去の自分は好きじゃない。
ゆるせない過去の自分がたくさんいた。
でも、未来で出会った人が、私の手を引いて過去に連れて行ってくれた。
過去は前世なんかじゃなかった。
過去は今此処にちゃんと在った。
私が勇気を出して過去の前に進み出ると、過去は両手を広げて私を抱きしめてくれた。
懐かしくて、あったかくて、涙が出た。
浅はかでも、未熟でも、ダサくても、卑怯でも、醜くても、大馬鹿野郎でも
幸せになりたくて、幸せにしたくて、必死に頑張って生きていたあの頃の自分。
ゆっくり、ゆっくり、また過去と出会っていこう。
未来と出会っていくのと同時進行で。
いつか過去と未来が繋がって、一つの大きな輪っかができるまで。