労働のアウトプットを何に置くか

少し釣り記事ですが、気になる記事を見つけました

「仕事速いけど、業務時間中ゲーム」の社員、クビにできる? 働き方改革の本質

労働問題にくわしい倉重公太朗弁護士が、働き方改革における労働生産性の定義の重要性や、過去の勤務時間ベースでの評価の見えざる"闇"についてお話されている記事です。お話されていた言葉として、以下の言葉が印象的でした。

「最近もこんなツイートが話題になっていました。いつも定時で帰っているから暇なんだろうと、派遣社員の契約を切ったところ、実はエクセルなどで作業を自動化していたことが分かったと言うんです。
これが本当だったら、誰よりも優秀な人材を失ったことになりますよね」

この逸話に関連して、個人的に感じるのは
・可視化されている努力の時間とアウトプットの総和に直接の関係はない
・しかし人は自分にとって評価しやすい可視化された努力の時間を重んじる傾向がある(アウトプットにではなく、アウトプットへの"やった感"を評価する傾向がある)

ということです。

1つ例を。
あるパートナーさん(例えばトヨタ自動車)と、新規事業の案件を検討中。
新規事業のテーマと方向性は決まっていて、子細な条件を詰める所。アポを取って先方のニーズをくみ取り、結実できるかすり合わせるところ。1回で方向性を決めたい。さて、みなさんどれくらいでできますでしょうか。

私の所要時間は以下です。
・チャット1本(3分、当日)(ア)
・電話/ビデオ電話(5-15分、当日または翌日)(イ)
・口頭説明だけの訪問(60分、当週内)(ウ)
・上司の承認付き資料ありの訪問(10時間、2週間後)(エ)

何がいいたいかと言いますと、、、
人間関係ができていればチャット1本でできるパートナーさんへの相談を、わざわざ、2週間後にアポとって、のべ10時間くらいかけて、資料作って、上司のレビューしてもらって、わざわざ往訪して相談する人がいるんですよね。

単純比較の是非はありますが
・アは、3分でできる
・エは、10時間(あるいはアポまでの2週間)かかる

とすると、アは、イの200倍生産性高い

しかし、もっと残念な事実は、アの努力が、エの200倍評価されることは極めて稀、ともすると、エの方が評価されるのが私の周りの日本企業のマジョリティーに思われます。

汗をかくことを評価する人は、いっそ
・電車を使わず走って通勤する
・電話やチャットではなく筆書きの手紙で勤怠連絡をする
など、徹底的に汗をかいたらいんじゃないかな、と思うのですが。
ここまでわかりやすい事例であればわかるものの、人はついつい、アウトプットに対してではなく、アウトプットに向けた努力・ひたむきさ・やった感を評価しがちです。

あなたのチームの周りにいる、汗をかかない努力をしているように見えているあの人、不真面目な愚か者ではなく、効率的な努力家かもしれません。
あなたも働き方を見直してみてはどうでしょうか?

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