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ビタミンEまとめ

こんにちは!
体調不良・病気で苦しむ人を1人でも減らしたい
東大薬学部卒アンチエイジングアドバイザー
福嶋大介です。

今回は「ビタミンEまとめ」というテーマで解説して行きます。


●ビタミンEの役割

ビタミンEは脂溶性ビタミンであり、体内のさまざまな生理的プロセスにおいて重要な役割を果たしています。以下はその主な機能です。

  1. 抗酸化作用: ビタミンEは強力な抗酸化作用を持ち、細胞を酸化ストレスから守ります。これにより、細胞膜や細胞内の脂質が酸化されるのを防ぎ、細胞の健康を維持します。

  2. 心血管健康: α-トコフェロールは低密度リポプロテイン(LDL)と結合し、酸化を防ぎます。これにより、動脈硬化や心臓病のリスクが低減します。

  3. 免疫システムのサポート: ビタミンEは免疫細胞の機能をサポートし、感染や炎症から身体を守る役割を果たします。

  4. 細胞の保護: 細胞膜や細胞内の構造を保護し、細胞の健康な機能を促進します。これにより、老化や様々な疾患から細胞を守ります。

  5. 神経保護: ビタミンEは神経細胞を保護し、神経伝達物質の正常な機能を維持します。これが神経系の健康に寄与します。

  6. 抗炎症作用: 炎症反応を和らげ、慢性的な炎症の発生を抑制する助けとなります。

  7. 血流の改善: 血管の拡張をサポートし、正常な血流を維持します。これが血行系に対する利点をもたらします。

ビタミンEはこれらの多様な機能を通じて、身体全体の健康とバランスを維持する重要な栄養素です。

●ビタミンCとビタミンEは共に戦う仲間

ビタミンCとビタミンEは、ともに抗酸化ビタミンとして知られており、共同して身体の健康維持に寄与しています。以下に、両者の関係と連携について簡単にまとめます。

  1. 相互補完的な抗酸化作用: ビタミンCとビタミンEは、それぞれの抗酸化作用を補完し合います。ビタミンEが細胞膜内で脂質を保護するのに対し、ビタミンCは細胞内の水溶性領域で活発な抗酸化作用を示します。両者が連携することで、細胞全体にわたり酸化ストレスからの保護が強化されます。

  2. ビタミンCの再生作用: 抗酸化活性を発揮した後のビタミンEが酸化されると、ビタミンCがこれを再生します。この連携により、ビタミンEが効果的な抗酸化状態を維持できます。

  3. 炎症への対抗: 両者は炎症の状態で協力し、慢性的な炎症の抑制に寄与します。ビタミンCは炎症反応の調整に関与し、ビタミンEは細胞膜の保護により炎症からの損傷を軽減します。

  4. 免疫システムのサポート: ビタミンCとビタミンEは共に免疫細胞の活性化をサポートし、感染症への対抗力を向上させます。

総じて、ビタミンCとビタミンEは協力して抗酸化作用を発揮し、健康な細胞機能を維持する重要な役割を果たしています。バランスの取れた食事やサプリメントから両方を摂取することが、健康促進に役立つでしょう。

●ビタミンEが不足している不足の主な理由?

”糖質の過剰摂取”です。

この理由が、現代社会で一番主な理由です。
白米、パン、パスタ、シリアル、クラッカーなどの精製された炭水化物の摂取によることがほとんどです。

●糖分の過剰摂取でビタミンEが不足する理由

  1. 食事の偏り:

    • 現代社会では、加工食品や精製された炭水化物が豊富に摂取される傾向があります。これにより、ビタミンEが豊富に含まれる食品であるナッツ、種子、植物油、緑黄色野菜などが不足しがちになります。

  2. 栄養バランスの崩れ:

    • 精製された炭水化物は主にエネルギー源として摂取されるため、その他の栄養素が不足しやすくなります。ビタミンEは脂溶性ビタミンであり、脂質を含む食品からの摂取が必要です。過剰な炭水化物中心の食事は、脂質の不足を招き、ビタミンEも不足しやすくなります。

  3. 吸収の競合:

    • 糖質を過剰に摂ることで、腸内の栄養素の吸収が競合することがあります。脂溶性のビタミンEもこの吸収競合の影響を受け、効率的に吸収されなくなる可能性があります。

  4. 抗酸化作用の必要性:

    • 過剰な糖質摂取は酸化ストレスを増加させることがあります。ビタミンEは抗酸化作用があり、細胞を酸化から保護する役割があります。したがって、糖質の過剰摂取により増える酸化ストレスへの対抗として、ビタミンEの需要が高まります。


●ビタミンEは細胞を通り抜けることができる

ビタミンEが持つ「細胞を通り抜ける」特性について解説します。

  1. 脂溶性ビタミンの特長:

    • ビタミンEは脂溶性ビタミンに属しています。この特長的な性質により、通常の水溶性ビタミンと異なり、細胞膜などの脂質で構成された障壁を比較的容易に通り抜けることができるのです。

  2. 細胞内での活躍:

    • 細胞膜を通り抜けることができるため、ビタミンEは細胞内に入り、その中で酸化ストレスから細胞を保護する抗酸化作用を発揮します。これにより、細胞の機能や構造を守り、健康な状態を維持します。

  3. 全身に行き渡る駆け引き:

    • 血流に乗って全身に運ばれるビタミンEは、細胞同士のコミュニケーションにも一役買っています。特に、低密度リポプロテイン(LDL)と呼ばれるコレステロールを運ぶプロテインと結びつき、動脈硬化などの予防に寄与します。

  4. 抗酸化作用:

    • ビタミンEが細胞内に浸透すると、その抗酸化作用が発揮されます。細胞内で発生する活性酸素種などから細胞を守り、細胞の老化や損傷を防ぎます。

●トコフェロールの歴史:αからの飛躍的進化


長らく、トコフェロール(ビタミンEの一群)に注目が集まると、その主役はα-トコフェロールだけかと思われていました。

しかし、歴史の中で新たな発見と研究が進むにつれ、他のトコフェロールも同様に重要であることが浮かび上がりました。

  1. α-トコフェロールの優越性:

    • 1920年代の研究を皮切りに、長らく、α-トコフェロールがビタミンEグループの中で最も有力であると考えられていました。その抗酸化作用や生体内での優れた活性が、他のトコフェロールに対する注目を薄れさせていました。

  2. 他のトコフェロールの発見:

    • 最近の研究により、γ-トコフェロールやトコトリエノールなど、他のトコフェロールも同様に重要であることが判明しました。これらは、特に抗酸化作用や特定の健康効果においてα-トコフェロールとは異なるポテンシャルを持っています。

  3. 多様性とバランスの重要性:

    • さらなる研究が進む中で、ビタミンEとしての効果を最大限に引き出すには、α-トコフェロールだけでなく、他のトコフェロールとのバランスが重要であることが明らかになりました。特に、γ-トコフェロールは炎症抑制や特定のがん予防などにおいて注目を集めています。

  4. 総合的なアプローチ:

    • 現代では、単一のトコフェロールだけでなく、ビタミンE全体をバランスよく摂取することが強調されています。これにより、細胞や組織に対する包括的なサポートが期待できます。


●ビタミンE複合体の異なる成分:

ビタミンEのトコフェロールの中には重要な成分が複数あります。

  1. アルファトコフェロール:

    • 肝臓で主に利用され、この抗酸化物質はLDL(低密度リポプロテイン)とともに移動します。

    • LDLはコレステロール、トリグリセリド、ビタミンE、他の脂溶性ビタミンを運ぶ蛋白質であり、動脈を保護し、コレステロールの酸化を防ぎ、心臓病や脳卒中のリスクを減少させるのに役立ちます。

  2. ガンマトコフェロール:

    • この抗酸化物質は喫煙に対する保護因子を持っています。ただし、喫煙すると同時にこの抗酸化物質が減少します。

    • 特定の病気のリスクを減少させ、動脈をサポートする役割もあります。

  3. トコトリエノール:

    • コレステロールや脂質のサポートに役立ち、乳がんの発症リスクを減少させ、肌の健康に非常に重要です。


●トコフェロールを含む食べ物

トコフェロールは様々な食品から摂取できます。以下はトコフェロールを豊富に含む食品の例です。

  1. 小麦胚芽油(Wheat Germ Oil): トコフェロールの主要な源であり、特にα-トコフェロールが豊富に含まれています。

  2. 種子(Seeds): さまざまな種子にはトコフェロールが含まれています。特に、ひまわりの種、アーモンド、ヘンプシード、チアシードが挙げられます。

  3. ナッツ(Nuts): アーモンド、ヘーゼルナッツ、ピーナッツなどがトコフェロールを提供します。

  4. 野菜(Vegetables): ほうれん草、ブロッコリー、トマトなど、一部の野菜にも含まれています。

  5. 食用油(Edible Oils): 一般的な植物油、特に大豆油やオリーブ油にも含まれています。


以上です。
ありがとうございました。

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