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何もない私たちの会社の仕事内容
私たちの会社には、普通の会社には当然のようにあるものがないという記事を3回にわたって書きました。
普通の会社にあって、私たちの会社にないもの①
普通の会社にあって、私たちの会社にないもの②
普通の会社にあって、私たちの会社にないもの③
そこでは、以下の15個がないということを書きましたが、その状態はこの記事を書いている現時点でも続いています。
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そして、恥ずかしながらこの15個もある「ないもの」のつながりを図にしたのが以下になります。
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そして以前の記事には、私たちの会社は、中小企業やベンチャー企業のかかりつけ医のような仕事をしているとも書きました。
今回は、そんな何もない私たちの会社が、中小企業やベンチャー企業のかかりつけ医を標榜しながら、お客様に対してどんな仕事をしているかについて書きたいと思います。
私たちの会社の仕事の始まり方
まずは、私たちの会社の仕事の始まり方について書きます。
私たちの会社には、いろいろなものがないのですが、サービスメニューがありません。
なので、(残念ながら)こちらから提案できることもありません。
そうなると、いつでも私たち起点ではなくお客様の会社起点で、
これが足りない・これが欲しい
ここをこうしたい
もう少し早くしたい
もっと分かりやすくしたい
そもそもわが社はどうしたらいいだろうか
というちょっとした、でも大切な課題や切迫した悩み事に向き合うことから始まります。
まずはそれをお聞きしたうえで、私たちならどうできるか考えるところから始まります。
ここで、このような相談をたくさんしていただけるということがポイントなのですが、なぜ相談していただけるかという理由についての私なりの考えは、1つのテーマとして別の記事(←その記事を書いたら太字の部分にリンクを貼ります)に書きたいと思います。
仕事にする(なる)ときとしない(ならない)とき
さて、全てはお客様の会社の悩みを聞くことから始まるので、どのような内容なのかは、聞いてみないと分かりません。
(毎回、いい意味で一番わくわくする瞬間でもあります)
大前提として、相談いただいた内容については、私たちなら何ができるかということを真剣に且つなるべく前向きに考えます。
ご相談の内容が、①これまで私たちがやったことがあったり、②やったことながくても、明らかに私たちの会社の社員で対応できそうなことだったりしたら、そのまま仕事としての具体的な提案(業務内容や期間や金額など)に入ります。
仕事をさせていただければ、それによって私たちの会社の社員が成長でき、また会社にはその仕事が経験として蓄積されます。
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一方で、お聞きした結果、残念ながら私たちではできませんということもあります。
その理由としては、
③私たちの会社の事情が原因(社員の空き具合や力不足)である場合と、
④さすがにそのご要望は誰でも無理なのではないかという場合
があります。
まず、誰でも無理な相談という④に関しては、何もできなくても致し方ないと思うほかないです。
でも、せっかく相談いただいたのだから、もう関わらないとしても、なるべくその後の方向づけや行動が見えるような話はしたいと思います。
なぜなら、仕事にする(なる)かしない(ならない)かはこちらの事情であって、相談したい内容があることには変わりがないからです。
そして、相談内容が、③の私たちの会社の事情が原因である場合には、せっかくなのに申し訳ないなという気持ちになります。
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将来の仕事へのヒントにする
本当は、私たちにできる相談(=仕事としてできるもの)のみを聞ければ、とても効率的ですし、相談していただく方にも迷惑が掛からないはずです。でも、サービスメニューにもできないような、非常に広い範囲の相談をお聞きするため、どうしても私たちがカバーできないことも出てきてしまいます。
でも、この私たちがカバーできないことこそが重要となります。
ここに、私たちが次にすべきことのヒントが詰まっているからです。
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そもそも、私たちの会社がいただくご相談は、その全てが私たち起点ではなく、お客様起点のご相談です。
ということは、私たちがカバーできなかったことも、全てがお客様が必要としている内容です。
今後、私たちがもっと価値あるものを提供していくためには、「私たちの会社ができること(対応可能な業務)」を拡張し、カバーできなかったことをカバーしていけばいいことになります。
以下の図のように、「自分たちができること」を増やしていくことで、確実にお客様の需要がある方向に、①の部分を拡げていけることになります。
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それはつまり、かかりつけ医(町医者)のお医者さんが、
「最近こういうことで悩んでいる患者さんが増えてきたな」
と感じて、治療できるように勉強したり、新しい医療器具を導入したりして、診療可能な病気の範囲を拡げていくことと同じです。
仕事の範囲を拡張した例
このように、私たちの会社では、色々な会社に相談されることをきっかけとして、ちょっとずつちょっとずつ、できることを増やしてきましたし、今後もそうしたいと思っています。
過去の一例をあげると、人材紹介がそれにあたります。もう5年以上前に、正式に有料職業紹介の免許を取りました。
そのきっかけも、お客様からの相談がきっかけです。
順調に成長を続けていることから採用を進めていかなければならない会社が、立て続けに人材紹介で痛い目に遭ったという話を聞きました。
詳細は割愛しますが、あまりに紹介会社側が杜撰でいい加減で、とにかく紹介を決めて売上が立てばいいと思っている様子でした。
その会社の社長に、こんな商売ならアトムズでやった方がいい仕事できるんじゃない?と言われました。
それから、有料職業紹介の免許の取得方法などについて調べていくうちに、どう考えても私たちの方が中小企業やベンチャー企業にとっていい人材紹介会社になれるし、それは転職する人材にとってもいいことであるはずだと考えて、有料職業紹介の免許を取得して業務を開始しました。
なんで私たちの会社の方がと自信を持てたかという理由や、どんな思いで人材紹介をしているかという思いは、改めて独立した記事として書きたいと思います。
少しだけこのテーマに寄り道すると、私たちが転職希望者に紹介する企業の多くが、その企業の実態をよく知っている企業に紹介するからです。
通常の人材紹介会社は、求人の依頼(求人票)を企業から受け取って、求職者とマッチングしますが、求人企業とのつながりは基本的には求人という接点の見であることが大半だと思います。
でも、私たちは、多くのお客様の会社に伴走していますので、財務状態や入退社の状況、そして社内の雰囲気まで、自然と企業の内情を深く知ることになります。
こうして、紹介する企業の大半は、私たちがその内情も知ったうえで求職者に紹介します。だから、通常の人材紹介よりもマッチングの精度が高く、ミスマッチが起こる可能性が少ないと実感しています。
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この記事を書いている2025年時点では、空前の人材不足と言われています。そしてこの傾向は、今後も終わることなく加速していきます。
でも、思えば私たちが有料職業紹介の免許を取得した2019年頃も、とにかく人が足りないと言われていました。
思えば、少し前に読んだ中国・唐の皇帝、太宗の言行録である『貞観政要』にも、「いまは人材がいないんです」と嘆く部下に対して太宗が、
前代の明王、人を使うこと器のごとく、みな士を当時に取り、才を異代に借らざりき。
(歴代の優れた君主は、皆その時代の人材を、相手の器量に応じて才能を使い分けたものだ)
と語ってたしなめたという記載があります。
いつの時代も人材は不足していたのですね。
それはさておき、こうやって業務の範囲を少しずつ拡げてきています。
私たちの会社が具体的に何をしているか
そうした私たちの会社は、お客様からの相談を起点に色々な仕事をしています。
各社によって少しずつやり方が違うので簡単ではないのですが、頑張って文字で列挙すると以下のようなものになります。
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(代表的なものをあげてますがこれでも一部です)
これ以外にも、悪い意味ではなく「言葉にできない」ようなこともしていますし、一口に「バックオフィス」と言っても、会社によって少しずつやり方は変わります。
もちろん、多くの会社に共通する部分もありますが、お客様の規模・業種・歴史・財務状況・社内体制・社長の思いや性格・役員との関係・社員の方の熟練度などなどによって、それぞれやり方が変わるからです。
寄ってたかって、あの手この手で
これだけの種類の仕事を、具体的にどのようにしているかですが、何も特別なやり方はしていません。
ただただ社員たちが力を合わせて、
寄ってたかって、あの手この手で
という感じで仕事をしています。
1つ秘訣があるとすれば、そういう気持ちがある社員たちがいてくれるからできているのだと思います。
以前にも書いた以下の図のように、色々な種類の形の仕事を、多くの社員で分担して仕事をしています。
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私たちの会社の社員は、日々いろいろな会社の仕事を同時並行的に行っています。
なので、普段の仕事をしているだけで、どこか特定の1社で仕事をするよりも自然とたくさんの経験を積んでいくことになります。
それで、1年経ち2年が経って振り返ると、「思えば遠くへ来たものだ」というくらい、気づけばいろいろなことができる人材に成長しています。
(あまり大きな声で言いたくないのですが、、、)
私たちの会社の社員として頑張っていれば、中小企業やベンチャー企業であればどの会社でも絶対に欲しい人材になります。
もちろん、自分はあまり多くの種類の仕事をしたくないという社員もいますので、その場合には無理なくできることをしてもらいます。
でも、仕事を通じて成長したいという社員には、色々な仕事をしてもらって、仕事をしながら自然と成長できるようにしたいと思っています。
これが、私たちの会社でのOJTによる人材育成につながっていくのですが、それもまた改めて丁寧に書きたいと思います。
おわりに
今回は、私たちの仕事はどのようにはじまって、そして具体的にどのような種類の仕事をしているかについて書きました。
前回までの3回で、私たちの会社には何もないということを書いてしまっていますので、このままだと本当に何もなく、いい加減で未熟な会社という印象で終わってしまいます。
なので、今後は、何もない私たちの会社がどのように経営しているのかということについて、営業・採用・教育などのテーマごとにも書いてみたいと思います。