壊れた世界を取り戻すためのアート
(すべては愛だとか飛躍したことを言いたいのでは無いことを前置きにして)
相変わらず自分の生活もままならぬ状態ですが、なぜこんな急激に社会のバランスがおかしくなってしまったのか。特に僕が3年前に日本に帰ってきてから感じる「日本に元気がなくなってしまった」のが何故なのかいろいろ考える日々です。
僕自身の問題も親子の問題とか、生まれ持った特性のこととか、まさかこんなに悩みながら人生を送るとは思っていませんでした。
今までの自分はその苦しさから何とか逃げようとしたり、うまく誤魔化しながら生きていたと反省することばかり(それもそういう生き方しか知らなかった。)で、ここ数年でやっと自分の一番弱い部分に向き合えるようになったと思います。
弱き者が弱き者を叩く社会、権力や富を持ったものだけがずるく立ち回れるようになってしまう仕組み、そして社会の日にすら当たらない人たちはいつの間にか抹殺されてしまう世界。これは日本でも、フィリピンでも本当におかしいと感じていました。
では、何故そうなってしまうのかと言うと、みんな「寂しい」し、「愛されたい」からなのだと自分の中で結論が出ました。
生まれた家や身分によって、人生の運命が決められてしまうのもある意味事実です。貧しい環境から身を立てて成功する人もいますが、それはほんのごく一部。何かしら恵まれた要素や相当運が良くないと、決められたステージからのし上がることはほぼ不可能に仕組まれている社会です。
努力や苦労は報われると偉い人に言われて頑張ってきたけど、気づけば搾取されていることに気づき、自分はボロボロになっていたという経験は僕自身にもあります。
僕自身が、自分は社会的弱者なのだと受け入れられるようになって、いろんな闇を身近に感じるようになりました。特に立場の弱い人たちほど、寂しさから社会の罠にはまってしまい、アルコールや薬物、犯罪の世界に陥る現実があります。
理解されない苦しみを抱えながら日常を生きることは、思った以降に孤独だし寂しさ、虚しさとの戦いです。
また立場は違えど、権力者や政治家が暴君化したりして好き勝手やったり、人の心を踏みにじったりパワハラのようなことを繰り返すのも、実は同じロジックなのだと思います。それは誰しも自分を受け入れて欲しいから、愛して欲しいからだと思います。
富める者も、貧しい者も実は同じことで苦しんでいるのがこの世界だと気づきました。その「僕を、私を分かってほしい!」という八つ当たりや腹いせのような形で権力争いや経済競争、もっと言うと殺し合いや戦争にまでなってしまいます。では何故そうなってしまったかと言うと、歴史のどこかで、人として健全に愛し愛される形がどこかで壊れてしまったのだと思います。それは日本では特に戦後くらいからだと思います。
もちろん何不自由なく愛されて、家族も仲が良くて今幸せであるならば問題は無いのですが、日本の家族はどこか壊れてしまっていたり、壊れていてもそれを隠していたり、隠していた弊害が子どもや、その子どもが大人になってから表面化してきたり、そんな家族が相当あるのが現実です。まさに僕もそういった物を背負ってしまった一人です。
どこかで親や周りとの愛のやりとりがうまくいかなかったり、噛み合わなくなってしまったことによって、それが10年後や、20年も経ってからとんでもない生きづらさや心の闇として自分に襲いかかる現象があるのは、分かる人には分かると思います。いわゆるアダルトチルドレンの問題もそうです。
ではその問題をどうすれば良いかと言うと、僕もまだ答えは出ていませんが、少し考え方は飛躍しますが、「寂しい自分」「愛されたい自分」を素直に認めることからだと思います。自分の心の闇を認める、自分の情けなさやずるさを認める、いい大人なのにまともに生きていけない自分を認める。今30代でも、40代でも、年を取っていても生きることが苦しくて寂しくて一人ぼっちの自分を認める。
ここからがスタートではないでしょうか。
この問題の根っこを見ないで、いきなり「全ては愛!」とか、スピリチュアルとかのナニモノかのパワーで問題に蓋をするのはオススメしません。(僕は過去に親の影響で宗教もやってたし、スピリチュアルにもはまっていたのでこれで大失敗した経験があります。。)で、そう言うものにはまっても、結局同じ問題のところに戻ってきます。
愛を失ったり、愛を求めて寂しい自分を認めて、そこから自分が何が出来るかを一人一人が自分の頭で考えて行動していけることが大事なのではないでしょうか。
よくそれまでは自暴自棄なことやネガティブなことを歌っていたロックミュージシャンが、ある時期から急に「愛」とか「Love & Peace」とか言い出す現象がありますが、まさにこれも、壊れた世界や愛を失った人たち、または愛を失った自分に気づいてこういったパラダイムシフトが起こるんじゃないかと思います。
壊れた世界、傷ついた世界に気づいたから、それを変えるべく行動している人たちは既にたくさんいます。なので、僕もそれに続いて自分のアート活動で何か出来ないかと考えます。
幸い、僕の絵はよく「子どもの頃の自分を思い出す」とか「子どもの頃に置いてきた感情を思い出す」みたいなことをよく感想で言って頂くことが多いです。これはまさに絵を描いている僕自身が、子どもの時に置き去りにしてしまった感情が残ったまま大人になってしまったから、こう言う絵が描けるのだと思うところがあります。
それは必ずしもネガティブなことではなく、そんな自分によって「子どもの頃の感情」を伝える役割みたいのが僕のアートにはあるのかなと思ったりします。それはまさしく「原体験」であって、子どもの頃にあった温かい感情や気持ちを持って生きることの大切さを伝えることが出来るのだと思います。
そんな僕が持ってる性質や能力を、アートという形でこの壊れた世界に種を植えたり、水をあげる作業を広げていきたいです。
この世界での自分の役割を更に掘り下げつつ、今年も作品制作、壁画、ライブペイントなど活動を広げていきます。
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