【アルビ日記】2023-19:vs広島 2-0
「アンカー脇」
試合情報
・7/1(土)18:00キックオフ
・@デンカビッグスワンスタジアム。くもり
・新潟15位、広島は6位だが連敗中
アルビレックス新潟・スタメン
GK小島享介。DF藤原奏哉、トーマス・デン、渡邊泰基、新井直人。MF島田譲、星雄次、ダニーロ・ゴメス、小見洋太。FW三戸舜介、鈴木孝司。
【途中出場】松田詠太郎、谷口海斗、秋山裕紀、グスタボ・ネスカウ、田上大地。
試合ダイジェスト
【前半】
25分、新潟が先制。右サイド、開いて受けた松田からPA角に走り込んできた三戸に斜めのパス、三戸がワンタッチでDFを抜き去り、そのまま右足を振り抜いた。3分後に新潟加点。左サイド小気味いいパスワーク、三戸から走り込んできた新井にスルーパス、新井の左足シュートはDFに当たりネットを揺らす。2-0で折り返し。
【後半】
HT、広島は2枚替えとともにフォーメーション変更。3バックに。広島が押し込む展開が続くが新潟も4-4-2のブロック堅く時折見せるカウンターでチャンスをうかがう。得点動かず試合終了。
アンカー脇から生まれる流動性
停滞ムードが続くアルビ。前節に続き4-4-2、鈴木と三戸の2トップ。
対する広島は、代名詞の3バックではなく、後ろ4枚できた。新潟対策?それとも連敗を受けての面舵いっぱい?
前半、この広島のシステム変更がアルビにとって有利に働いた。
4-1-4-1のような形の広島。最終ラインには人が並ぶものの、その一つ前、アンカー脇にスペースができやすい。
ここはアルビのサッカーで一番使いたい場所。
アンカー脇に2トップの鈴木や三戸がたびたび降りてきてボールを受け、さばく場面が増えた。FWが降りたスペースには左から小見が入ってきて相手を撹乱。ダニーロの負傷を受けて早々にピッチに入った右の松田はワイドに張り、広島の左SB・志知の後方に位置取り、左CB・佐々木のポジショニングを難しくさせていた。
アルビの前線4枚、流動性を担保しながらの絶妙なバランス。これが前半の2-0を作った。
2ゴールの崩しは、圧倒的に気持ち良く。1点目、松田と三戸の狙いポイントがピタリと合ったところ。2点目の細やかなパス交換。
ハマるととにかく気持ちいいのがアルビのフットボール。
泰基とネスカウ
気持ちよくサッカー出来ていた前半とは打って変わって、後半は広島が支配する時間が続いた。
広島が慣れ親しんだ3バックに戻し、後ろに安定をもたらした上でアンカー脇をケアするようにしたことが主要因。
3枚いることで3バックの右、あるいは左のCBが積極的に前に潰しに出ていけるようになり、また、ダブルボランチ気味にして物理的に埋めたというのもある。
◆
アルビは押し込まれたが、守らされて苦しみ喘いでいるようには見えなかった。
トーマス・デンは圧巻の個を見せていたわけだが、それに負けじと左CB・渡邊泰基も素晴らしかった。左足でのフィードが魅力的なのは当然として、CBとして必要な対人・対応力がちゃんとある。空中戦でも負けないし、ギリギリのところでのシュートブロックのタイミング、身体の投げ出し方もいい。
監督としては、CBとして育てたくなる素材だと思う。
◆
それから久々登場の大型FW・グスタボ・ネスカウ。巨躯を活かした前線での起点作りが魅力。
後ろからネスカウめがけてラフなロングボールを蹴っても、頭で競り勝つ。ネスカウが触ったボールを谷口や小見らが追い、ゴールに向かうシーンが見られた。
アルビが標榜するサッカーとは少し趣の異なる手法にはなる。なるが、これはこれで魅力的。ターゲット・ネスカウという選択肢が打ち出せると、相手も思い切ったハイプレスがかけられなくなる。
で、ビルドアップも楽になる。というシミュレーションが成り立つ。
泰基とネスカウ。後半戦、アルビのサッカーの中でどう活きるか、戦術的にも愉しみな2人。