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【アルビ日記】2023-27:vsG大阪 1-1


「ダイナミズムとリスク管理の間で」

試合情報

・9/17(日)19:00キックオフ
・@パナソニック スタジアム吹田。晴れ
・新潟15位、G大阪11位

アルビレックス新潟・スタメン

GK小島享介。DF新井直人、 トーマス・デン、千葉和彦、堀米悠斗。MF秋山裕紀、高宇洋、長谷川巧、長倉幹樹、小見洋太。FW鈴木孝司。
【途中出場】高木善朗、三戸舜介、松田詠太郎、島田譲。

試合ダイジェスト

【前半】
新潟がボールを握る展開で進むも、徐々にG大阪のペースに。34分、長倉→高でバイタルエリアを攻略し小見がミドルシュートを放つも左ポストに当たる。0-0で折り返し。

【後半】
63分、G大阪が先制。左サイドこぼれ球を拾った食野が中に切り込み、体を捻りながら打ったシュートがネットを揺らす。83分、新潟に同点弾。千葉の刺す縦パス、高木が落として三戸がワンタッチで相手DFを股抜き、そのままゴール右隅に流し込む。1-1で試合終了。

ファン・アラーノのやばさ

15節、ホームでのガンバ戦は、1-3、苦い思い出がある。

5連敗中、最下位だったガンバに機先を制され、そのままペースを握れずズルズルと試合が進んだ。

ガンバは最前線のイッサム・ジェバリを筆頭に、アンカーのネタ・ラヴィ、中盤のダイナモ、ダワンと外国籍選手が強烈。
中でも今日光っていたのはファン・アラーノだった。

ファン・アラーノは4-1-2-3のインサイドハーフで先発。攻撃時、前線にガンガン顔を出し、イヤなところでボールを受け、ガンバの動力を司るモーターの役割を担っていた。

すごいな、と思ったのは守備でのタスク。

ガンバの基本陣形は4-1-2-3だが、守備ブロックを敷くときは4-4-2になる。

このとき、後ろからポジションを一つ上げ、最前線のジェバリの横に並んで前線にプレッシャーを掛けに行くのがファン・アラーノだ。しかもジェバリより激しく人に行く。二度追いする、プレスバックする。すごい。

ファンアラーノのおかげでジェバリはそれほどプレッシングにガツガツ行かない。そうすることで、奪った後の預け先にしやすくなる。ジェバリに預けたボールを、またもらいに行くのがファンアラーノだったりする。

後半の選手交代で、ファンアラーノは左ウィング、右ウィングにポジションを移動しながら、その場その場でハイパフォーマンスを出していた。(その後ファンアラーノの役割は山本悠樹、石毛秀樹が引き継いだ)

ファンアラーノのマルチタスクとその遂行力の高さにより、ガンバのサッカーは攻守ともにかなり強度高めになっていた。

動きをつくる

ガンバが攻守のフォーメーション変更(4-1-2-3 / 4-4-2)をダイナミックに行うのに対し、アルビはそれほど動かさない。

アルビの基本陣形4-2-3-1は、両ワイドが引いてトップ下がFWと並べば、無理なく4-4-2の守備ブロックに移行できる。

これは攻守の切り替えをスムースに行えるというメリットがある一方で、ギャップやダイナミズムが生まれづらいというデメリットがある。動きや変化がつくりづらい。

その辺を打開する工夫として、アルビは、安定したボール保持を担保に、攻撃時、積極的にポジションチェンジを行う

後ろで回している間に、FWやトップ下が降りてきたり、ウィングが中にはいってきたりと、相手の守備ブロックの間に顔を出す。この日は小見洋太が左から中に入って受ける動きが何度か見られた。

だが、そうとう意識してやらないと、ダイナミズムは表現できない。ボールを受ける動きと、相手を引き付ける動き、裏に抜ける動き、ゴールに迫る動きを、場面や状況に応じてそれぞれの選手がそれぞれで判断して、やる、やり続ける。難しい。

でもそういうふうにしないと、リスクを抑えた、ただのオーソドックスなフットボールになってしまう。

もしかしたら最近のアルビのボール保持は、リスクを抑える方に傾いてきているかもしれない。

ダイナミズムとリスク管理の間で、アルビのサッカーは揺れている


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