【アルビ日記】2023-8:vs福岡 3-2
「パワープレーではみられなかったドラマ」
試合情報
・4/15(土)14:00キックオフ
・@デンカビッグスワンスタジアム。くもり
・新潟11位、福岡は3位と好調
アルビレックス新潟・スタメン
GK小島亨介。DF藤原奏哉、舞行龍ジェームズ、トーマス・デン、堀米悠斗。MF高宇洋、秋山裕紀、ダニーロ・ゴメス、伊藤涼太郎、太田修介。FW鈴木孝司。
【途中出場】小見洋太、松田詠太郎、谷口海斗、島田譲。
試合ダイジェスト
【前半】
福岡が2ゴール。17分、右で仕掛けた紺野がPKゲット、自分で決めて先制。32分、右CKから小田が頭で合わせて2点目。0-2で前半終了
【後半】
47分、左サイドからのFKを伊藤がニアに叩き込み1点返す。その後膠着状態でロスタイムへ。93分、伊藤が谷口のワンツーから強烈ミドルシュートで同点。95分、右サイド松田の突破、クロスのこぼれ球を伊藤がねじ込み逆転。伊藤ハットトリック。3-2で試合終了。
4-4-2のブロック
アビスパ福岡は4-4-2のブロック。縦にも横にもギュッとしてコンパクトな、ふとん圧縮袋のような、堅い堅い4-4-2だ。
この手の陣形は、J2時代に何度か相まみえた記憶がある。長崎とか。
DFラインまでは深追いしてこないで、2トップの守備スタート位置はボランチ付近。DFラインも高い位置どりで、全体のスペースを圧迫。
J2と違う気がするのは、奪った後の攻撃の鋭さか。
2トップのルキアン&山岸、どんどん出ていく中央の前寛之&中村駿もさることながら、この日は両ワイドの紺野和也、金森健志にキレがあった。
FC東京から来た右サイドの紺野。小兵でアジリティ抜群。福岡のメッシに翻弄された前半。
◆
新潟の狙いは意固地につないで、プレスを剥がして前進すること。悪く言えば柔軟性はなく、相手は狙い所をあらかじめ決めておける。そう、相当に苦しいのだ。
4-4-2で網をセットして待ち構える福岡。確率の高いサッカーをしていた。自陣からギリギリでかいくぐってゴール前に行くサッカーと、ハーフウェーライン付近で奪って陣形の整わない敵陣を急襲するサッカー、どちらが決定機演出の確率が高いかと言われれば、「うん、そりゃそうだよね」と頷かざるを得ない。
それでも「自分たちでボールを持つ」という姿勢は尊い。
ファイナルサードで課題があろうと、シュート数が少なかろうと、何があってもボールを持って能動的に考える、という意思は、サッカーにおける忘れてはいけない美点のひとつ。
貫いた先に
アルビは積み上げてきたものを貫く姿勢。これを継続していくしかない、というかその先に見えるものがきっとある。
何度も言うがこのサッカーは難易度が高い。ボール保持型をJ1で何年も続けているのは横浜FMと川崎Fくらい。
今季好調の神戸だって、去年まではボールを持とうとして失敗していた。
今節行われたJ2首位攻防戦では、後方からのビルドアップを目指す大分トリニータが破壊的なプレッシングの町田ゼルビアに3失点で粉砕されている。
どのチームも、一度は取り組もうとして方向転換した歴史があったりする。
◆
この日のゲームは、歴史的な展開となった。伊藤涼太郎のハットトリック、それもアディショナルタイムの2ゴールで逆転勝ち。
極上のドラマ。
これをアルビの積み上げに対する、神様のご褒美としてとらえてみたい。
アルビが1点ビハインドの終了間際、パワープレーをしていたらどうだっただろうか。
アディショナルタイムの2ゴールは、パワープレーでも生まれていただろうか。
伊藤が敵陣深くで前を向き、谷口に当ててシュートタイミングを作ったプレー。
松田詠太郎が右サイドで1対1になり、仕掛け、振り切って、クロスを供給したプレー。
この2つのプレーは、パワープレーでゴール前にボールを放り込む戦術をとっていたら、たぶん、きっと、起こらなかった。
◆
アルビが最後まで自分たちの目指す姿勢を貫いた先に、同点弾と逆転弾があった。
これからもJ1の猛者に対して、苦しむだろうが、貫いて欲しい。神様のご褒美はきっとある。
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