発見!幻のしまなみ海道フェリー航路
せとうちの旅といえば、鞆の浦、尾道、しまなみ海道。鞆の浦から尾道には観光用のフェリーが就航しているのですが、かつて無数にあった尾道、今治を結ぶフェリー航路は、今や「しまなみ海道」に架かる橋に代替され、多くが廃止されたようです。それでも「しまなみ海道」をフェリーで渡りたい!と、地図を目の皿にように探した結果は・・・。今回は、そんな旅のガイドブックにない、幻のしまなみ海道フェリー航路の旅をご案内します。
しまなみ海道とは
尾道と今治の間には無数の小島が存在し、またフェリーの航路も生活の足として無数に存在しました。これら島々の間に橋を架け、車や自転車で渡れるようにしようというプロジェクトが、1999年に開通した「西瀬戸自動車道(瀬戸内海大橋)」。通称しまなみ海道です。全長は約60kmで、車で走れば1時間ほどの道のり。橋からは瀬戸内の絶景を目にすることができ、特にサイクリングロードとしては不動の人気を得ています。
車で渡る方法
利便性だけで考えると、車で渡るのがベストかもしれません。バスの場合、尾道から因島大橋まで路線バスで渡り、そこから高速バスで今治に向かう、約1時間半の道のりです。レンタカーであれば、こうした乗り換えも不要です。時間優先の方は、このどちらかで良いかと思います。ただ今回これをしなかったのは、静かな瀬戸内海を堪能したいと思うから。実はしまなみ海道を写真で見ると、すべての道のりで海を眺められるような印象を抱きがちですが、実際はほとんどが「島」。山間部ときどき海というのが実情なのです。
複雑な航路図と時刻表を睨めっこ
しまなみ海道を船で移動したい!といざ検索すると、悩まされるのが複雑な航路図。航路は無数にあるようなのですが、どれも細切れ。また同じ島に複数の港を有する場合もあり、それらの港間は結局陸路でしか繋がっていません。どのサイトの航路図も一長一短あり、読み解くのにかなり苦労しました。次の検証は、航路模索の過程なので、結論だけ知りたい方は <保存版>しまなみ海道フェリー旅の航路はこれ! まで、読み飛ばしてOKです。
検証「尾道、今治の直行便はない」
まずシンプルな直通ルートは存在しませんでした。となると乗り継ぎになりますが、これを読み解くのは至難の業です。ただ尾道から出発する航路は、どうやら佐木島を経由して生口島の瀬戸田に行く航路しかないようです。しかし瀬戸田から先、今治に行く航路は見つかりませんでした。
検証「今治につながるルートはどこだ」
今治から見た場合、因島の土生に到達する航路が存在します。因島はかなり広島側に近いので、この土生に発着するルートを検証することにします。
検証「土生から尾道に辿り着けない」
土生から尾道へは乗り継ぎ含めて航路が存在しません。この結論に達したときは、かなりショックでした。では土生から辿り着く先はどこなのか。それは尾道のすぐ隣の三原です。尾道、三原間は電車で13分ほど。これくらいの陸路移動なら全く問題ありません。問題は土生での乗り換え時間がスムーズかどうか。調べるとどうやらいいのがありました。
<保存版>しまなみ海道フェリー旅の航路はこれ!
JR尾道 9:25発 JR三原 9:37着(JR/240円)
三原港 10:24発 土生港 11:00着(土生商船/1500円)
土生港 12:20発 今治港 13:40着(芸予汽船/1780円)
※時刻、料金は最新のものでお確かめください。
実際乗ってみた!
と言うことで、2023年GWの家族3人旅で実際に体験してきました。台風が近く、曇りがちな天気でしたが、瀬戸内海を満喫できる旅となりました。
鞆の浦から尾道
まずは鞆の浦から尾道までの観光フェリー。長期休暇期間だけの限定航路とのこと、何もない平日には運航していませんのでご注意ください。チケットは売り切れもあるとのこと、事前入手が安心です。なお運が良ければスナメリが見えるようです。
三原から土生
まずチケット事情ですが、当日港で入手できました。マニアックな路線で、生活用に使っている人以外、観光客は皆無のようです。三原港から複数の港を経由しますが、そのたびに人が減っていきます。土生港には、ほとんど我々だけだったような。
因島のお好み焼き「いんおこ」を堪能
土生に11時着でちょうどお昼時。土生港は因島にあり、近くにお好み焼き店が点在します。そのうちの1軒「お好み 越智」に並びました。列の先頭なのですが、1時間は待ってとのこと。意外と焼くのに時間がかかるのと、地元のお客さんのテイクアウトの注文が大量に入っているようで、店内のお客さんも食べ始める前のようでした。なんとか12時前に店内へ。フェリーに間に合う時間にギリギリ食べ終わりましたが、店を出ると大行列。ちょうど良い時間帯だったのかもしれません。
土生から今治へ
土生港では、チケットを自販機で購入。こちらも混むほどは乗っていない様子です。1時間少しの旅ですが、美しい風景でいつまでも見ていたい気分でした。ちなみに瀬戸内海はやはり波がなく、揺れは少ないですが、一応酔い止めは飲んでおいたほうがいいです。
お役立ちリンク集
ガイドブックには載っていないマニアックな旅ですが、大満足の行程でした。瀬戸内海の雰囲気を色濃く味わえるフェリー旅をぜひ!
※本記事の情報は、2023年5月の旅行を振り返り、2024年9月に再度検証した内容です。航路の廃止の可能性もあるので、最新の情報を取得してください。
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Connecting the Booksは、これまで培ってきたクリエイティブディレクター、コピーライター、編集者としてのノウハウを公開するとともに、そのバックグラウンドである「本」のレビューを同時に行うという新たな試みです。