研修嫌いで人前が苦手だった私が日本ファンドレイジング協会「認定講師」になりました
こんにちは。堤大介( @22minda )です。2025年もあっという間に2月に突入してしまいましたが、新年一発目のnoteです。新しい資格を取得しましたよ、のお知らせと、今後の仕事へ向けての意気込みと、思えば遠くへ来たもんだという感慨にひたった気持ちなどなどをお送りいたします。
日本ファンドレイジング協会「認定講師」になりました
なんのお知らせかについてはタイトルに書いたことがすべてです。日本ファンドレイジング協会の「認定講師」となりました。日本ファンドレイジング協会ではNPO業界の方なら多くの方が知っているであろう認定・准認定ファンドレイザー資格認定制度を運営していらっしゃいます。私も長らく野良ファンドレイザーだったところから一念発起して有償実務経験を必要とする認定ファンドレイザーまでを一気に取得した経緯や背景については昨年書かせていただいた通りです。(昨年書いた記事→ファンドレイジング・コンサルタントを「卒業」するために認定ファンドレイザーを取得した話)
ファンドレイザーの資格構成上は認定と准認定の二段階があります(その他に最近は「大学ファンドレイザー」「社会福祉ファンドレイザー」などの専門コースも開設されています)
認定講師というのは認定ファンドレイザーの上級資格ということではなく、ファンドレイザーの育成等に向けた研修実施に関わるものです。
Q. 認定講師になるとどうなるの? A. 「選択ポイント」がつけられるようになります
認定講師について、日本ファンドレイジング協会のHP上の説明には以下のように記載されています。
認定講師になると何が変わるのかといいますと、上記にも書かれている通り、私が登壇する研修については基本的にはどこで実施するものであっても「選択ポイント」を付与できるようになるということです。
「選択ポイント」というのは、認定・准認定ファンドレイザーの資格取得や資格取得後の更新のために必要となるポイントのことで、例えば准認定ファンドレイザーの資格取得をするためには、准認定ファンドレイザー必修研修の他に「選択研修9ポイント分」を受講した上で、試験に合格することが必要となります。
この選択ポイントを獲得するためには、協会主催の研修あるいは協会と連携しているパートナー団体の研修を受けることが必要なのですが、その他の選択肢になり得るのが「認定講師が登壇する研修」なのです。
今回お声がけいただいて申請をするまで知らなかったのですが、面白いな感じたのは団体内の研修など非公開・クローズドの研修もポイント付与の対象になるという点です。
私によくいただくご依頼では全国各地の中間支援組織の皆さんからのご依頼で研修をする場合にポイント付与の対象とすることができるだけでなく、個別の団体さんからご依頼をいただいてファンドレイジング戦略立案の伴走支援を行う際などにまずは内部の職員さんやボランティアメンバーの皆さんの基本知識の獲得や共通言語づくりのためにファンドレイジング講義を行うことが多いのですが、そのような特定の団体の方を対象とする場であってもポイント付与の対象とすることができるということです。
どちらのケースも今後活用させていただく場面がちらほらありそうだなと思っておりますし、私の研修受講をきっかけに資格取得を目標に勉強を続けてくださる方が増やせるかもしれない、という意味では、NPO支援やNPO経営が適切にできる人材の育成に寄与したいという私自身のミッション的な関心とも合っているなと感じております。
Q. 堤はどんなテーマ・形式の研修ができるのか?
A. いろんなテーマ・形式でお受けしています!
…と、これでは回答にならないかと思いますので少し具体的に。
テーマ
ファンドレイジング全般(特にファンドレイジング戦略立案、寄付・会費、デジタルファンドレイジング、助成金など)
NPO経営戦略・NPOマネジメント(戦略立案、中期事業計画、ビジョン・ミッション、組織基盤強化、組織診断など)
社会的インパクトマネジメント(ロジックモデル、事業評価など)
広報・マーケティング(マーケティング全般、Webマーケティング、メール・SNSマーケティング、情報発信、チラシ・HPなどの広報ツール作成など)
人材開発・組織開発(組織体制、ボランティア・マネジメントなど)
リーダーシップ
私自身が学生時代から長く児童福祉の現場でボランティアを経験してきたことや、ボランティアコーディネートなどの中間支援に携わってきたこと、楽天というWeb企業勤務や企業に務めながらのプロボノ活動などさまざまな経験をしてきたこと、上級ウェブ解析士・日本評価学会認定評価士などの他分野の資格も取得していることなどからそれなりに幅広いテーマでの研修対応が可能です。
すべてのテーマが選択ポイントの対象になるわけではないですが、日本ファンドレイジング協会のファンドレイザー制度のファンドレイジングの体系に関連するものはかなり幅広く認められるようで、おそらく上記はほとんど大丈夫かと思いますので何か気になるテーマがあればご相談ください。
形式
講演会・ワークショップいずれの形式でも対応可能です。
そして、単発研修の他、連続講座も対応いたします。
特に学びを活かした何らかの実践フェーズまで含む伴走支援型の連続講座については力を入れていきたいと考えております。
いずれのテーマ、形式にしてもオーダーメイドで研修の設計からご相談にのれますのでお気軽にご相談ください。例えばファンドレイザーの資格の他にアクティブ・ブック・ダイアローグ認定ファシリテーターという資格も所持しておりますので、書籍を使った学びの場の設計なども(アクティブ・ブック・ダイアローグに限らず)対応可能、というか色々やっていきたいなと考えております。
実際にどんなテーマでご依頼をいただいていることが多いのかといったことについては売上分析の記事に詳しく書いておりますので良ければご覧ください。(NPO支援家の2024年にいただいたお仕事分析と振り返りと来年に向けて)
研修嫌いで人前で話すのが苦手だった私が、思えば遠くへ来たもんだ
さて、ここまでなんだかちゃきちゃきと研修講師の宣伝的なことを書いてきたのですが、ふと冷静になると「なんだかいつの間にかすっかり研修講師になったなぁ」などと思います。私元々は人前で話すのが大の苦手でしたし、そもそも研修というもの自体が大嫌いだったんですよね。
人前で話すのが苦手なところからどうやって仕事で講師業をできるに鍛えてきたのかということについては、以前にブログの方に書いた(ここまでやれば誰でもできる!プレゼン練習法〜場面緘黙症だった私が研修講師になるまで〜)のですが、どのぐらい苦手だったかというと小学校の頃は一時期場面緘黙の症状を持っていたということです。高校、大学、社会人と成長する中で色々と自分なりのトレーニングを積んでいく中で徐々に収まっていきましたが、だからといって人前で話すことが好きとか得意といったレベルになるというのはまた別のお話で、そんな私が仕事として、プロとして、研修講師をしなければならなくなったのは2016年に楽天を止めてNPOコンサルベンチャーPubliCoに転職したことがきっかけでした。
長くボランティア・プロボノ活動でNPOには関わってきたもののプロとしてNPOの支援ができるようになるということには漠然としたイメージしか持てない状態で転職してきた私にとって「講師業」というのはまったくイメージしていなかったことでしたし、長浜さん・山元さんという実績も知名度も、そしてそれぞれのキャラ立ちもずば抜けている二人をロールモデルとすることは相当なプレッシャーがありました。それでも改めて振り返ると「研修の設計と実施」という型のある支援からNPO支援の経験を積み始められたことも、キャラの異なる超優秀なロールモデルが間近に二人いたことも本当に貴重な環境でしたし、今の私のNPO支援に本当に活きていると感じています。(NPO支援者がまず講師経験を積むべきという考えについてはこちらの記事にも少し書いています。まずは右の記事に書いた通り「先輩講師の講座で補佐約を務める」ことから始め、その後自分が講師として登壇し、というステップを踏んでからの方が伴走支援やコンサルティングなどの個別団体支援はうまくいきやすいと考えています→⑬「団体支援」人材を育てる・育つための施策案その2〜伴走支援型連続講座(心理的安全性を確保しつつ支援感覚を養う)〜)
長浜さん・山元さんを始め、NPO業界の優秀な支援者であり講師の方たちの存在を知り、その世界観を体験できたことで、私自身の研修というものそのものへの認識もかなり変わりました。というのも、人前で話すことの苦手さとは別に、私はそもそも研修自体が大嫌いだったのです。企業に務めていた時代に受けた各種研修や、学生時代含めてソーシャルセクターで受けてきたさまざまな研修、資格取得等での研修などそれなりに研修受講経験がありましたが、講演形式にしろワークショップ形式にしろ、研修の効果や意義を感じられるような経験がそれ以前はほとんどなかったのです。だいたい説明がわかりにくくて話が長いと感じていたり、ワークなども意味を感じられないという経験が多く、研修=時間の無駄と考えていたのですが、優秀な講師がしっかり設計して実施するものであればちゃんと伝わるし、意識変容行動変容もそれなりに起こせるものなんだなと考えを変えることができたのは本当に良かったです。(それでもやはり単発の研修には限界があるということは今でも思っているので、行動変容まで起こすことを狙っているのであれば連続講座化や伴走支援の組み合わせなどが必要という点は強く感じています)
研修の意義に対する考えが変わったといっても、とはいえ私は今でも自分自身が研修を受けるのはあまり得意ではないというか苦手なままです。読書などテキストで学び考えることはかなり得意だという自覚があるので、学習スタイルにも相性があるのだとは思いますが、だからこそ研修が苦手な人や嫌いな人が少なからずいるであろうということは私自身が研修を行うときにもかなり意識をしながら仕事をしています。特に中間支援組織や行政が主催する研修は参加費が無料なものが多いことからも、「とりあえず受けにきた」「上司に言われてきた」などの学習意欲や参加意欲が低い方が受講者に含まれていることも多いですし、研修のテーマ自体には関心や意欲があっても昔の私のように研修という立て付け自体には苦手意識を持っていたり、知名度や実績がよくわからない堤という講師に対して不信感を持っているという方もそれなりにいる、といったことを念頭に置きながら話し方や言葉を選んだり、そもそもの研修のつくり方も変えたりしています。
そんなこんなを考えながら講師業やコンサル業で仕事をし始めてもうじき10年目に突入します。今でこそそれなりに研修講師業というものにそれなりの自信や自負を持ちながら仕事をさせていただくようになりましたが、スタートはまったくそうではなかったというか、目指していたわけでも決してなかったというか、とはいえ人に何かを教えたり相談したりということは学生時代の学習支援ボランティア経験だったりもっといえば小学生ぐらいのころから人の相談に乗ったり何かを教えたりはいっぱいしてきていたからなるべくしてなったという側面もあるのかなというか、…あぁ思えば遠くへ来たもんだ、とそんな感じです。
ということで長くなりましたが、認定講師になりましたよのお知らせでした。研修のご依頼、ご相談お待ちしております。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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