音楽
音楽との出会いは母が運営していたピアノ教室だった。
母子家庭で母との2人暮らし。
家に1人でいても寂しいから、学校が終わるとすぐ母のピアノ教室に寄って、母と一緒に帰宅する毎日だった。
無理して友達を作らなくてもよかった。
ピアノを弾きたいというより教室に通ってくれているみんなと会うのが楽しみだった。ピアノを弾くのはおまけだった。
転機が訪れたのは10歳の頃。
母が日本人と再婚をすることになって突然、日本での暮らしがスタート。
ひらがなとカタカナの読み方だけは知っていたが後は全く話せない。
学校に通うのは至難の業だった。
言葉がわからないし、おまけに子供の頃はとても太っていたからバカにされがちだった。
学校に馴染めない日が続き、気持ちが次第に沈み込んだ。
そんな中、小学校の卒業式の伴奏をお願いされることになった。
これが、案外面白い。
初めて、自分のすべきことを見つけたような感覚だった。
そして中学校に上がるとベートーヴェンの音楽にどハマりした。
特に好きだったのがヴァイオリン協奏曲。
大好きで、何度も何度も聴いた。
ここから本格的にクラシック音楽にのめり込んでゆく。
楽器も、ピアノ、ヴァイオリン、クラリネットをうまく同時進行で練習していた。
音楽はずっと、心の支えだった。
自分の感情や想いを音に乗せて表現することが凄く楽しかった。
子供の頃は、指揮者かピアニストになりたかった。
ずっとずっと音楽家になることを夢見ていた。
そのことを母に言ったら、趣味でやりなさい、と片付けられてしまった。
人の顔色を伺う生き方をしてきた俺は、自分の夢を否定されると、あー、そうなのかな、やっぱり音楽で生きていくのは難しいのかなと安易に納得してしまう。
本当はそうじゃないかもしれないのに。
もちろん、自分より才能や環境に恵まれて上手い人は星の数ほどいる。
本気で音楽を仕事にしようと思ったらそういうライバル達より光るものを持っていないといけない。
いつの間にか、音楽家になりたい自分の欲求に蓋をして生きるようになった。
それでも音楽を心の底から愛している。
自分よりも圧倒的に優れた友人と会うこともあるけど、それでも音楽を手放すことはできない。
人それぞれ、前提は違う。
持って生まれたものが違うし生まれ育った環境も違う。
だからこそ、自分が持って生まれたもので勝負するしかないんだ。
他人と比較する暇はないんだ。
他人と自分を比べて、落ち込む必要はない。
自分には自分の世界があり、他人には他人の世界がある。
自分も他人も尊重した方がいい。
音楽家になって、作曲家の心が伝わる演奏をしたり、聴く者の感情に寄り添い、時には悲しみを癒し、時には元気を与える。
そんな夢を自分なりに叶えてみたいと思うようになった。
深く愛している音楽やピアノをもっと深く探究したい。
そう思うようになった。
自分の夢を叶えるためにYouTubeを始めた。
どこまでやれるか?
試してみたい。
よかったら、聴きにおいで下さい!
よろしくお願いします!